社長の判断は正しかったのか
- 一時解雇をするのは一般的なのか?
- そのまま営業を続けていたら、貰える雇用保険の額が下がるかもしれない
- 雇用調整助成金を使ったら良かったのでは?
- 助成金を待っている間に会社が潰れてしまうこともある
- 非常事態に生活を守るのは、社長ではなく国の仕事
- 600人全員を解雇した社長の判断は正しかったのか?
読むポッドキャスト 第94回「西村豪庸の『社長工場』」
ナレーターやまだひさし
「西村豪庸(にしむらひでのぶ)の『社長工場』」!!
こんにちは、やまだひさしです!
ポッドキャスト番組、西村豪庸の社長工場では、インスタイルグループの代表を務める経営コンサルタントの西村豪庸さんが、ビジネス、経営に関することを独自の視点で解説していきます。
西村さん本日もよろしくお願いします。
工場長西村豪庸
お願いします。
ナレーターやまだひさし
今日のテーマは「コロナで600人解雇したタクシー会社」です。
2020年4月7日、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を受けて、都内を中心に展開するタクシー会社がタクシー事業を一時休業し、すべての従業員約600人を解雇することを、翌日の4月8日に発表しました。
このタクシー会社は、東京オリンピックで来日する外国人観光客の増加を見込んでタクシー運転手を増やしていたそうなのですが、東京オリンピックの延期が決定、加えてコロナウイルス感染拡大によって売り上げが例年の半分程度に落ち込み、その上緊急事態宣言が発令されたので、さらに売り上げが激減すると予想し、会社の代表が解雇に踏み切ったそうです。
ご存知の通り、タクシー運転手の給料は歩合制が一般的ですが、今後の給与予測が失業給付金を下回るという判断を社長が下し
「このまま低賃金で営業を続けるよりも、失業給付金を1日でも早く貰う方が、従業員にとってメリットが大きいだろう」
「また、コロナウイルスが終息して需要が戻ってくれば、解雇した従業員を再雇用したい」
と、解雇について説明していました。
工場長西村豪庸
はい。
ナレーターやまだひさし
このタクシー会社の行動に対して「従業員のことを思った英断だ」と称賛する意見がある一方で「従業員のことを一切考えておらず、非常にひどい」という意見もあり、解雇となった従業員からは「あまりにも急すぎる」という不安の声も上がっています。
社長としては、失業保険は直近半年の給与からだいたい算定されるので
「その給与が下がる前に1日でも早く解雇してあげないと、みんなが貰える保険金が減るから」
と、従業員に説明をしていたそうです。
しかし、解雇された従業員600人のうち80人ぐらいが納得できず、不当解雇として解雇の無効や賃金の支払いなどを求めて仮処分の申し立てをし、結構ぐちゃぐちゃになっているんですね。
なぜかというと、最長1年間の失業給付を受けられるのは65歳未満の人が対象で、65歳以上の人は最長50日分の一時金しか貰えないそうなんです。
工場長西村豪庸
65歳以上の人は、年金貰えばいいやん。
ナレーターやまだひさし
そうか、65歳を過ぎたら年金が貰えるのか!笑
もう一つ問題があって、失業給付を貰う場合、本来はハローワークでの求職活動をすることが前提となるので
「需要が回復したら、再雇用を約束するよ」
なんていう場合は、不正受給になっちゃうからだめなんです。
ヒデちゃんがこの会社の社長だったらどうしますか?
工場長西村豪庸
俺がこの社長の立場になったら、まず「そもそも65歳以上の人を雇用してたことを褒めてくれ」って思うと思いますけどね 笑
ナレーターやまだひさし
考えてみたら、セカンドキャリアのためにそういう受け皿を作ってくれてた会社なんだよね。
工場長西村豪庸
車が自分の持ち物だったら、建物とかオフィスを引き払って車を走らせなきゃ別に損は出ないから、とりあえず止めるっていうのはあり得るんじゃないですか?
他の会社だったら人件費を止めたところで、アレ代が出ていく、コレ代が出ていくってなるけど、600人全員解雇して全部を止めたら、それまでの人件費以外は出ていかないじゃないですか?
だから、僕も600人解雇するかもしんないですよ。
ナレーターやまだひさし
じゃあこれは、そんなに悪い選択ではなかったっていうことなんですか?
工場長西村豪庸
いや、分かんないです。
一時解雇をするのは一般的なのか?
ナレーターやまだひさし
日本では大問題のように取り扱われたんですけど、アメリカでは一般的な手法らしいんですよね。
工場長西村豪庸
レイオフは一般的ですね。
何だったら今、アメリカでは3000万人近い失業者が出てるんです。
何でこんなに失業者が出てるかというと、未曾有の大不況だっていうのもあるんですけど、一方で、今アメリカでは、失業保険に週600ドル追加で補填されているんです。
月に30万円ぐらい追加されるので、もともとの失業保険が日本と同じように6割出るんだとしたら、月に50万円とかになるんですよ。
ナレーターやまだひさし
生活できちゃう額ですね。
工場長西村豪庸
だから、アメリカは年収600万円以上じゃないと今は失業した方がお得で、逆に言うと、そのくらい手厚くしてるから当然失業者も多いんです。
アメリカの制度って「平常時に戻ったら俺たちは何もしないから、おまえたち頑張って働いて稼いで納税しろ」みたいに、言うことを聞かせる代わりに徹底的に補償するところは補償するんですよね。
解雇しやすいと、当たり前ですけど人材の流動性は上がるから、人も採りやすいんです。
スピードを出せる車っていうのは、アクセルがよく踏める車のことではなくブレーキがよく効く車のことなので、首が切りやすいアメリカは、気軽に人を採りやすい側面もあるんですよね。
ナレーターやまだひさし
ただやっぱり、日本だとなかなか馴染みがないもんだから、こういったニュースの見出しだけを見て騒いで、犯人探しみたいになっているということですね?
工場長西村豪庸
ある意味、なってますね。
ナレーターやまだひさし
この社長の決断が100%正解か? っていったらそうじゃないかもしれないけど、正解なんてこの有事にあるわけないですもんね。
そのまま営業を続けていたら、貰える雇用保険の額が下がるかもしれない
工場長西村豪庸
例えばタクシートライバーの場合、給料は歩合制で、失業保険は今までの給料の平均値に対して6割とか出るわけですよ。
「4月いっぱい営業したら、給料の平均額が下がって受け取れる額が下がるから、即日解雇してあげて、すぐに雇用保険や労働保険を受け取った方が実入りがいいでしょ?」
っていう側面もあって、そっちを美談だと言ってる人も多いんですよね?
ナレーターやまだひさし
そこだけ捉えたら、社長の早い決断によって、収入が担保されたんですよね。
工場長西村豪庸
助成金に関しては初めてのことだから役所もてんやわんやしていて、ちゃんと確定してないんですよ。
だけど雇用保険や労働保険は、ずっとこのパッケージで推進されて使われてきてるから、ある程度読めるわけじゃないですか。
基本的には
「雇用保険を1年間ちゃんと払って、会社都合だったら、半年間は給与の60パーセントが即日出るよね。
だから、いつ出るか分からない助成金を頼りにしてあなたの平均給与が下がるよりも、今切ってあげるね」
っていうのが正しいっていう視点と、
「それが美談として広まって、どんどん真似するやつが出てきたら、保険が破綻するぞ」
っていう視点があるんです。
だけど、そんなの昔からあって、1年働いちゃ会社都合の退職にしてもらって、3ヶ月とか半年間失業保険で食いつないで、また半年働いちゃ、半年休んでみたいな、失業保険ジャーニーが昔からいたじゃないですか。
ナレーターやまだひさし
実際、僕も経験者ですね。
工場長西村豪庸
でもそれは、雇用保険っていう保険料を払ってんだからある意味権利だし、不正に受給してたら問題だけど、保険料をちゃんと払ってるのに、払われなかったらびっくりするじゃないですか?
だから、どこの視点から、どう見るかだと思うんですよね。
65歳以上の人が
「いやいや、こんなんじゃ生活していけないよ」
って言うけど、そもそも
「65歳以上でほかに仕事がない状態で、タクシーの会社に雇用してもらっててよかったね」
っていう視点もあるじゃないですか?
ナレーターやまだひさし
確かに、その会社がなかったら無職だったかもしれないんですよ。
工場長西村豪庸
おとなしく年金貰ってなきゃいけなかった年じゃん? って話じゃないですか。
ナレーターやまだひさし
考えたらそうだよね。
そのぐらい、ちょっと前向きに意識を考えていかないといけないですよね。
雇用調整助成金を使ったら良かったのでは?
ナレーターやまだひさし
「雇用調整助成金を使えば従業員の雇用が守れたはずなのに、何でこの制度を使わずに簡単に解雇したんだ」っていう意見が、結構多いみたいですね。
工場長西村豪庸
その意見も一理あるけど、そもそも今回のコロナで一番問題になってるのが、不確実性なわけですよ。
この会社がだいぶ自転車操業だったとして、雇用調整助成金がいつ、いくら入ってくるのかなんて、明確には分からないんですよ。
結局「このぐらい感染して、このぐらい亡くなって、このぐらいの時期に収まる」っていうのが全部分かんないからみんな不安なわけで、そんな中、それぞれ一生懸命、国は国、民間は民間で、やれることをやってるわけじゃないですか?
日々いろいろ変わってたりもするし、なんせ初めてのことだから、ちゃんと整ってないわけですよ。
助成金があるからって言うけど、その助成金から人件費を出したあとに助成金が貰えなくて、給料は払えたけど、月末の支払いができなくて会社を潰すことになったら、どっちの方が迷惑かけたかなんて、誰にも分かんないじゃないですか。
「この会社の社長だったらどうする?」っていう質問に対して分かんないって言っていたのは、そういうことです。
全部の数字を見てるわけじゃないからなんとも言えないけど、少なくとも助成金を何で使わなかったかということに関して言えば、いついくら出るのか、ちゃんと何%出るのかが明確じゃないから、社長の気持ちも半分くらい分かるんですよね。
だって個人の給付金ですら、30万円貰えるとか、10万円貰えるとか、全員とか、手を上げた人だけにとか、二転三転してるでしょ?
ナレーターやまだひさし
そんな状況じゃ、選べるわけないじゃないってことよね?
工場長西村豪庸
だから、分かんないですよね。
助成金を待っている間に会社が潰れてしまうこともある
ナレーターやまだひさし
今後、この会社を真似して、失業保険制度を使う人も出てきますかね?
工場長西村豪庸
それが出てこないように、一生懸命叩いてる部分もあると思いますよ。
国の視点で言うと、助成金は出す、出さないのコントロールができるけど、失業保険は基本的に100%出さなきゃいけないじゃないですか。
ナレーターやまだひさし
決まってますからね。
工場長西村豪庸
「従業員全員に休業補償を出したなら、そのうちの5割、10割を助成金として、来月出してやるよ」
って言われても、その頃まで会社が持たない可能性だってあるじゃないですか?
だから結局、先が見えない限りは目先の金を考えなきゃいけないですよね。
先が見えてれば、平常時の資金繰りぐらいは多少頭の中にありますけど
「非常事態に『入ってくるかも分からない助成金を当てにして、経営してたら会社潰しちゃいました。 だから君たちへ払った給料を返して』って言うわけにもいかないから、解雇したんだよ」
って言われても、半分ぐらいは納得いきますよね。
ナレーターやまだひさし
このタクシー会社も600人のうち、不当解雇として仮処分の申し立てをしたのは80人しかいないので、圧倒数が納得してくれてるっていう事実もあるんですよね。
工場長西村豪庸
80人のうちのほとんどが、65歳以上の方なんでしょ?
ナレーターやまだひさし
よほどバリバリ働けて、歩合ですごい稼げる自信がある65歳以上のドライバーが、いっぱいいたってことなんですかね?笑
工場長西村豪庸
だったら別に、転職すりゃいいじゃないですかね。
ナレーターやまだひさし
そのぐらいの腕とパワーがあるなら、まだ元気なタクシー会社もありますから、そこに就職しろっていう話もあるのかもしれないね。
マイノリティーがすごくマジョリティー化してるような感じで、ニュースとして取り上げちゃうから、すごく誤解を受けてる気がするね。
工場長西村豪庸
ノイジーマイノリティーですよ。
ナレーターやまだひさし
もしかしたらこの社長も、良かれと思ってやったのに、ここまで叩かれると思ってなかったのかもしれませんよね。
工場長西村豪庸
良かれと思ってやったか、悪かれと思ってやったかは、この社長じゃないから分かんないですけど、もし良かれと思ってやってたら、たまったもんじゃないでしょうね。
「君たち、もう1ヶ月そのまま過ごしたら歩合がゼロになるから、ゼロの6割を貰ってもゼロだよ」みたいな。
ナレーターやまだひさし
だから次の日に発表したんだっていうことを、どうにか伝わってほしくてやったはずだと思うんですよね。
工場長西村豪庸
そうすると、なかなか可哀想かなっていう気もしますよね。
ナレーターやまだひさし
ヒデちゃんが言うように、違った視点で見てあげたら、超ファインプレーで520人の従業員を守ったことになるのかもしれないんだけどね。
非常事態に生活を守るのは、社長ではなく国の仕事
工場長西村豪庸
だから結局、65歳以上の
「俺たちの生活どうしてくれんだ、会社側が面倒見ねえでどうすんだ」
っていう声に関しては
「ごめんけど、それをやるのは国の仕事であって、会社の仕事じゃないんだよね」
ってことですよね。
平時にはもちろん、会社が君たちの雇用を守るけど。
ナレーターやまだひさし
社員だからね。
工場長西村豪庸
コンサルティングクライアントの社員とかに、社長は言えないだろうから僕がよく言うんですけど
「お前が一生懸命働いて給料が貰えなかったら、社長のことを酷い野郎だって思うよな?
でも逆の言い方をすると、社長は一生懸命給料を払ってるんだ。
ってことは、おまえが適当に仕事をしてたり、仕事をしないと、お前が一生懸命仕事をしたときに、給料貰えないのと同じか、それ以上の気持ちを社長は受け取るんだ。
一生懸命働いたのに給料をくれなかったら、何て社長だって思うのと一緒で、一生懸命給料を払ってんのにお前が働かなかったら、何て社員だって思うんだぞ」
っていう話じゃないですか?
今は非常事態なんだから、俺の面倒見てくれなんて言ってる場合じゃないんですよ。
非常事態に面倒を見てくれるのは会社じゃなくて、年金だったり、社会保険だったり、雇用保険だったり、国の最終的なセーフティーネットであって、それを整備するために税金ってものがあるんだから。
ナレーターやまだひさし
もしかすると、この訴えはお門違いと言ってもいいかもな。
そこまで言ったら、あなたの生活も命も、全部社長が守ることになってしまいますもんね。
工場長西村豪庸
もちろん守るつもりで、俺は雇用してますけどね。
ナレーターやまだひさし
とはいえですよね?
工場長西村豪庸
この国は別に社会主義でも共産主義でもないし、すべての企業が、口開けて餌を待ってるだけのどうしようもないやつの面倒まで、全部見るってわけでもないからね。
ナレーターやまだひさし
お互い、貢献してもらった分の対価だから、それはさすがにね。
600人全員を解雇した社長の判断は正しかったのか?
ナレーターやまだひさし
今回に関して、ヒデちゃん的には600人全員をいきなり解雇した社長の判断は、どちらかと言えば正しかったんでしょうか?
工場長西村豪庸
分かんないですね 笑
この社長の判断が正しかったのかどうかは、今言えることじゃないんですよ。
オンデーズの社長も、売り上げやお金がないときに、社員に対して一生懸命嘘ついて、大丈夫って言ってたっていうのを本にも書いてますけど、それはオンデーズの社長がV字回復させたから良かったのであって、ホワイトライの回にもちょっと言いましたけど、今だけを切り取って判断できることじゃないんですよ。
一番良いとされるやり方が何なのかは分かんないけど、1年後、2年後、3年後に、この会社がしっかり成長して、社員もハッピーだったら、
「な? あの判断って正しかっただろ?」
ってみんな言うし、会社を潰したり、600人がみんな路頭に迷って、アンハッピーだったら
「な? あの社長、やりすぎだったんだよ」
って言われるかもしんないし。
だから結局、今その場だけを切り取って判断しても、もともとこういう前提条件じゃなかったわけだし、このタクシー会社も、オリンピックに向けて雇ってたけど、オリンピックが延期になって前提条件が変わったわけだから。
ナレーターやまだひさし
だから、雇ってたわけだしね。
工場長西村豪庸
結局、みんな結果を見て言うけど、分かんないんですよね。
いきなりステーキの回でも、拡大しすぎだとか言われたって止められないし、止めなかったら市場に入ってくるしっていう話もしたじゃないですか。
昔と前提条件が変わって、頑張って対応してるときに「正しかったかですか? 間違ってましたか?」って言われても分かんないですよ。
僕が今日言い続けてるのは、そういうことなんです。
ナレーターやまだひさし
希望的観測としては、何年後かには正しかったと思いたいね。
工場長西村豪庸
みんながハッピーにやれてれば、正しかったでしょって言えるし。
「これでみんながこのスキームに殺到して、雇用保険が崩壊したらどうするんだ」
「保険会社が潰れたらどうするんだ、だから保険金を請求しちゃダメだよ」
ってのと一緒で
「いやいや、保険代払ってんだから、保険金請求するわ」
って話じゃないですか。
ましてや、相手はお上だぜと。
ナレーターやまだひさし
それはまた別の問題だもんね。
工場長西村豪庸
だから正しかったかって言われても、今の時点で僕らには分かんないですよ。
少なくとも「僕がこの社長だったらどうする?」っていう最初の質問に戻ると「今で判断するな」って思いますね。
ナレーターやまだひさし
社長工場が、3年、5年続いてたら、この答え合わせしたいね。
僕も今の現状だったら、これしか最善策がなかったんじゃないかって思うしね。
工場長西村豪庸
すべての人はベストだと思って、その行動をしてるんですよ。
ナレーターやまだひさし
代表だって、別に自分の身を守りたいがために、そんなことしたわけじゃないと思うしね。
工場長西村豪庸
ジハードだって、お互い「自分の神様が一番正しい」って言って戦ってるんであって、悪者と正義の味方が戦ってる戦争って、世の中にあんまりないじゃないですか。
すべての人が「自分が正義だ」と思ってるし、その中でベストだと思ってる行動を選択してるんです。
ナレーターやまだひさし
それはヒトラーとかだって、自分では正義と思ってるんだからね。
工場長西村豪庸
ヒトラーは民衆が生んだっていうのは、よく言われることですけど、結局、彼は選挙で誕生してますからね。
ナレーターやまだひさし
歴史の中では過ちだったんだなって、後からはいくらでも言えるけどね。
社長って、すごい判断をさせられるんだな。
答えも分からないのにジャッジをして舵を取らなきゃいけないって、やっぱりすごい仕事だっていうことが分かった。
工場長西村豪庸
不確実な世界の中でジャッジをしなきゃいけなくて、しかもその判断をジャッジされるんですよ。
ナレーターやまだひさし
でもそこに、ヒデちゃんは長いこと身も置いてるし、これからもどんどんそういう人を育成していこうと思ってるんだもんね。
工場長西村豪庸
僕はいつも、その立場が長いから
「おまえが正しいとも、お前が間違ってるとも言わん」
みたいな言い方になるんですよね。
だって、例えば何かの試験に落ちたとき、そこでやめたら試験に落ちた人になるだけであって、来年受かったら受かる途中じゃないですか。
ナレーターやまだひさし
それまでのプロセスの一つなんだ。
工場長西村豪庸
やまださんが10年後にやまペイで大儲けして、大富豪になってたとするじゃないですか。
でも、今年の資産額を切り取られて「やまペイができるかできないかを判断しなきゃいけない」って言われたら「今の資産額だけで、やまペイができるかを判断しないでくれ」って話になるじゃないすか?
ナレーターやまだひさし
そりゃそうだね 笑
工場長西村豪庸
成功するかどうかは誰にも分からないし、今を切り取らないでくれって話になるじゃないですか。
ナレーターやまだひさし
基本僕らの仕事なんてのは、夢みたいなものにベットしてくれって言ってるようなものだし、それがどうなるかなんて正直誰にも分からんしね。
今、この社長工場を聞いてくれてる人の中にも、そういう判断をしなければいけない局面にきてる人もいるはずなんでね。
工場長西村豪庸
もちろん、タフな意思決定をしなきゃいけない人もいるでしょう。
だから以前
「極端な話、お金はすごい大事だし必要なものだけど、コロナが悪いんだから、たかがお金って割り切って生き延びろ、金で死ぬな」
って言ったんですよ。
工場長西村豪庸
ありがとうございました。