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第75回「嘘つきなビジネスマン」

ビジネスマンはどのように嘘と付き合っていけばいいのか

読むポッドキャスト 第75回「西村豪庸の『社長工場』」

    トピックス一覧
  1. ビジネスマンはどのように嘘と付き合っていけばいいのか
  2. 社長が見栄を張って、従業員を繋ぎ止めるのはアリ?
  3. 社長のかわいそうな嘘
  4. 「嘘から出たまこと」は受け取り方次第
  5. 西村工場長は嘘を見抜ける人?
  6. オレオレ詐欺も、騙されている側は分かってる?
  7. 背伸びはいいけど、シークレットブーツはダメ

ナレーターやまだひさし

「西村豪庸(にしむらひでのぶ)の『社長工場』」!!

こんにちは、やまだひさしです!
ポッドキャスト番組、西村豪庸の社長工場では、インスタイルグループの代表を務める経営コンサルタントの西村豪庸さんが、ビジネス、経営に関することを独自の視点で解説していきます。

西村さん本日もよろしくお願いします。

工場長西村豪庸

お願いします。

ビジネスマンはどのように嘘と付き合っていけばいいのか

ナレーターやまだひさし

1月13日は成人の日っていうことで、今日のテーマは「嘘について」です。

子どもの頃は「噓つきは泥棒の始まり」とか「嘘を言えば地獄に行く」「嘘をつくと閻魔さまに舌を抜かれる」なんていう、ことわざだったり「嘘ついたら針千本飲ます」なんて歌もあって、嘘つきは悪として教育されてきたと思います。

でも残念ながら、大人のビジネスの世界では「正直者がバカを見る」という言葉があるんですよね。

「噓も方便」なんて言葉もあったりして、嘘にもいくつかの種類があると思うんです。

以前のマナーに関する回で、フィンガーボールの水を飲んじゃった人に、恥をかかせないためにも自分も一緒にフィンガーボールの水を飲むっていう、素敵な嘘もありました。

他にも、本当は寝坊して遅刻したんだけど「電車が遅れた」って言って嘘ついたりとか、人から誘われたときに本当は予定がないのに「予定がある」って嘘をつく人。

物を壊したときに自分がやったのに、自分じゃないふりをしたりとか。
彼女が作ってくれたご飯が美味しくないのに「美味しいよ」なんて言ったりとか、いろんな嘘を経験してると思うんですよ。

ビジネスの世界で言えば、社員が数名しかいないのに、大きな会社に見えるように社員の数を多めに言ったり…

工場長西村豪庸

5人しかいないのに、6人いるって言ったりね。

ナレーターやまだひさし

それ、ただの数え間違いじゃん 笑
やっぱり、50人とか100人って言っちゃうんですよ。

あと自社ビルじゃないのに「ビルを持ってる」って言っちゃったり、全然売れてない商品なのに「むっちゃ売れてるんですよね」って営業マンが嘘ついたり。

工場長西村豪庸

「全米が泣いた」みたいなね。

ナレーターやまだひさし

そうですね。
多分、社長が泣いてるんでしょうね 笑

工場長西村豪庸

売れてないから 笑

ナレーターやまだひさし

景表法の回で言ったと思うんですけど、事実と異なることを言うのは犯罪なんですよね?
でも、ちょっと大きめに言うみたいな、ブラフとかハッタリとかが、詐欺に当たるかって曖昧だと思うんですよ。

なので今日は西村さんに、ビジネスマンはどのように嘘と付き合っていけばいいのかを、聞きたいと思います。

相手がすごく大きく言ってても、西村さん的にはいろんなデータを見れば分かっちゃうことも多いわけでしょ?
「なんか違うはずなんだけどな…」って分かってる場合、すぐそこで突っ込んだりするんですか?

工場長西村豪庸

いや、しないかな。

ナレーターやまだひさし

ビジネスマンだったら、社員が数名しかいないのに何十名と言ったり、売れてないのに売れてるって言うぐらいの嘘は当然なんですか?

工場長西村豪庸

「そこを気にしてるんだな」って思うぐらいですね。

ナレーターやまだひさし

その人が気にしてるだけで、西村さんは別に、そこを気にしてる方ではないんだ。

工場長西村豪庸

そうですね。

ナレーターやまだひさし

彼女のご飯が美味しくないのに「美味しい」って言ったことはありますか?

工場長西村豪庸

美味しくなかったことがないんでね。

ナレーターやまだひさし

…本当に?
そんな料理学校の子とばっかり付き合ってるんですか?笑

工場長西村豪庸

いえいえ。
人生で彼女が3人ぐらいしかいたことないけど、3人みんな美味しかった。

ナレーターやまだひさし

絶対おかしい。
もうすでに嘘をつき始めてますよね。

工場長西村豪庸

社長が見栄を張って、従業員を繋ぎ止めるのはアリ?

ナレーターやまだひさし

ホワイトライといわれる嘘で言うと、例えば倒産寸前だった会社をV字回復させた社長が、実は会社が赤字でお金がないときに、本当のことを言ったら社員がやめてしまうから

「めちゃくちゃ儲かってるから、大丈夫だよ!」

っていうふうに言って、見栄を張って従業員を繋ぎ止めて苦難を乗り越えて頑張る。
これはダメですか?

工場長西村豪庸

成功したらありなのかな。
でも社員は社員で、気付いてると思うけどな。

ナレーターやまだひさし

ちなみにヒデちゃんは、嘘を見極める能力は人より長けてると思いますか?

工場長西村豪庸

どうかな?
長けてると思うけど、それは思ってる時点でどうなんだろな。

ナレーターやまだひさし

細かく気にはしてない?

工場長西村豪庸

細かくは気にしてないですね。

例えば、倒産寸前だった会社をV字回復させたっていうのは、素晴らしいことだと思うんです。
だけど、本当のこと言っちゃうと逃げちゃうから、辞めちゃうからって「めちゃくちゃ儲かってるから大丈夫だよ」でもいいし、どのぐらい確信的に言うかだから。

この例は「大丈夫だよ」って言って、実際に大丈夫だったわけじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

このケースはね。

工場長西村豪庸

大丈夫か大丈ばないかって、人によるわけじゃないですか?

例えば「お前騙されてるよ!ピンチじゃん!」って言われて、逃げちゃった後にV字回復して

「なんでお前、あのとき『騙されてるよ』って言ったんだよ!」
「だって数字はひどかったじゃん…」
「いや、ひどかったけどさ…」


みたいなのもあり得るじゃないですか。
だから結局、自分次第じゃないですか。

ナレーターやまだひさし

まあね。
そこが嘘ついてようがなんだろうが。

社長のかわいそうな嘘

工場長西村豪庸

社長が本当に大丈夫と思ってたら、嘘だと思ってない可能性もあるじゃないですか?

ナレーターやまだひさし

確かにね。

工場長西村豪庸

世の中の全ての社長が、100%大丈夫って思って経営してるわけでもないし、100%不安と思って経営してるわけでもないじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

ある程度のリスクも当然背負ってるしね。

工場長西村豪庸

あるときは強気にもなるし、あるときは弱気にもなる。
で、あるとき弱気になってるときでも「社長だから、社員にあんまり弱気なところを見せるのも良くない」と思って、強気な発言をするのを、嘘って言ったらかわいそうなときもある。

ナレーターやまだひさし

確かにね。

工場長西村豪庸

あるとき、調子に乗ってて強気な発言をしてるときに、その後ちょっと業績が悪くなって「あれは嘘だった」って言われるのもかわいそうな気もする。

だから、受け取り手とタイミングと前提条件とその後の結果次第なんですよね。

よく昔『金持ち父さん貧乏父さん』のロバートキヨサキが、もうちょっと不動産が回復するのが遅かったら、あいつはただの嘘つきになってて「車でホームレスをした」っていうのを武勇伝のように書いてるけど、今も車でホームレスだっただろうって言ってる人もいるんです。

ナレーターやまだひさし

あれだけぶっこんでたんだから、あり得ない話じゃなかったよって。

工場長西村豪庸

それは、たまたま結果が良かったからっていう、いわゆる生存性バイアスじゃないけど「成功者しか本は書かない」っていう、生き残りのバイアスと一緒で。

だからたまたま回復したときは「嘘じゃなかった」って言われるのか逆に。

ナレーターやまだひさし

嘘の定義がどこになるかですね。

工場長西村豪庸

いつで切るかじゃないですか。
倒産寸前だったところに「大丈夫だよ」って言ったら、確かに嘘じゃないですか。

でも、今振り返ったら大丈夫だったんでしょ?
ってことは、これは嘘じゃなかったわけじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

だから彼は、ヒデちゃんが言ったように嘘と思って言ってないよと。

工場長西村豪庸

でも、もし彼がそのときに振り返ったら「いや、あのときはハッタリだった、嘘だった」って言うかもしれないけど、それがどっちが良いかは分かんないですよね。

さっき言ったみたいに、このとき「この会社は危ないから、お前やめとけよ」って言われたAくんとBくんが会社にいて、Cくんが2人の親友です。

AくんはCくんの言うことを信じて会社をやめて、Bくんは社長を信じて会社に残って。
この時点ではAくんは

「本当だったね、危なかったわ。
もう会社ボロボロじゃん。明日にも給料未払いだったかもしんないわ」


って言って「Cくんありがとう!」ってなってて。
1年、2年、3年って経って、この会社が上場してBくんが株をもらって「億万長者になりました」って聞いて、Aくんが「Cくん嘘つき!」って 笑

ナレーターやまだひさし

「違ったじゃない!」って言ったとしてもね 笑
でもこれは面白いな。

工場長西村豪庸

だから難しいんですよ。
これだって、このときに立て直せなかったら、被害っちゃ被害じゃないですか。
でも立て直せても、Aくんには被害じゃないですか。

ナレーターやまだひさし

Aくんはそうなるね。

だからその人が、そういった言葉について、どう動くかってことで大きく変わる。

工場長西村豪庸

そこだけ切り取っても、その時間軸だけ切り取っても、そこだけ表面で切ってもしょうがないんですよね。

円錐は横から見たら三角形だけど、上から見たら円になるのと一緒です。

ナレーターやまだひさし

本当だ。
どこで見るかで、全然変わってきますよ。

工場長西村豪庸

タイミングによっても、違うわけじゃないですか。

「嘘から出たまこと」は受け取り方次第

ナレーターやまだひさし

嘘かもしれないが、それによって鼓舞されてっていう場合もあったりするじゃないですか。

工場長西村豪庸

それで結果が変わることもあるから「噓から出たまこと」なんて言葉もあるわけですよね。

ナレーターやまだひさし

こんだけ昔の言葉で使われてるってことは、きっとあるんですよね。

工場長西村豪庸

例えばマナーの話じゃないけど、産まれたての赤ちゃんを見せられて

「本当に、玉のように可愛いですね」

って言うのがデフォルトの答えだとしても

「サルっすね」

っていうのが真実かもしれない。

ナレーターやまだひさし

そうですね。
それを嘘と思って可愛いって言ってるか…

工場長西村豪庸

嘘か社交辞令かマナーか。
本当に心から、可愛いと思ってる人もいると思うんですよ。
でもそれは、受け取り方次第じゃないですか。

ナレーターやまだひさし

例えば野球の9回表で、10対0で負けてて監督が「これ無理だな」と思っても「いやお前らまだいける」って言ったら、嘘かは分かんないもんね。

工場長西村豪庸

肩を落としてうなだれてるのが正しいのか、それでも「武士は食わねど高楊枝」みたいな感じで、やせ我慢をして胸を張ってるのが正しいのか、分かんないですよね。

ナレーターやまだひさし

よく、ムエタイのボクサーが「とりかくパンチもらって、辛くなったら笑え」っていうのも、嘘かもしれないね。

その嘘で「こいつ効いてねーの?」って思える。

工場長西村豪庸

「悲しいから泣くんじゃなくて、泣くから悲しいんだ」じゃないけど、この件に関しては本当にいろいろある。

ナレーターやまだひさし

どっちが先かじゃないけどね。
さっきヒデちゃんも言ってた、気になんないってのはそこなんだね。
そのことだけは、あんま気にならない。

工場長西村豪庸

そこだけ切り取ってないんでね。

西村工場長は嘘を見抜ける人?

ナレーターやまだひさし

例えば、物件を借りるときや会社を買収するときとか、相手は良いこと言うじゃないですか。

西村さんには「今買いどきですよ」とか「これ今借りないと、すぐに借り手がいますよ」とか。

ああいう言葉には、左右されるタイプですか?

工場長西村豪庸

「そういうのは、ことごとく分かって見抜いてきたんですよね」

って言いたいところなんですけど、何件かに1回はコロッと騙されたりするんですよね。

ナレーターやまだひさし

アハハ!
可愛い 笑

工場長西村豪庸

「なんだよ! ふざけんなよ!」みたいな 笑

ナレーターやまだひさし

「結構でかいこと言ったじゃねーかよ!」と 笑

工場長西村豪庸

「俺もムキになっちゃったのに、振り返ったら誰もいねーじゃねーかよ」

みたいなことってある
俺が未熟だったなっつってね 笑

ナレーターやまだひさし

ちょっと高値でつかまされたかもしんねーけど、これはしょーがねー、授業料だと。

その代わり、次は覚えてろよ! みたいな。

工場長西村豪庸

でも自然と、そういう業者とは疎遠になっていくから。

ナレーターやまだひさし

当然信用の世界だから、そんなふうにやってきた人たちと「また組むか?」って言ったら、組まないですよね。

工場長西村豪庸

しょうもない案件、しょうもない会社ばっかり持ってくるコーディネーターっているんですよね。

ナレーターやまだひさし

「西村さんって、こないだこれを買ってくれたから、きっとこれもうまく言えばまたこれも買うんじゃねーか」

みたいに狙われるんでしょうね。

工場長西村豪庸

なんだったらそいつ、売った会社の社長の文句を俺に言ったりするんですよ。

ナレーターやまだひさし

いや、紹介してきたのはお前だぞって 笑

工場長西村豪庸

「あいつ、俺に金を返してくれないんですよ。
西村さんから取り返してもらっていいですか?」


なんて言って。

ナレーターやまだひさし

面白いな。

オレオレ詐欺も、騙されている側は分かってる?

ナレーターやまだひさし

見抜けたときっていうのは、どういうときですか?
分かっちゃうんですか?

工場長西村豪庸

やっぱり欲とかこだわりは、判断にぶらせるじゃないですか。
だから自分でも分かってるんですよ。
でもまあ、いいかなと思ってるところもある。

オレオレ詐欺の半分ぐらいは、騙されてるって分かって聞いたことあるんですよ。
だけど、万が一があるって思ってるのと「それでもこんだけお話に付き合ってくれたし、いいかな」って思ってるのも、半分ぐらいいるんですって 笑

だから詐欺がなくならないんです。

ナレーターやまだひさし

もしかしたら、おじいちゃんおばあちゃんにしてみれば、今100万円なくなろうがそんなに変わんないし、まあいいかと。

工場長西村豪庸

でも万が一ってのもあるし、みたいな。

ナレーターやまだひさし

なるほどね。
ましてや、だんだんと怒りのベクトルもなくなってくるし、そこをうまく考えて狙ってくる、その相手もすごいけどね。

噓つきなビジネスマンは、今の中で限定のもので捉えてはいないってことですね。

工場長西村豪庸

これも全部、さじ加減なんですね。

背伸びはいいけど、シークレットブーツはダメ

工場長西村豪庸

背伸びだったらいいけど、シークレットブーツはダメって昔よく後輩に教えてたんです。

その心は、背伸びはしてる間にふくらはぎの筋肉がつくけど、シークレットブーツは何も得ないから。

ナレーターやまだひさし

身の丈で自分で頑張って、何かを大きく見せるのはまだいいが。

工場長西村豪庸

それで一生懸命頑張って、いつかそれに追いつくっていうのは、誰しもがやることじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

シークレットブーツはもう鎧みたいなもんだし、最終的に誰だか分かんなくなっちゃう。

工場長西村豪庸

「それをなくしたときに、どうしようもないっていうのはダメよね」ってよく言ってて。

「お化粧はいいけど整形はダメ」とかね。

ナレーターやまだひさし

そこへの努力だとか、そういったものを日々してるんだったらまだいいけど。

でも考えたら化粧も嘘かもね。

工場長西村豪庸

難しいじゃないですか。

「お前すっぴんで来るんじゃねーよ!社会人としてのマナーを知らねーのか!」

って言われてる会社もいっぱいあるじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

今や眼鏡まで禁止になったとか、わけの分かんないこと言ってますね。

工場長西村豪庸

眼鏡で金髪でタトゥーのやつが、こないだつぶやいてましたね。

ナレーターやまだひさし

そのうちの2つは、僕も一緒ですからね。
大体めんどくさいんですよ。

工場長西村豪庸

アハハ! そうですね。
3つ目がないだけでした 笑

ナレーターやまだひさし

本当に、職務質問ばっかりされてどうしたもんかと。
なんの嘘もついてないのに、噓つきだと思われていろいろ調べられますからね。

僕に至っては、今はヒデちゃんから譲り受けた、お高い車ですから。
金髪でサングラスをつけて、皇居周りを走ってると「免許見せろ」って言う前に「トランクを開けてくれ」ですからね。

工場長西村豪庸

俺は1回もないな。

ナレーターやまだひさし

「あの人を止めると厄介だ」っていう、違うリストに入ってるんですよ。

工場長西村豪庸

ナレーターやまだひさし

やっぱり嘘をつき始めると際限がなくなりますから。
皆さんそこは、愚直に生きてくださいね。
今回は「噓つきなビジネスマン」でお送りいたしました。

「西村豪庸の『社長工場』」
「毎週1000万投資」と題しまして、情熱を持った起業家へエンジェル投資も行なっております。

エンジェル投資の詳細は第7回第8回の放送をお聞きください。

また、番組への質問・ご意見は下記のお問い合わせフォームからお問い合わせください。

西村さん本日もありがとうございました。

工場長西村豪庸

ありがとうございました。

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