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第95回「コロナで訪日外国人旅行が激減」

インバウンドに依存したビジネスは間違いだったのか

    トピックス一覧
  1. インバウンドに依存したビジネスは間違いだったのか
  2. インバウンドで儲けてたこと自体は、別に悪くない
  3. 儲かっていた飲食店でも、数ヶ月食いつなぐ程度のお金はないのか
  4. コロナ収束後はまたインバウンドが増えるのか
  5. 休業にして収束まで耐えるべきか、一度店を閉めるべきか
  6. 市場に出た良い物件は、今買うべき?
  7. コロナによって、明確化されたものとは

読むポッドキャスト 第95回「西村豪庸の『社長工場』」

ナレーターやまだひさし

「西村豪庸(にしむらひでのぶ)の『社長工場』」!!

こんにちは、やまだひさしです!
ポッドキャスト番組、西村豪庸の社長工場では、インスタイルグループの代表を務める経営コンサルタントの西村豪庸さんが、ビジネス、経営に関することを独自の視点で解説していきます。

西村さん本日もよろしくお願いします。

工場長西村豪庸

お願いします。

ナレーターやまだひさし

今日のテーマは「訪日外国人旅行(インバウンド)」です。

日本政府は「インバウンドの人数を2020年には4000万人、2030年には6000万人にする」という目標を掲げ、これまで観光立国の実現を目指してきました。

2011年には年間600万人あまりだったインバウンドが2019年には3000万人以上へと膨れ上がり、中国人観光客の "爆買い" がニュースになったり、外国人観光客専用の店がどんどんできている中、いよいよ東京オリンピックが開催というときにコロナショックによりオリンピックの延期が決定。

中国や韓国のほか、ヨーロッパからの入国制限を強化し、インバウンドがほぼゼロのような状態にまで落ち込み、観光業やインバウンドに依存してきた業界では倒産に追い込まれる企業が続出、大ダメージを受けています。

今日は

企業は、そもそもインバウンドを頼りにしてはいけなかったのか?
今後、インバウンドは復活するのか?


というところを、ヒデちゃんに聞いてみたいと思っております。

インバウンドに依存したビジネスは間違いだったのか

ナレーターやまだひさし

そもそも10年ぐらい前までは、観光客もそんなにいなかったので、インバウンドを当てにしないビジネスでみんな成立してたと思うんです。

だけど年々インバウンドの数が増え、儲かるから無視できなくなってきて、中国語がしゃべれる人をどんどん採用したり、看板やメニューを変えたり、インバウンド相手の商売にシフトしていったじゃないですか。

インバウンドに依存したビジネスにシフトしたところでのコロナショックだったんですが、この経営判断は正しかったんでしょうか?

工場長西村豪庸

すげぇ簡単に言ったらバブルだったわけでしょ。
バブル自体は別に悪いことじゃないし、結局、弾けなければみんなずっと幸せなわけじゃないですか。

昔、銀行員や官僚の後輩が

「俺、組織が大きいし堅いじゃないですか?
この間もこんなことがあって、梯子(はしご)を外されちゃって、もう最悪ですよ」


って言ってて

「あのな、外せるから梯子って言うんであって、外れねーのは階段って言うんだ。
梯子を外されるのは普通だ」


って話をしたんですけど、それと一緒でバブルは弾けるからバブルなんです。

逆に言うと、弾けたらバブルと言われ、弾ける前までは好景気と言われ、上手く乗っていたら「経営判断が良い」と言われ、バブルが弾ける寸前にすっ転ぶと「高値でつかんだ花」とか「バブルに踊らされたな」って言われるんです。

俺の大先輩の方で

「日経平均の最高値は俺がつけたんだよ」

って、自慢にならない自慢をしてくる証券マンの先輩がいるんですけど、それと一緒で、そもそもインバウンドがこれだけ来てて、上手く乗ってたんだから、別に間違ってなくないですか?

ナレーターやまだひさし

それで本当に、利を得たんでしょうからね。

工場長西村豪庸

儲かってましたしね。
京都の着物レンタル屋の店員さん、完璧な中国語と英語を駆使してて、すげぇなと思いましたもん。

やまださんも、昔ニセコにスノボをしに行って、ホテルのフロントで「パスポートプリーズ」って言われたことあるじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

そうそう。
ラーメンのメニューも全部英語で頼めないし、普通に「みそプリーズ」って言ったのをよく覚えてる 笑

スキー靴を借りるところのスタッフも全員外国人で「靴がちょっときつい」って英語で言えず、我慢して履いて、靴擦れして帰ったんですよ。

そんなことが日本で起きるぐらい、外国人観光客相手の商売をしてますもんね。

工場長西村豪庸

それが間違ってたのか? って言ったら、そこに乗らないで日本人相手の商売だけをしてた方が、馬鹿にされていたと思いますよ。

ナレーターやまだひさし

そこで潰れてた人もいて、インバウンドにアジャストしていったところが残って、今に至るわけですからね。

工場長西村豪庸

結局、コロナでこういう状態になって

「こういうときのために、内部留保して取っとけって言ったじゃんかよ」

みたいに言われてますけど、内部留保しすぎで叩かれたり、課税対象にしようとか言われてた時代だってあるわけです。

インバウンドが盛り上がっているときは

「どんどんグローバルにならなきゃダメだよ。
中国語が話せるスタッフ、英語が話せるスタッフは当たり前でしょ」


みたいに言われていたのに、いざこうなったら

「インバウンドに依存してたのは、間違っていたんじゃないか」

みたいに言われて、前回のタクシーの会社の話じゃないけど、後から振り返って勝手なこと言うなって感じじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

後出しだったらいくらでも言えるもんね。

工場長西村豪庸

「二度あることは三度ある」なのか「三度目の正直」なのか、後からならいくらでも言えますからね。

一度目のときに

「二度あることは三度あるからね」

って言ってたやつは先見の明があるって言えるけど、三度目の結果が出てから

「ほら、三度目の正直だった」

って言うのは、そんなの後出しじゃんけんと一緒じゃないですか。

ナレーターやまだひさし

そもそも、歴史的に例がないオリンピック延期を、最初から予見できる人なんてほぼいないわけですもんね。

インバウンドで儲けてたこと自体は、別に悪くない

ナレーターやまだひさし

インバウンドに依存しない経営をすべきかどうかなんて言われてもしょうがないし、こうなることを想定したとしてもやっぱり普通は業務拡大の方向に行くだろうから、内部留保ばかりを貯めておくわけにもいかないじゃないですか。

ヒデちゃんは、インバウンドが盛り上がっていたときでも「日本人相手じゃなくて、全部インバウンドでやっていこう」って思ったことは多分ないと思うんですけど、このリスクヘッジってヒデちゃん独特の嗅覚なんですか?

工場長西村豪庸

日本は「日本人が減って内需だけじゃ無理だから、外需を獲得してかなきゃいけないよね」っていうことで、インバウンドに舵をきったわけじゃないですか。

日本にはいっぱい良いところがあるし、ずっとデフレが続いてて、一方海外はインフレが続いてるから、海外から見たときの日本ってめちゃくちゃ安いわけです。

ニューヨークの一風堂で、ラーメン1杯食べて餃子をつまんでビール1杯飲んだら、5000円ぐらいしますからね。

ナレーターやまだひさし

そりゃこっちに来て食べたら感動しますよね。

工場長西村豪庸

「1980yen? What?」みたいなね。

顧客の100%が日本人だったうちの10%が減って、その分をインバウンドで埋めていたとしたら、その10%をターゲットにしてもしょうがないから、全部をインバウンドに振ってないんですよね。

別にインバウンドを否定してもいないですけど、僕は京都で着物のレンタル屋をやってるわけでも、カートに乗って東京を観光させるビジネスをやってるわけでもないので。

ナレーターやまだひさし

1業態だけになったときって、おそらくほとんどの経営者はリスクヘッジしたくても「今はこっちが儲かってるし、こっちのお客さんにフォーカスした方が…」ってなって、そのパーセンテージを上げていかざるを得なくなるんですよ。

工場長西村豪庸

でも、それで儲けてるならいいじゃないですか。
別にインバウンドで儲けてたのがなんで悪いの? って話なだけで、それが無くなっちゃったのはしょうがないじゃないですか。

儲かっていた飲食店でも、数ヶ月食いつなぐ程度のお金はないのか

ナレーターやまだひさし

最近Twitterとかで見たニュースによると、インバウンドだけを見込んで経営していたレストランが

「いきなり90%以上のお客さんが減ってしまって、立ち行かなくなったから家賃を下げろ」

みたいな話をしてて

「そもそも、インバウンドが盛り上がってた時代に稼いだ金は、どこにいったんだ?」
「儲からなくなった瞬間にいきなり家賃下げろなんて、調子いいこと言ってるんじゃない! 散々儲けてたときだってあったはずじゃないか!」


と、議論になっているそうなんです。

工場長西村豪庸

そこが経営判断だと思うんですよね。

儲かってたからバツッと閉めるのか、コロナは3ヶ月後には絶対収束するってことにベットして、しばらく耐え抜くために

「家賃を下げてくれ、その代わりに出てかないから」

って交渉するのか。

ナレーターやまだひさし

例えばヒデちゃんが、インバウンドですごく儲かってた飲食店を経営していて、そのお店の売上がいきなりゼロになっちゃったら、1、2ヶ月目で立ち行かなくなるものなんですか?

それとも儲かってた時期が長ければ、3、4ヶ月ぐらいは食いつなげるようにお金をプールすることはできるんですか?

工場長西村豪庸

3、4ヶ月も食いつなげる飲食店は、だいぶ優秀ですよ。

一般的に飲食店は、営業利益が10%残っていればハイパー優秀な部類で、売上100万円の店で営業利益が10万円残っていたらハイパー優秀なわけです。

消費税や税金など、なんやかんやで最低3割引かれるとして、最終的な手残りは7万円で手元に7%残ってるのが、超優秀だと思ってください。

一般的な、上場企業の飲食業の黒字企業の平均で、4〜7%の利益です。

ここまでOKですか?

ナレーターやまだひさし

はい。

工場長西村豪庸

なので、最終的に5%残ってたら超優秀な部類だと思ってください。

1ヶ月の月商が100万円のときに、5万円しか残ってないわけです。
次の月に1ヶ月分の売上である100万円が消えたら、その100万円は「超優秀な状態を、20ヶ月維持して貯めた貯金」ってことですよね。

別の言い方をすると、ゼロになった売上の1ヶ月分を取り戻すためには、超優秀な状態を20ヶ月続けないとトントンにはならないんです。

ナレーターやまだひさし

埋めるだけでも3年以上かかるんですね。

工場長西村豪庸

今言ってるのは "優秀な店で" ですからね。

家賃が、理想は8%って言われてる世の中ですけど、計算を単純化するために10%だとして、家賃で10%、原材料費と人件費がそれぞれ30%で合計60%、家賃と合わせて70%なわけです。

そこからプラスで、リースだったり返済だったり、水道、光熱費、雑費、広告、宣伝費等々、いろんなものをさっぴいて、最終的に10%残ると「けっこう優秀ね」って言われるんですよ。

だから、1000万円の売上があって手元に100万円貯金できてたら、まあまあ優秀な店舗と言われ、1ヶ月分の売上をなくすっていうことはだいぶ凄いことなんです。

ナレーターやまだひさし

まして、今のこの状態はインバウンドだけの問題でもなくて、自粛要請によって国内のお客さんですら入れないから、どうやっても収益を得られない状況が続いてるんですもんね。

ただ閉めとけって言っても固定費はかかるわけだし、収束が決まってるなら、まだ折り合いつけられるけど、このままだと本当に大変ってことですね。

コロナ収束後はまたインバウンドが増えるのか

ナレーターやまだひさし

コロナが収束して、インバウンドがまた元の状態に戻ったとして、2030年に掲げてる6000万人の目標に向けて、インバウンドはさらに増えていくんでしょうかね?

工場長西村豪庸

人は、喉元過ぎれば熱さを忘れますし、6000万人達成できるかはちょっと分からないですけど、さらに増えていくとは思いますよ。

ナレーターやまだひさし

これだけずっと自粛させられてたら、そのリバウンドもあるでしょうしね。

工場長西村豪庸

例えば、1年間自粛生活が続いたとしたら、当然僕も366日目に今までの分を取り返そうとして外食に出ますけど、365日分の金額を1日じゃ使えないですからね。

この間のトイレットペーパーの話じゃないけど、3倍食べても3日分でしかないですから、取り返すには366倍食べないといけないんです。

外食する頻度が普通に戻ったとしても、トントンになるまでに1年かかりますからね。

ナレーターやまだひさし

ヒデちゃんの話で言うと、日本の人口が減っていく以上は、どうしたってインバウンドを相手にしていかないと立ち行かないんですもんね。

工場長西村豪庸

そもそも、LCCを中心としたグローバル化があれだけ進んで、昔と違ってパッと安くあっちこっち行くことができるから、当たり前だししょうがないですよね。

しかも何度も言うけど、日本って安いんです。
昔、僕らが安いからタイに行ってたのと同じで、コスパがいいからみんな来てるんですよ。

ナレーターやまだひさし

世界から比べたら、そうみたいですね。

多分ヒデちゃんが言ってたと思うんですけど、インバウンドの予約がキャンセルになったおかげで、全然予約できなかった日本の名店が一時期入りやすくなってたりして、国内の人にとったら意外にありがたいみたいな話もありましたもんね。

工場長西村豪庸

未だにメンタルが強いところは「50万円、100万円の助成金貰っても、1日分の売上にもならねーから」って言って、営業してますからね。

ナレーターやまだひさし

営業してるし、ちゃんと国内にファンがいるお店であれば、売上も減ってないと。
こうなってくると、その人の元々持っているポテンシャルもそうだし、どういうネットワークを持っていたかで大きく変わってきますよね。

休業にして収束まで耐えるべきか、一度店を閉めるべきか

工場長西村豪庸

インバウンドに依存してたのが間違いだったのかっていう話に戻ると、それは上手く乗っていただけなんだから、間違いではないんです。

この回は4月の末に収録してますけど、オンエアされるのは6月頭とかかな?
今からだと1ヶ月後くらいになりますけど、そこからさらに2ヶ月後に、完璧に世界が収束してるかって言ったら、そんなこと絶対にないと思うんですよ。

4月、5月の間の影響が、5月、6月の支払いにも影響するわけで、6月に世界中の国で完璧にコロナウイルスを撲滅して感染者が一人もいませんっていう状況になってるわけがないんだから、なんらかの制限はあるし、絶対売上も下がるわけじゃないですか。

てことは、9月だったら9月まで、年末なら年末までって、この状況でも耐えられるラインを決めて

「年末には回復してるでしょう」

っていう方にベットするのか

「先が見えないから、お金がある程度あって選択肢が多いうちに一回閉めて、もう一回戻って来よう」

の、どちらかですよね。

今、銀座のクラブのママとかでも、儲かってた人たちは休業じゃなくて閉めちゃってるんですよね。

銀座のメリットって一等地であることで、今まではそこ出ちゃったら良いところが空かなかったけど、収束後は明らかに良いとこが空くのが分かってるから。

ナレーターやまだひさし

一回ゼロにして、また開けるときに考えればいいと。

工場長西村豪庸

全く体力がないところは2秒で閉めて、その後は戻っては来ませんっていう状態なんだけど、やや体力がある店は

「ちゃんと収束した頃には絶対いい物件出てるから、今そこにしがみつく必要ないでしょ」
「3ヶ月か半年ぐらいで収束してくれるだろうから、そこまで耐えるわ」


ってやってますね。

ナレーターやまだひさし

そのジャッジも、基本的には正解はないから、社長の判断次第ですね。

工場長西村豪庸

ただ、少なくともまだ3ヶ月は続いて、今からだと7月ぐらいまでは絶望的なわけだから「9月、10月ぐらいから回復したらラッキー」ぐらいの状態に、ベットするだけの体力があるのかないのかを判断すればいいだけです。

収録日が4月の末で、3ヶ月から半年くらいだから、最低7月8月ぐらいまでは絶望的でしょ?

ナレーターやまだひさし

例えば、インスタイルグループが抱えている飲食店はどうですか?

工場長西村豪庸

閉めてます。

ナレーターやまだひさし

その判断は社長たちに任せてるのか、それともヒデちゃんがある程度指示を出しているのか、どっちなんですか?

工場長西村豪庸

相談は受けてますけど

「閉めたいんですけど、どうですか?」
「閉めやい、閉めやい」


って感じですね。

ナレーターやまだひさし

意見は食い違ったりしませんでしたか?

工場長西村豪庸

意見の食い違いも何も、社長の意見だから「閉めたらいいじゃん」で終わりですよ。

3ヶ月から半年間、ずっと緊急事態が発令され続けてて、全く外出も外食も一切できないっていう状況も想像がつかないので、お客さんが戻ってきてくれると期待ができるお店だと思うなら、直近の2、3ヶ月は自粛営業や完全休業で乗り切って、もう戻って来ねーなと思ったら閉めちゃえばいいんだし。

ナレーターやまだひさし

その決定を下すタイミングって、答えがないだけにものすごい迷うところよね。

市場に出た良い物件は、今買うべき?

工場長西村豪庸

残念ながら、これからどんどん居抜きとか良い内装の店とか、良い人材とかもバシバシ出てくると思いますよ。

ナレーターやまだひさし

一説には、そういうのを安く買い漁ってる人がいるなんて話を聞くんですけど、そういうものに関してはヒデちゃんはどうですか?

工場長西村豪庸

ある程度のシェルターじゃないですけど、ファンドを組むなり投資するなりしようとは思ってます。

ナレーターやまだひさし

「こんだけ優良な場所なのにこんな安くなっちゃってるわ、買おうかな」

みたいな情報って入って来るんですか?

工場長西村豪庸

日々増えてますから、これからもっとあると思いますよ。

ナレーターやまだひさし

弱者の足元を見るみたいな感じもするんですけど、これはもう資本主義としたらしょうがないことなんですかね。

工場長西村豪庸

それは、むしろ買ってあげた方が良いですよね。

例えば、スケルトンにしなくて良くなったから保証金がまるまる返ってくるとか、本当は次が決まるまでの半年間、家賃を払い続けなきゃいけないんだけど、うちが入ったら空家賃が1ヶ月で済んだとか、全然あり得るんですよ。

保証金だけでもまるまる返ってきたら十分っていう場合もあれば、こういうときって流動性が下がってるから、流動性を上げてあげるだけでも一つのメリットではあるんですよね。

売りたい人ばかりで買い手がいないと、そもそも契約が成立しないんで。

「デイトレーダーはマネーゲームをしてるだけだ」

っていう言い方に対して

「いや流動性上げてるんだよ」

っていうデイトレーダー側の言い分もあるんですけど、そもそもデイトレーダーがいないと、売りたいタイミングで売れない人がいっぱい出てきますからね。

逆側に売る人がいないことを「ストップ高」と言い、逆側に買う人がいなくてどんどん下がってくのことを「ストップ安」と言うわけですから。

コロナによって、明確化されたものとは

ナレーターやまだひさし

ニュースを見ていると、本当にコロナのせいだったのか、たまたまコロナがトリガーになっただけのものに対してコロナのせいにして援助を求めているのか、素人目に見ると分からないんですよ。

工場長西村豪庸

元々ごまかせてたものがごまかせなくなって、コロナが明確化しただけですよね。
これでどんどん企業が努力をして、いろんな会社がいろんな働き方を作るってなったら、企業の採用のあり方や人材の流動性のあり方もまた変わるわけですよ。

昔はインターネットがないから、通販なんてハガキやFAXや電話で注文してたけど、どんどんEコマースの時代になってきて、それでもまだリアル店舗が圧倒的に多かったじゃないですか。

だけど今回の件で、またEコマースが推進して通販がもっと伸びたんです。

それと一緒で、テレワークが推進されると、どこにいてもいいわけだから、都心の一等地にオフィスを構えて人材を集めなくてもいいわけじゃないですか。

北海道にいる優秀なやつがデザインしたりだとか、沖縄にいるやつが良いコピーライティングを書いたりだとか、フリーランスがもっと増えて選択肢が広がるんです。

通販のときはワンクリックで他の店に行けちゃうから、世界中の店がライバルになったのと一緒で、人材のライバルが世界市場になったわけですよね。

だから、いろんな人材と仕事できるようになって、企業も人も、採用する側もされる側も、お互いワンクリックで次のところに行ける時代になっていくわけです。

ナレーターやまだひさし

ポジティブに考えれば、可能性は広がっていますね。

工場長西村豪庸

今まではLCCが、物理的な距離は変わらないけど、コストを安くしてくれてたんですよね。

昔は30万円かけなきゃ日本に行けなかったから、日本がいくら安くて快適って言ったってダメだったけど、今は1万円で行けるってなったから、そりゃ安くて快適な日本に行くよっていう時代になったわけじゃないですか。

今度はコロナありきで考えなきゃいけなくなって、LCCを使わなくても、通販や遠隔でインバウンドのようなことをできるようにしなきゃいけないのかもしれないし。

ナレーターやまだひさし

それはそれで、また新しいビジネスが生まれそうだな。

工場長西村豪庸

難しいですけどね。

レストラン開けて良い内装作って、良いシェフがいてうまい飯作って

「来てくれてありがとう」

って言って付加価値をつけるのと、日本の美味いものを送って、遠隔で

「お取り寄せでございます。
やまださんに送った料理はこう作っております、レンジでチンして食べてください」


みたいな。

ナレーターやまだひさし

あるのかもしれないけど、あんまり僕らが望んでる感じではないかもね。

工場長西村豪庸

そう。
だから、最終的にはインバウンドは復活するし、観光もするけど。

ナレーターやまだひさし

そこまでは辛抱ってことですもんね。

もしかすると、そういう形で悩んでるような人からの相談を、社長工場に送ってもらってもいいかもしれませんね。

会社を畳むだとか、うまく通ってもらうだとか、もう既に社長なんだけど、今コロナのことで少し足元が揺らいできてるんだっていう相談があってもいいですよね。

工場長西村豪庸

財務状況を見れれば

「無理無理、もたない」

なり

「めちゃめちゃ儲かってたんだね、2、3ヶ月くらいだったら耐えられるから、お金借りてしばらく助成金もらって耐えなよ」

なり、アドバイスしますよ。
全部、コロナのせいにしましょう。

ナレーターやまだひさし

これはもう人類の敵であり、誰かのせいではないですからね。
ぜひお待ちしております。

「西村豪庸の『社長工場』」
「毎週1000万投資」と題しまして、情熱を持った起業家へエンジェル投資も行なっております。

エンジェル投資の詳細は第7回第8回の放送をお聞きください。

また、番組への質問・ご意見は下記のお問い合わせフォームからお問い合わせください。

西村さん本日もありがとうございました。

工場長西村豪庸

ありがとうございました。

※収録日:2020年4月24日

番組への質問・感想・相談受付

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