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第104回「採用と解雇」

不況でもクビにならない人の特徴とは

    トピックス一覧
  1. コロナウイルスの流行によって変わった採用と解雇
  2. 今後、新卒採用のスケジュールも変わる?
  3. 不況でもクビにならない人の特徴とは
  4. "コストセンター" と "プロフィットセンター"
  5. 採用面接のときに西村工場長が見るところ
  6. 採用面接で印象が悪くなる一言

読むポッドキャスト 第104回「西村豪庸の『社長工場』」

ナレーターやまだひさし

「西村豪庸(にしむらひでのぶ)の『社長工場』」!!

こんにちは、やまだひさしです!
ポッドキャスト番組、西村豪庸の社長工場では、インスタイルグループの代表を務める経営コンサルタントの西村豪庸さんが、ビジネス、経営に関することを独自の視点で解説していきます。

西村さん本日もよろしくお願いします。

工場長西村豪庸

お願いします。

ナレーターやまだひさし

今日のテーマは「採用と解雇」です。

コロナウイルスの流行によって、辞めたくなかったけど仕事を失ってしまった方も多いと思います。

僕は会社を経営したことがないから分かりませんが、社員が思っていたよりもパフォーマンスを発揮してくれないとか、そこまでの賃金を支払えないという理由によって解雇に至ると思うんです。

とは言いながらも、今回はもしかすると「コロナウイルスの影響で…」という理由を、うまく利用した会社もあったんじゃないかなと思うんですよ。

工場長西村豪庸

「コロナウイルスの流行は、明確化の良いきっかけだ」

ってずっと言ってますけど、採用と解雇にも多分繋がってくると思うんです。

例えば、TwitterなどのSNSを見てると

「『コロナの期間、どうしてましたか?』って聞くだけで、ブラック企業かホワイト企業か分かるよね」
「『うちは、テレワークを積極的に推進してましたよ』って言ってるところだけ、面接を受けに行こう」

みたいなことを、新卒の間で言ってるんですよ。

要するに「コロナの期間に何もしてなかった」って言うところはブラック企業ということです。

コロナウイルスの流行によって変わった採用と解雇

工場長西村豪庸

今はだいぶ当たり前になってますけど、電話面接、Zoom面接などのオンライン面接に関して

「『そんなんやってねーよ、ボケ!』みたいな返事をしたところには、面接に行かない方がいいね」

ってなったり

「解雇しようかな。
でも言いづらいし、そこまでじゃないんだよな…」


っていう社員に対しても

「さすがに今は、そんなことを言ってる場合じゃないし、解雇の話をしよう」

ってなったり、コロナをきっかけに採用や解雇も、相当様変わりをしているんです。

廃業する人が増えているから、店舗の物件情報も日に日に増えていて、例えば今までのスクリーニング条件だったら居抜きの店舗が100店舗しか出てこなかったのが、今は200店舗、300店舗出るくらい物件自体も増えてるんですよね。

だから、物件が動いているかどうかを見るだけでも、どのビジネスがイケてて、どのビジネスがイケてないかもすぐ分かりますし、タピオカ屋もだいぶ居抜きサイトとかに出るようになりましたしね。

ナレーターやまだひさし

分かるんですね。

工場長西村豪庸

見てると分かるじゃないですか。

採用の方法も、今までは当たり前に集団面接をして、1次、2次…って続いていたものがZoom面接になってきて、企業側にも応募側にも良いところがあるんですよ。

ちょっと前にテレワークの回で「人もEC化していく」みたいな話をしましたが、それと一緒です。

ビフォアコロナのときは、北海道のすげぇ優秀なやつも

「やる気があるんだったら、1週間ぐらい東京に滞在して、ちゃんと面接受けろよ」

みたいな風潮だったじゃないですか。

でも今は全世界、全地域がターゲットになるからZoomで良いんですよね。

ナレーターやまだひさし

「それが当たり前だろ」みたいな風潮でしたね。

工場長西村豪庸

いちいちそんなことを強いないでいいし、強いられないでいいんです。

「コロナとか心配なご時世に、採用されるか分からない会社の面接のためだけに、わざわざ県をまたいで東京に行く必要がないよね」

って、今まで学生側が言えなかったことが今なら言えるというか、企業側もオンライン面接をやってるって言った方が良い風潮じゃないですか。

だから結果として、普通にZoom面接で対応が出来て

「決まったら東京引っ越してもらうけど、それはいいの?」
「それは全然、大丈夫です」


みたいなことも、あり得るじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

企業側としての良かった点は、距離のハンデが無くなって、採用の幅が広がったことなんですね。

工場長西村豪庸

ちゃんと採用の門戸を開放してれば、確率は上がったと思います。

今後、新卒採用のスケジュールも変わる?

ナレーターやまだひさし

僕はずっと「意味あるの?」って思ってたんですけど、新卒採用のスケジュールって決まっているじゃないですか。
これも変わりそうじゃないですか?

工場長西村豪庸

僕も、あんまり意味がないと思ってるから常に門戸を開けてる方ですけど、変わると思います。

新卒を採用して教えるという作業が社内のためにもなるとか、いろんな側面があるから全部が全部否定したいわけじゃないんです。

だけど、20卒(2020年度卒業、入社)の子なんて入社式も内定式も、あれもこれもないわけで、当然出勤も仕事もないじゃないですか。

2月、3月頃からコロナが流行して、ちゃんと自粛をしてちゃんとテレワークを推進してたところには、先輩もいないし同僚もいないんですよ。

ナレーターやまだひさし

何も学べないですしね。

工場長西村豪庸

先輩も同僚もいない状態で、マニュアルだけ渡されて「テレワークで頑張れ!」って言われて、新卒が活躍できるほどの会社だったら、逆にやべぇじゃないですか 笑

ナレーターやまだひさし

確かに「それ、人がやる必要あるか?」って思いますね 笑

工場長西村豪庸

それか、すごすぎる会社ですよ。

ナレーターやまだひさし

この状況が今後2年、3年と続くと、社員たちがかなり厳しいですよね。

工場長西村豪庸

3年後とか5年後に

「お前の入社の年って、あの年じゃない?」
「そうっすよ! 入社式も内定式もOJTもあれもこれもなく、6月ぐらいまで自宅待機だった組です」


みたいな会話が出てくるようになりますよね。

ナレーターやまだひさし

「なので全然わからないんですよね、だって家にいたもん」
「出勤できた頃にはもう、入れてくれた社長が辞めてたんすよ」


みたいなことだよね 笑
これから本当にこういう会話が出てくるようになるんだから、笑えないですよね。

工場長西村豪庸

すでに、少なくとも1回は行われた後ですからね。

不況でもクビにならない人の特徴とは

ナレーターやまだひさし

インスタイルでは、採用活動の期限というのは特に決めてないんですよね?

工場長西村豪庸

うちは決めてないので、いつでもウェルカムです。

コンサルタントの神田昌典さんが「企業文化は、採用と解雇のときに作られる」って本に書いてましたけど、結局、人事権と決裁権が社長の一番大きい権限じゃないですか。

だからそこはやっぱり手放したらいけないと思うし、ここでどういう決裁、どういう意思決定をしたか、どういう人事をしたかによって企業文化って作られていくから、もちろんそうだなと思うんです。

けど、この時期に採用してるところって、未来に対しての投資を続けていかなきゃいけないってことが分かっているところじゃないですか。

だから、うちは当然ちゃんと採用の門も開けてます。

ナレーターやまだひさし

やっぱり、投資しておかないといけないですもんね。

工場長西村豪庸

一方でうちに限らず、解雇しまくってる会社が必ずしも採用の門が開いてないかというと、開いてたりするんです。

解雇しながら採用してるってどういうことかと言ったら、人件費が無いんじゃなくて「無駄な人件費が無い」って言ってるだけじゃないですか。

「こいつどうしようかな…。
解雇って言いたいけど、わざわざ言うほどでもないんだよな…」


みたいなのは、明確化されているんです。

ナレーターやまだひさし

そうですね。

工場長西村豪庸

物件を見てて思い出した理由も、それが1つなんですけど

「絶対に儲かってなかっただろうけど、ここに店があったら見栄えはすげぇ良いよな」

っていう、いわゆる旗艦店のような物件って、コロナが流行して一番最初に出てきたんですよ。

ナレーターやまだひさし

儲かってなくても、そこにあると格好良かったりするお店ね。

工場長西村豪庸

もしくは、本業じゃなくてサイドビジネスとして経営している、それがなくなっても別に良いようなお店で、IT社長が持ってるすげぇイケてるバーとかが、いっぱい居抜きに出てたりしますね。

人材もそういうのと一緒で、解雇と同時に採用もしているのは、新陳代謝もしていかなきゃいけないし、新しくちゃんと採っていくことで企業を良くしていかなきゃいけないわけじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

結局、両輪なんですね。

"コストセンター" と "プロフィットセンター"

工場長西村豪庸

この間グループの社長にちょっと話したんですけど、人ってザックリ2つのタイプに分けられるんですよ。

"コストセンター" "プロフィットセンター"っていう考え方があって、コストセンターは分かりやすく言うと事務とか経理とか、単体でお金を生まないセンターのことです。

それに対して、単体でお金を生んでくる営業とかがプロフィットセンターなんですけど、コストセンターってこういうときに切られがちなんです。

ナレーターやまだひさし

お金を持ってくる人たちじゃないから、やっぱりそうなっちゃうんだ。

工場長西村豪庸

当たり前だけど、プロフィットセンターはどんなに不況でも、基本的には切られないんです。

ナレーターやまだひさし

お金を生んでくれないと困るわけだからね。
プロフィットセンターの人にコストセンターもやってもらいつつ…みたいなことで、維持できなくもないですからね。

工場長西村豪庸

そうなんです。
だから、コストセンターで切られないってことは相当優秀で信用されてるし、プロフィットセンターで切られるってことは相当信用されてないし会社と合ってない、もしくは数字をあげてないんです。

ナレーターやまだひさし

ここでまず、役割の分担を判断してから、切るか切らないかを考えるってことですね。

工場長西村豪庸

会社って結局、利益をあげていかなきゃいけないわけだから、そういうのは見ていかなきゃいけないんです。

例えば、飲食店ってかなりの確率で、キッチンが強かったりするじゃないですか。
飲食店をやっていたとき、僕はどっちの気持ちも分からせたいから、キッチンの人間には必ずホールもやらせるし、ホールの人間には必ず厨房もやらせるっていうスタイルだったんです。

会社でもできるだけ他のパートをやらせてみたりしているんですけど、会社もレストランと一緒で、ちゃんと業務を回していればいい総務や経理って、レストランで言うキッチンと一緒でコストセンターなんです。

一方で極論だけど、ホールはお客さんを連れてこなきゃいけないのでプロフィットセンターです。
だけど、ほとんどのお店ではお客さんを持っている優秀なホールなんていないから、大体流しで入ってくるとか、シェフの料理を目当てに来るお客さんが多くて、そうなると逆にキッチンがプロフィットセンターですよね。

お客さんを呼ぶ、売り上げをあげる、利益をあげるのがプロフィットセンターだから、物作りや作業とか処理しかしてないからといって、必ずしもコストセンターというわけではないんです。

結局、利益を生んでいるか生んでいないかって話だから、どんなに美味い料理でも、ホールの人間とか支配人とか広告媒体でお客を引っ張ってきて、そのお客さんを満足させてるだけのシェフだったらコストセンターだし、すげぇ美味い料理を作ってて、そのシェフの名前でお客さんが呼べてたら、ホールがコストセンターなんです。

ナレーターやまだひさし

その判断、他の社長さんたちはみんなできるのかな?

工場長西村豪庸

今のは分かりやすいように極端に話しましたし、もちろん全部がチームになっているのでかけ算なんですけど、内装も良くないといけないしサービスも良くなきゃいけないし料理も良くなきゃいけないんです。

だけど、まず自分がコストセンターなのかプロフィットセンターなのかを考えて、会社に利益を出している限り、基本的には首を切られないんですよ。

ナレーターやまだひさし

そこで切られるか切られないかの予想ができるから、一度自分で見つめ直してみた方が良いんですね。

工場長西村豪庸

逆に、プロフィットセンターとしてちゃんと利益を出してるのに切られたら

「お前のことを儲けさせてやってたのに、バカだなあいつ」

って言って、すぐ次のところに行けるんですよ。

ナレーターやまだひさし

その実力があるなら「じゃあ、もうそんな会社いいや」って自信をもって辞めたって、また違う仕事に就けますからね。

工場長西村豪庸

一番たちが悪いのは、プロフィットセンターのつもりでいるコストセンターの人ですね。

コストセンターの収入って、仕える人次第なんですよね。
すげぇ優秀な営業マンの専属アシスタントって、アシスタントだからコストセンターじゃないですか。

でも「すげぇ仕事しやすいから、こいつのアシストじゃなきゃ絶対にやだ」ってなったら、まあまあ良い給料が取れてるはずなんです。

ナレーターやまだひさし

その人の環境を良くしてるわけだからね。

工場長西村豪庸

うちの秘書はまさにこのタイプで、僕はインスタイルグループのプロフィットセンターなので、僕のプロフィットセンターとしての数字も秘書に成績としてシェアしながら、僕の営業成績等を秘書の営業成績として扱って数字を持ってもらった上で評価してますから、コストセンターが必ずしも悪いわけじゃないんです。

ナレーターやまだひさし

コストセンターがちゃんといてくれるから、プロフィットの方に専念できるということですね。

正直、コロナが流行る前は無自覚で働いていた社員も多いと思うんですよ。

工場長西村豪庸

そうなんです。
この間、すっかり社長として何年も経ったマコとメシに行ったとき、マコが美容室で

「コロナで全然お客さんが来なくて、ゆったり仕事ができて良かったんですよね。
もう一回コロナに戻ってきてほしいと思いません?」

みたいなことを言われたって話をしていたんですよ。

要するに、その美容師さんは雇われだから「仕事が少なくて、給料が変わらなかったから良かったのにな」って言ってるんです。

「お客さんも、そう思いません?」って言われて、それにいちいち目くじら立てるタイプでもないから、お茶を濁して髪切って帰ってきたらしいですけど、そいつと社長としてバリバリやってるマコで話が合うわけないじゃないですか 笑

ナレーターやまだひさし

それは合わないね 笑

工場長西村豪庸

一見、美容師なんて個人でお客さん捕まえて来る商売だからプロフィットセンターのはずなのに、この話の美容師さんの意識はバリバリのコストセンターじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

個人でガツガツ顧客を取ってきて、売上をあげなきゃいけないんですもんね。
僕がその美容室のオーナーだったら、辞めてもらいますもん 笑

工場長西村豪庸

でも多分、その美容室は「辞めてもらうね」って言うのと同時に、絶対も採用求人も出してるでしょ。

辞めてもらったやつの給料が30万円で、求人が40万円で出てたりしますからね。

ナレーターやまだひさし

そういうことですよね。
だって、プロフィットセンターの美容師に来てもらった方が、店もよっぽど良くなるし風通しも良くなりますからね。

採用面接のときに西村工場長が見るところ

ナレーターやまだひさし

今度出版する本にも書いてあるって言ってましたけど、採用面接のときのアドバイスはありますか?
ヒデちゃんは、どうやって面接時に相手を見抜いているんですか?

工場長西村豪庸

「みんな猫かぶって来るから、見抜き方を教えて下さい」みたいなことを聞かれるんですけど、見抜こうとしたらこっちも見抜こうとされるよって話じゃないですか。

こっちだって、絶対に猫かぶってるでしょ?

ナレーターやまだひさし

当然「わが社は最高だよ、来た方が良いよ」って言うわけだからね。

工場長西村豪庸

「こっちの水は甘いぞ」

って言うくせに

「猫かぶってるのを見抜くには、どうしたらいいですか?」

って聞かれるけど、それは、お互い猫かぶってる前提でやろうぜって言います。

「猫かぶってるであろう相手を、どうやって見抜くか」

っていうマインドは、ちょっと言い方を悪くすると、いかに粗探しをするかみたいな話じゃないですか。

俺は粗探しをされたくないし、めんどくさいじゃないですか。
だから「ベスト猫かぶりをしてくれ」ってまず頼んで、その上で合うか合わないかを判断するんです。

ナレーターやまだひさし

なるほど。

工場長西村豪庸

別に、こっちが一方的に見て

「YOU、採用!」

みたいな、芸能事務所のオーディションじゃないから

「わざわざうちみたいな企業を見つけて、こんな辺鄙(へんぴ)なところまでお越しいただいて、少なくとも採用面接に来ようと思ってもらえただけでもありがてぇ」

と思うんです。

たまに勘違いしてる社長がすごい圧迫面接をしてますけど、極端な話、そのときは相性やタイミングが合わなくて一緒に仕事ができなかったとしても、もしかしたらその会社や商品のファンになるかもしれないじゃないですか。

その人たちを、すげぇけちょんけちょんにして帰すような面接をする社長とか、意味が分かんないんですよね。

最近少なくなってきましたけど、お客様や、お客様になるかもしれない人にはしないのに、面接に来た社員候補にはそれをする会社とかもあって

「でもその人って、お客様にはなるかもしれない人ではあるよ」

みたいな話じゃないですか。

ナレーターやまだひさし

確かに。

工場長西村豪庸

それは結構気を付けて言うし、僕も気を付けるし、当たり前のことじゃないですか。

極論だけど、特に最初の頃なんかは

「うちに応募して面接に来てくれただけで、全員採用って言いたいぐらいだ。
だけど、企業の規模的にさすがにそうもいかないから、1人か2人なのか知らんけど、できるだけ一緒にやっていけるやつらと一緒にやりたいと思って面接してる」


っていうのは言ってたんですけど、名前を言ったら誰もが知ってるわけでもない中小企業に、パッと面接に来てくれただけで本当はありがたいはずなんですよ。

ナレーターやまだひさし

そこに、感謝の気持ちがあっても良いぐらいっていうことですね。

工場長西村豪庸

だからあんまり、面接する側、される側っていうマインドが僕にはないんです。

お見合いじゃないけど、お互いを見て気が合うか合わないかとか、これがあると思って来た応募者に対して「それは、うちにはないよ」とかは正直に言うからっていう話をしてます。

ナレーターやまだひさし

僕もラジオDJだから、よく「どういうふうに面接を受けに行ったらいいですか」っていう質問が多いんです。

でも、僕らでも番組などのいろんなオーディションもまだまだあるし、面接する方も「会社を面接しに行ってやるんだよ」ぐらいのことでいいんですよね。

工場長西村豪庸

ちゃんと見て、合うか合わないかですよね。
こっちはこっちで、生涯年収2億円、3億円っていう状態で一生面倒みるつもりで雇用してるから、1回の面接で2億円、3億円の意思決定なんです。

だから向こうもちゃんと、さっきやまださんが言ってたみたいに、ある程度人生をかけて決めてほしいんです。

社会人になったら、仕事をしてる時間、会社にいる時間が一番長くて、それが人生の大部分を占めるわけだから、そうなったときにどこの会社でどういう時間を過ごすかってすごい大事じゃないですか。

だから、お互いちゃんと見るべきだと思うんです。

採用面接で印象が悪くなる一言

工場長西村豪庸

もう一つ、採用面接で

「服装自由だったからとか、週休二日で駅から近くて、給料が35万だったから来ましたとか言わないで」

ってよく言うんですけど、それって要するに、どこにでもあるじゃないですか。

「どこにでもある条件だったから、あんたのところに来た」

って言われたくないのは、裏を返すと

「とりあえずここからここまでの時間、この給料で働いてくれたら誰でもよかったんだ」

って言われているのと一緒で、そんなところに採用されたくないじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

逆を言えば「あんたじゃなくてもいいんだ」っていうのと一緒になっちゃうんですね。

工場長西村豪庸

だから

「難しいかもしれないけど、僕はこの1時間であなたじゃなきゃいけない理由を探すから、あなたもうちじゃなきゃいけない理由を探して」

っていう話をして、面接に入るんです。
お互い見つけられたら、それはハッピーだからうまくいくだろうし、さっき言ったみたいに

「週休二日で服装自由で、駅から近かったから」

っていう条件の会社、多分世の中に山ほどあるから、うちじゃなくてもいいんですよ。

ナレーターやまだひさし

そうですね。

工場長西村豪庸

「うちも、給料35万で9時から6時まで働いてくれたら、誰でもいいわけじゃないから」っていう話じゃないですか。

ナレーターやまだひさし

こういうヒントは、すごく役に立ちそうですね。

工場長西村豪庸

それに気を付けて面接もするし、結局は組み合わせだから、俺に対してなんとか我慢をしながら一緒に5年10年やれてるやつらとは、あんまり気が合わないだろうしね。

ナレーターやまだひさし

もうちょっと受ける側も、大胆になれというわけじゃないんだけど、そういう話をもっとしてもいいですよね。
面接って、イエスマンばかりのような気もしますしね。

工場長西村豪庸

それしか聞くところがないのかもしれないけど、面接にくるイケてないやつに多いのが「有休は、何日ありますか?」みたいな質問ですね。

ナレーターやまだひさし

そういう自分の条件の方から先に言う人が、まだいるんですね。

工場長西村豪庸

「これとこれと、これは貰えますか?」っていう、権利の方を先に聞く人ね。

「ここまで結果を出したら、ここまで貰えることはありますか?」

みたいな聞かれ方をするのと

「とりあえず、有休は何日ありますか?」

って聞かれるのって、意味が違うじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

全然違いますよね。

工場長西村豪庸

当然の権利だと思うから「有休なんてあって当たり前だし」って感じじゃないですか。

うちは別に、いちいち有休を取るのに理由もいらないし「はいはい、取れよ」っていうスタンスなんです。

だけど、それを

「御社、ブラックじゃないですか?」
「有休とか、ちゃんと消化してますか?」


とか聞かれると

「消化してるけど、多分君とは合わないと思う」

みたいな話になるんですよね。

それで言うと「給料を払ったら、一生懸命働くのは当たり前だと思うよ」っていう話なんですよ。

「一生懸命働いたのに、給料が1円も入ってこなかった」って言われたら、びっくりするじゃないですか。

権利を主張するのが悪いって言ってるんじゃなくて、主張の仕方が下手な時点で、多分合わねぇだろうなって思うんですよ。

ナレーターやまだひさし

面接してて、そういうところから会話の構築をしているようだと「この子、大変だな」って思いますよね。

工場長西村豪庸

「給料はちゃんと、給料日に振り込まれるんでしょうか?」って聞かれてるようなもんじゃないですか。

その質問をしてるんだったら、じゃあ俺も聞くけど「君は毎日、ちゃんと朝10時に会社に来るんでしょうか?」って聞かなきゃいけないのかなって思いますよね。

ナレーターやまだひさし

「当たり前のことなのに、もう一回聞くの?」みたいなね。
でもありがちですし、面接ってそういう話をすることが趣旨ではないよね。

工場長西村豪庸

「なんか聞かなきゃ…」

と迷った末に、条件を聞いて帰るんであれば

「じゃあ、それが一番お前が気になることなんだな」

って話じゃないですか。

ナレーターやまだひさし

せめてそこで御社への興味だったり、どういうふうな人生でありたいとか、そんな話だとちょっと変わってきますよね。

工場長西村豪庸

面接をお見合いに置き換えて

「最後に、お相手さんに何か聞きたいことはありますか?」

って言われた女性から

「毎週土日はお仕事がお休みとお聞きしましたけれども、毎週土日はきちんとお家に帰ってきてくれるでしょうか?」

って聞かれたら

「たぶんね。 でも今の質問でちょっと確率は下がったわ」

みたいになるじゃないですか。

「毎週土日がお休みと聞いたんですが、私も土日休みなので、一緒に出かけられることはあるでしょうか?」

って聞かれたら

「うん、どっか出かけたいね」

って返事ができるけどね。

ナレーターやまだひさし

「一緒に映画を観に行ったりしてくれるんでしょうか?」って言われたら、また違うよね。

工場長西村豪庸

「映画とか好きですか?」

って聞かれたら

「何が好き?」

とか聞けるけど

「ちゃんと家に帰ってきてくれますか?」

とか言われたら

「そっかー、最後の締めくくりそれかー」
「ちょっと考えときます」


ってなりますよね。

ナレーターやまだひさし

確かに。

でも、採用面接って受ける側も臆することなくアピールをする時間だから、お見合いみたいなものだと思ってお互いフィフティフィフティの関係性で挑む方が皆さんもいいと思うし、そういう関係性になるといい仕事や会社と巡り合えそうですよね。

工場長西村豪庸

そう思います。

ナレーターやまだひさし

ぜひ皆さんも、参考にしてみてください。
詳しくは、これから発売される本にも書いておりますので、発売を楽しみに。

「西村豪庸の『社長工場』」
「毎週1000万投資」と題しまして、情熱を持った起業家へエンジェル投資も行なっております。

エンジェル投資の詳細は第7回第8回の放送をお聞きください。

また、番組への質問・ご意見は下記のお問い合わせフォームからお問い合わせください。

西村さん本日もありがとうございました。

工場長西村豪庸

ありがとうございました。

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ポッドキャスト番組 西村豪庸の「社長工場」で聞きたいこと、起業・経営などで悩まれていること、今後取り扱ってほしいテーマ、ご感想など、皆さまからのご質問をお待ちしております。


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