経営者は、広告費ゼロを目指すべき?
- 現代人は、耳しか空いていない
- 広告費はゼロでも、マーケティングコストはゼロではない
- 広告費は、どのくらいの値段を、どのようなペースでかけていくべき?
- コストをかけずに、最良の広告を作る
- 「ポスティングは時代遅れ」ではない
- 電信柱の広告で、普通の土地が一等地に化ける
- 広告費をかけるべき時、かけなくてもいい時
- ビジネスは、公式に当てはめるだけでは上手くいかない
- 効果の出る広告を出すには
読むポッドキャスト 第84回「西村豪庸の『社長工場』」
ナレーターやまだひさし
「西村豪庸(にしむらひでのぶ)の『社長工場』」!!
こんにちは、やまだひさしです!
ポッドキャスト番組、西村豪庸の社長工場では、インスタイルグループの代表を務める経営コンサルタントの西村豪庸さんが、ビジネス、経営に関することを独自の視点で解説していきます。
西村さん本日もよろしくお願いします。
工場長西村豪庸
お願いします。
ナレーターやまだひさし
今日のテーマは「広告費」です。
「ブランド品は、商品の値段に莫大な広告費が上乗せさせているから、品質の良いものを好むお金持ちは絶対に買わない」
という話や
「広告に無駄なお金をかけられた高額商品よりも、素材にこだわった適正価格のものを買いたい」
なんて意見を聞いたことがあると思います。
経営者側からしても、無駄な広告費を一切かけずに口コミやSNSだけで商品が売れるのであれば、それが商売の理想のかたちだと思います。
ということで、今日は広告費についてヒデちゃんに聞いていきたいと思います。
僕の人生は広告費で成り立っているようなものなので、なかなか聞きづらいのですが、やっぱり経営者というのは広告費ゼロを目指すものなのでしょうか?
工場長西村豪庸
広告費ゼロを目指すんじゃなくて、やっぱりラジオ広告に全力で投資をしていくべきですよね。
ナレーターやまだひさし
ありがとうございまーす!
工場長西村豪庸
はい、以上です 笑
現代人は、耳しか空いていない
ナレーターやまだひさし
僕の仕事って、バブルでお金も潤沢にあって「税金で取られるぐらいだったら、テレビCMやラジオCMなどの広告宣伝にお金を使った方がいい」みたいな時代の「おこぼれビジネス」だったと思うんですよ。
工場長西村豪庸
ずいぶん謙遜した言い方をしましたね 笑
ナレーターやまだひさし
その時代のことを考えると、今はかなり広告費が縮小しているんじゃないかなと思っています。
工場長西村豪庸
まあ、どの広告費かにもよるんでしょうけどね。
ナレーターやまだひさし
特にテレビとかラジオの広告費は、下がっていますよね。
工場長西村豪庸
テレビとラジオは、残念ながら下がっているでしょうね。
だけど、ラジオは一時期死ぬほど下がって、今は「ながらメディア」として若干回復してるんですよ。
今って、みんな時間がなくて、目が空いていないんですよね 笑
耳しか空いていないから、僕らはわざわざポッドキャストで番組をやっているわけです。
ナレーターやまだひさし
確かに。
「ネットも見なイカン、YouTubeも見なイカン、テレビもある、デジタルサイネージもある…」となったら、耳しか空いていないんですね。
工場長西村豪庸
次のウェアラブルデバイスの最右翼は、たぶんAir podsでしょうね。
ナレーターやまだひさし
ラジオやポッドキャストは「ながらメディア」として、今までと少し違う価値が出てきそうということですね。
工場長西村豪庸
そういう背景で、ラジオ広告などが見直されていることもあるので、僕は今年も全力でラジオ広告を出していこうと思います。
以上です。
ナレーターやまだひさし
「やまだひさしのラジアンリミテッドフライデー、インスタイルの提供でお送りします…」の時代が、いつの日か来るかもしれませんね 笑
工場長西村豪庸
アハハハ 笑
広告費はゼロでも、マーケティングコストはゼロではない
工場長西村豪庸
「広告費ゼロを目指すべきですか」って質問でしたけど、それは「できるもんならやってみなはれ」って話です。
ナレーターやまだひさし
例えば、ブランド品なんかは莫大な広告費がかかっていると思うんですけど、やっぱりハイブランドはあのくらいかけなきゃダメなものなんでしょうかね?
工場長西村豪庸
そもそも経営って「お金でお金を買うこと」なんですよ。
「営業マンの人件費で、売上を買う」
「高い原価をかけて、売上を買う」
これと一緒で、広告費っていうお金で売上を買っているんですよ。
お金でお金を買うことが経営だと思っているので「広告費ゼロを目指すべきですか」っていうのは、違うんじゃないですか。
ナレーターやまだひさし
確かに、お金でお金を買ってるね。
工場長西村豪庸
例えば「広告費ゼロの代わりに営業マン100人雇ってます」っていう会社は、広告費って名前がついていないだけで、ブランディング、マーケティングコストがゼロなわけではないんですよね。
でも、高級ブランドだと1万人の営業マンを雇って
「高級ブランドいりまへんか」
ってピンポンしに行くわけにいかないじゃないですか。
「どういうふうに知ってもらうか」を考えたときに、高級ブランドは広告費に投資をするのが一番いいんです。
ナレーターやまだひさし
一等地に大きい路面店をバーンと出しているのも、広告の一環ということですか?
工場長西村豪庸
そうですね。
ブランドビジネスって「やせ我慢のしどころ」なところがあるじゃないですか。
「どこどこに旗艦店をオープンしてて、イケてるでしょ」みたいな。
ナレーターやまだひさし
確かにね。
一見「あれ、経営成り立ってんの?」って思うかも知れないけど。
工場長西村豪庸
「セールをしたら売れるけど、セールをあんまりしない」とか、それはやせ我慢のしどころじゃないですか。
ナレーターやまだひさし
ブランドのイメージがありますもんね。
工場長西村豪庸
だから「広告費ゼロを目指すべきだと思いますか」って質問に「やれるもんならまあやってみなはれ」って答えたんです。
万引きのときも「いろんな方法の中から、どのコストで万引きを減らすか」っていう話をしましたけど、同じような話じゃないですか?
今は、新しいビジネスを立ち上げて、新規で顧客獲得するときのコストが2〜3万だと言われているんですけど
「粗利率7割以上の商品か、粗利額を2〜3万取れる商品じゃないと、そこから広告費を出してビジネスを存続させることはできない」
っていうのが、広告マーケティングの基本としてあるんですよね。
ブランドビジネスって、たぶん原価は安いだろうから、粗利7割以上で粗利額も2〜3万以上は取れていると思うんですよ。
だから、あれだけの広告費をかけて、ブランディングに命をかけれるんだと思うんです。
昔から「シャンパンの半分はマーケティングコストだ」っていうけど、それと似たようなもんだと思います。
ナレーターやまだひさし
じゃあ、やっぱりブランド品には広告費が商品の値段に乗っているんですね。
工場長西村豪庸
間違いなく乗っかってると思いますよ。
ナレーターやまだひさし
じゃないとビジネスとして成立しませんもんね。
広告費は、どのくらいの値段を、どのようなペースでかけていくべき?
ナレーターやまだひさし
「広告費はだいたい、商品の値段の何%」っていうような目安はあるんですか?
工場長西村豪庸
商品、商材、粗利率にもよりますけど、原価が値段の2割〜3割だとすると、粗利が7割くらい取れるので、広告費は商品の値段の5%〜10%ぐらいに収めたいですよね。
会社全体で言うと、売上100億円の会社なら広告費は5億〜10億ぐらいかな。
ナレーターやまだひさし
とは言え、最初は認知を取るために広告費をかけることが重要だと思うんですけど
「最初は少し高めに広告費をかけて、ドンドン金額を落としていく」
「最初はあまり広告費をかけずに頑張って、売上に応じて広告費を上げる」
の2択だったら、どちらの方が良いんですかね?
工場長西村豪庸
みんな、そこを間違えているんですよね。
僕はよく「カゴに近い方から改善しろ」って教えるんですけど
「『カートに入れる』はクリックしたけれど、最後の決済情報の入力とかが面倒臭くて買わなかった」
っていうお客さんって、よくいるじゃないですか。
ナレーターやまだひさし
確かに、よくいる。
工場長西村豪庸
それをECや通販だと「カゴ落ち」って言うんですけど、あれを改善していった方が効果的なんですよね。
お客さんの数って
「最初に100万人が商品をテレビで見て、そのうちの10万人がもう1回YouTubeで見て、そのうちの1万人がツイッターをフォローして、そのうちの1000人が公式サイトに訪れて…」
っていうように、ふるいにかけられて、だんだんと減っていくんですよ。
最終的に200人がカゴに入れ、100人がカゴ落ちして、100人が買ってくれましたっていう結果だとすると、カゴ落ちしないように改善した方が、効果が早く出るんです。
「テレビで100万人が見てくれたところを150万人見てくれるようにする」
よりも
「購入者を150人にする」
って方が、すげぇ簡単なんです。
だから、まずは最後の決済入力画面とか、カゴに近いところから改善していくんです。
入力画面を簡単にするくらいなら、そんなにコストもかからないじゃないですか。
ナレーターやまだひさし
購入ぺージを少し分かりやすくしてみるくらいなら、そんなに大変なことではないでしょう、と。
工場長西村豪庸
カゴに近い方から順番に改善していって、購入者が150人になったら、もう一段階上の部分も改善していけるかもしれないし。
今はYouTubeを見てくれた10万人のうち、1万人しかTwitterをフォローしてくれていないけど、動画内で「必ずツイッターをフォローしてね」ってひと言を入れてみるとか。
それでフォロワーが2万人になると、その下も全部2倍になるし。
ナレーターやまだひさし
そんなにコストがかからなそうなことを、やれる範囲でやっていくんですね。
コストをかけずに、最良の広告を作る
工場長西村豪庸
最初は、店の前を100人通ったら1人が買ってくれるっていう、コンバージョンレート1%を目指すんですけど、
それを目指すにあたって、まずは無料のアクセスで試してから改めて計算をするんですよ。
「DMを1万枚撒くのに1枚100円で100万円かかります」っていう時代じゃないし、YouTubeだろうがメルマガだろうが、安いコストでいろいろできるじゃないですか。
そういった無料のアクセスを流してみて「コンバージョンレートが1%以上になったな」と思ったら、改めて計算をするんです。
例えば、コンバージョンレートが1%、粗利が7000円の商品で、ワンクリック200円の広告を出すとするじゃないですか。
コンバージョンレートが1%なんで、1つの商品が売れるには100人訪れる必要があり、そうすると1つの商品が売れるのに2万円の広告費がかかるんですよね。
2万円の広告費で7000円の粗利を買ってるとしたら、赤字じゃないですか 笑
ナレーターやまだひさし
それじゃダメだな 笑
工場長西村豪庸
でも、もしこれがワンクリック20円だったら
「2000円の広告費で7000円の売上が買えるので成立するね」
っていう計算になりますよね。
もしくは、コンバージョンレートが10%だったら、ワンクリック200円でも10人に1人が買ってくれる計算になるんで、2000円で7000円が買えるんです。
いきなり、100万人が見てくれるテレビCMを打つんじゃなくて、まずは無料とか無料に近いアクセスで試してみて、カゴに近い方から順番に改善していくんですよ。
ナレーターやまだひさし
その作戦なら、みんなも真似できますね。
工場長西村豪庸
コストのかからないランディングページで、効果が出る組み合わせを完成させてからビラを作れば、効率的じゃないですか。
更新が簡単なウェブサイトで、一番効果が出るキャッチコピー、ボディコピー、ヘッドコピー、写真の組み合わせを見つけてから、それを紙に落とすんです。
ナレーターやまだひさし
なるほど。
そこでやっと、紙に落とすんですね。
工場長西村豪庸
ランディングページとビラだったら、ビラの方がコストがかかるんで。
ナレーターやまだひさし
闇雲に「色が地味だったからじゃない?」くらいの感じでやっても、大して変わらないってことですよね。
工場長西村豪庸
みんな、カゴから一番遠いところから改善しようとするから、悪いんですよね。
ナレーターやまだひさし
遠い方から考えている人は「ティッシュをもうちょっと分厚くしたら、持ってってくれんじゃね?」とか、そういう方向に考えがちじゃないですか。
工場長西村豪庸
「1000人に撒いたから、次は2000人に撒いてみる」とかじゃなくて、良いコンバージョンレートを作るのが先っすよね。
「ポスティングは時代遅れ」ではない
ナレーターやまだひさし
ってことは、闇雲にチラシをガンガン入れるポスティングは、ビジネスとして有効な時期はあったけど、今だと「最初にお金を出して、ドンドンやっていこう」っていうものではないということですか?
工場長西村豪庸
ビジネスにもよるんじゃないですか?
例えば、いまだにデリバリーのピザってポスティングが効くと思うんですよ。
初めて配達をするマンションに行くとき、配達のやつにチラシを渡しておくんですよ。
ナレーターやまだひさし
なるほど、配達の帰りにいれてくるわけですね。
工場長西村豪庸
そこのマンションの住人みんなが見込み客じゃないですか。
なので、配達ついでにそのマンションにチラシを撒いていくんです。
ナレーターやまだひさし
もしかしたら、またこのマンションの住人からの注文もありえるぞ、と。
配達のついでにポスティングをすれば、広告費という名の人件費はかからないですもんね。
工場長西村豪庸
もうどうせ刷ってあるもんですし。
それに、同じようなマンションに住んでるってことは、同じような見込み客ってことですからね。
だから、ビジネスによりけりですよね。
地域密着型のビジネスで、ポスティングやチラシを撒いたりすることは、全然効果的だと思うんですよ。
トレーニングジムでもいいですし、出張マッサージもいいですし。
ナレーターやまだひさし
確かにそうだ。
「今やSNSで、今ポスティングは意味ないよ」っていう表面的な考えは、ちょっと早計すぎますよね。
工場長西村豪庸
そもそも、コンバージョンレート100%の広告って存在しないじゃないですか。
ナレーターやまだひさし
そりゃあ、100%にはなりっこないですもんね。
工場長西村豪庸
チラシとかは、ゴミが捨てられまくってるからすごい分かりやすいだけで、インターネットのアクセスも、1万人がアクセスして100人が買ってくれたっていうのは「9900人は買わなかった」っていうことじゃないですか。
だから、9900枚のビラが捨てられてるのと一緒なわけです。
電信柱の広告で、普通の土地が一等地に化ける
ナレーターやまだひさし
そう考えると、一見「これ、誰見てるの?」みたいな電信柱の看板とかも、意味はあるんでしょうね。
工場長西村豪庸
電信柱の広告は、家賃とその広告費と合算して、得できるんだったらやるべきだと思いますね。
例えば1階が100万円、2階が30万円の物件で、その周辺の電柱の広告費が3万円の場合、1階の100万の物件を借りるより、家賃が30万円の物件を借りて、その周辺の電柱を買い占めた方が安く済むんですよね。
ナレーターやまだひさし
目的地にちゃんと連れて行ってくれるならば「1階である必要はあるのか」と。
工場長西村豪庸
電信柱の広告を出すことで、一等地に化けるんですよ。
街中の電信柱の広告を買い占めれば
「ここから200メートルを右」
「ここから200メートルを左」
と、お店まで誘導していけるので、一等地になるんです。
ナレーターやまだひさし
まったく迷わずにお店に行けるなら、家賃100万円の店舗と同じぐらいの価値がある土地になるんですね。
工場長西村豪庸
ステータスの振り分けみたいなものですよね。
ナレーターやまだひさし
たまに「次はー、ニシムラ歯科前、ニシムラ歯科前」ってバス停があるじゃないですか。
工場長西村豪庸
「観光とビジネスの拠点、ホテルアイビスへはこちらでお降りください」
みたいなやつですよね 笑
ナレーターやまだひさし
それです。
「なんでこの間まで『〇〇2丁目』だったのに、いきなり『ニシムラ歯科前』になった?」っていう。
あれも広告なんですか?
工場長西村豪庸
あれも一応、広告です。
ナレーターやまだひさし
あれを聞いて、行っちゃう人もいますよね。
工場長西村豪庸
歯医者って、家の周りや通勤通学の周りで探す人が多くて、いつも乗るバスのアナウンスが頭の中に残ってたりする人も一定数いるんですよ。
ナレーターやまだひさし
で、突然歯が痛くなったときに
「あっ! そういえば3つ前の停留所に歯医者があったな」
と思い出すんでしょうね。
人間の動きをちょっと先読みして、そういったところにフォーカスすると、すごくバリューがある広告が見つかるかもしれないですね。
工場長西村豪庸
ありますあります。
ナレーターやまだひさし
ヒデちゃんの場合、昨年まで毎年開催していた『レッドブル・エアレース』も「広告」という意識があったわけですよね。
工場長西村豪庸
あれは、俺の無駄遣いです! インスタイルグループの運動会だから 笑
ナレーターやまだひさし
アハハハ! 違ったんか 笑
広告費をかけるべきとき、かけなくてもいいとき
工場長西村豪庸
エアレースで思い出しましたけど、僕は広告費の話をするとき、よく飛行機に例えるんですよ。
飛行機って、離陸するときに燃料を一番使うじゃないですか。
広告費も一緒で、ビジネスが安定するまで、ガンガン広告費をかけて認知をとってブランディングして、ガーってやっていかなきゃいけないんですよ。
ナレーターやまだひさし
やっぱり、コストがかかるんだね。
工場長西村豪庸
ガンガン広告費をかけなきゃいけないときに「どの売上をどんなお金で買っている」っていうことを分かっていない新人コンサルタントや、コストカットしかしないようなコンサルタントが入ると
「広告費多いですね」
「営業マンの人件費高いですね」
と言って、まずそこを切るんですよ。
そうすると、当たり前ですけど一瞬利益が出るんです。
ナレーターやまだひさし
まあそうでしょうね。
だって、今までかかっていたコストがなくなるんですから。
工場長西村豪庸
でもそれって、離陸の途中に燃費を気にするようなもんじゃないですか。
安定飛行に入ったら燃費を気にしてもいいけど。
ナレーターやまだひさし
離陸の途中だとね 笑
目的地へ着かない場合もあるんじゃないですか。
工場長西村豪庸
墜落しちゃうんでね 笑
ネスレのキットカットとかは
「コモディティとか、広告費に死ぬほどかけないとダメだ」
って言われてたときに
「俺らは充分認知がとれているから、一旦広告をやめよう」
って言って、広告をやめたんですけど、それでも売上が変わらなかったとか。
だから「どのくらい認知が取れていて、顧客がどういう行動をしているのか」によっても、全然違うんですよね。
立ち上げたばかりのブランドが「広告を一切かけないで尖っているから、イケてる感じでやれるんだ…」と言ったって無理だし。
ビジネスは、公式に当てはめるだけでは上手くいかない
工場長西村豪庸
逆の例でいうと『Provision』はサブスクリプション制なので、広告費がかかっていない代わりに原材料費がメチャメチャ高いんですよ。
ナレーターやまだひさし
そうでないと、お客さんが納得しないからね。
工場長西村豪庸
広告費はゼロだけど、その分を原材料費に投資したわけです。
サブスクリプションで、顧客が納得いく金額に設定するってことは、原価がめちゃくちゃかかるんですよ。
でも、その代わりに「こんなに面白いことやってんだ」っていって、テレビや雑誌の取材が死ぬほど来て、それを広告費に換算したらえらい金額になったんですよね。
『俺のイタリアン』や『俺のフレンチ』なんかは、原価を上げる代わりに回転率を上げたりしてましたけど、要は数字をどうコントロールするかなんです。
「原価率が10%で、広告費は5%で…」
なんて教科書通りにやることでビジネスが成功するんだったら、税理士や会計士が一番成功します 笑
ナレーターやまだひさし
ですね。
「公式通りに当てはめていけば、上手くいく」と思うかも知れないけど、そんなわけないですからね 笑
工場長西村豪庸
原理原則とかある程度はあるけど、それだけじゃないですから。
ナレーターやまだひさし
例えば、タレントとか歌手でも、同じことが言えますよね。
「ポッと出でスターになった」みたいに思ってるかも知れないけれど、その人がスターになるまでに育成費もかかってるだろうし。
「タレントがいきなり事務所を辞めて、独立して…」ってよくモメてるけど、そりゃそうだよって思いますよね 笑
工場長西村豪庸
きみが新しい地図を描くまでに、どれだけの…
ナレーターやまだひさし
言うな言うな 笑
工場長西村豪庸
え、何すか? 笑
ナレーターやまだひさし
今、いきなり3人が出てきちゃったから!笑
工場長西村豪庸
いやいや、地図の話ですよ。
「新しい地図を描くまでに、いろんな調査費用がかかってるんだよ、コロンブス…」
って言おうと思っただけです 笑
ナレーターやまだひさし
ちゃんと地図の話だ 笑
最近の地図じゃなかった 笑
効果の出る広告を出すには
ナレーターやまだひさし
「お金をどう使うことが、自分の会社にとって一番良いのか」を考えると、起業家の方は面白いかもしれないですね。
さっきの例で言うと、原材料費にかけるっていう手もあるし、いろいろな方法がありますから。
工場長西村豪庸
ペルソナをきちんと決めて、カスタマージャーニーをちゃんと考えて
「うちのメインターゲットは漫画家で、ずっと原稿に向いていて、ながらメディアしか聴かないから、ラジオCMに出すのが一番いいんだ」
と言ってラジオにCMを出すのも、自由ですからね。
ナレーターやまだひさし
それが本当に当たる場合もあり得るでしょうし、考えたら楽しくなってきたね。
工場長西村豪庸
長距離ドライバーや運転手に対して、Youtube広告を出そうとしてたら
「長距離運転手は、休憩中しかYouTubeを見れないでしょ」
って思って、ちょっと納得できないですけど 笑
ナレーターやまだひさし
的を得ていないと、とんでもないことになるんですね 笑
工場長西村豪庸
「理想の顧客になりきれるか」「顧客の立場にちゃんとなれるか」っていうことが大事だと思いますね。
ナレーターやまだひさし
顧客側の気持ちをちゃんと汲み取れるか、ということですね。
広告をデザインするところから考えていくと、それが当たったときの面白さや楽しさが出てきそうですね。
工場長西村豪庸
当てたときは楽しいですからね。
まあ、迷ったらラジオに出しときゃいいですよ。
ナレーターやまだひさし
ありがとうございます 笑
じゃあ、僕も大量の広告費をインスタイルにかけてもらおう。
「アイツ、やたら渋谷とかのビジョンで大きく映ってるけど、何なんだ?」
みたいな 笑
工場長西村豪庸
♪ヤーマダ、ヤマダ、高収入
ナレーターやまだひさし
いや、バニラになっちゃってる 笑
工場長西村豪庸
「渋谷とかでたくさん見る」って言うから 笑
工場長西村豪庸
ありがとうございました。