社長の給料は、いくらに設定するべきか
- 年間1000万円のお金が余ったら、そのお金をどう振り分ける?
- 役員報酬額を途中で簡単に変えられない理由
- 途中で役員報酬額を変える方法
- 社員の士気を上げるには
- 社長と社員の給料は同じ方が良い?
- 西村工場長の収入は、社員全員が見れるようになっている
- 内部留保を従業員数で割ると、思っているよりも少ないことが多い
- バックグラウンドにある思いや、意思決定のプロセスを社員に共有しておく
読むポッドキャスト 第88回「西村豪庸の『社長工場』」
ナレーターやまだひさし
「西村豪庸(にしむらひでのぶ)の『社長工場』」!!
こんにちは、やまだひさしです!
ポッドキャスト番組、西村豪庸の社長工場では、インスタイルグループの代表を務める経営コンサルタントの西村豪庸さんが、ビジネス、経営に関することを独自の視点で解説していきます。
西村さん本日もよろしくお願いします。
工場長西村豪庸
お願いします。
ナレーターやまだひさし
本日のテーマは「社長の給料の決め方」です。
起業したばかりの社長にとって「自分の給料を、いくらにするのが妥当なのか分からない」という方が多いと思います。
でも、そもそも社長の場合は、給与とは言わないんですよね?
工場長西村豪庸
言わないです。
社長の場合は「役員報酬」という名目に変わりますね。
ナレーターやまだひさし
役員報酬は、1年に一度しか決められないんでしたっけ?
工場長西村豪庸
すごくざっくりした言い方をすると、そう言われていますね。
ナレーターやまだひさし
「売上が良い月はたくさん貰おう」とか「売上がない月は貰わない」っていうことができず、売り上げが良くても悪くても、会社は決められた役員報酬を支払わなければいけないですもんね?
工場長西村豪庸
基本はそうですけど、そこはあとで細かく説明しますね。
年間1000万円のお金が余ったら、そのお金をどう振り分ける?
ナレーターやまだひさし
例えば、従業員の給料や事務所の賃料などの販管費を払ったあとに年間1000万円ぐらいのお金が余ったとしたら、そのお金をどう振り分けるか、3つの選択肢の中から一番近いものをヒデちゃんに一つ選んでほしいと思います。
工場長西村豪庸
営業利益で1000万円残るというより「何となく1000万円ぐらい残るから、それをどうするか」ってことですね?
ナレーターやまだひさし
そうです。
一つ目の選択肢は「なるべく会社にお金を残さないように、役員報酬を高く設定しておく」
工場長西村豪庸
たくさん役員報酬を貰って、1000万円を自分で取るパターンね。
ナレーターやまだひさし
二つ目は「なるべく会社にお金を残すよう、できる限り役員報酬を貰わない」
三つ目は「会社と個人で大体半分ずつぐらい、500万円ずつぐらいになるように設定する」
さあ、三つの選択肢のうち、ヒデちゃんならどうしますか?
工場長西村豪庸
やっぱり「ラジアンリミテッドに500万円の広告費を払って、500万円で俺にコンサルを依頼する」じゃないですかね。
ナレーターやまだひさし
今出した三択のうち、どれでもないですね 笑
役員報酬額を途中で簡単に変えられない理由
工場長西村豪庸
「役員報酬は、1年に1回しか変えられない」
なんてよく言われてますけど、細かく言うと、これは違います。
ナレーターやまだひさし
そうなんだ。
工場長西村豪庸
正しくは「変えてもいいけど、役員報酬を上げると損金にならないことが多い」です。
まず、なんで変えられないかっていうところから説明すると、役員報酬は一般社員の給料と違って、経営陣の報酬です。
「今月は、100万円売り上げた一般社員が50万円給料をください、来月は300万円売り上げた社員が150万円ください…」
っていうのを全部取りまとめて、平均をとると、自分はいくら取れるかっていうことを考えるのが経営陣の仕事なので
「経営陣たるもの、1年間ぐらいの経営状況は考えた上で経営しんしゃいよ」っていうことなんですよ。
ナレーターやまだひさし
役員なんだから、社員みたいな感覚はやめなさいということなんですね。
前提が全然違った。
工場長西村豪庸
「5年間変えちゃいかん」とは言わないから、せめて決算のときに、1年の計ぐらいは立てておけということです。
「今年は多分、3000万円ぐらいの利益が出るから、そのうちの1000万円ぐらいを役員報酬で貰っちゃおうかな」
ぐらいのことは、考えて経営しなさいっていう考え方なので、基本的には決算月から3ヶ月間しか変えられないんです。
だから
「今年は、役員報酬を1000万円で決めたんだけど1億円の利益が出て、このままだと税金をすごく持ってかれちゃうから、役員報酬を3000万円取ることにします。」
っていうのは
「役員報酬は1000万円のつもりだったんでしょ?
3000万円取ってっちゃったのはいいけど、その余分に出ていった2000万円に関しては、経費として認めないからね」
って言われるから、ダメなんです。
ナレーターやまだひさし
「そんなに儲かると思っていなかったでしょ」っていうことですね。
工場長西村豪庸
そう。
認められるのは、あくまで利益を出すための経費なので、税金を払わないための経費、要するに経費のための経費は認められていないんです。
例えば、車を買うのも「車を買って、節税をする」っていう経費が認められているんじゃなくて「タクシー代より安いんだもん!」っていう経費が認められているんです。
接待交際費に関しても「チャンネーとご飯を食べて、接待交際費にできるんだもん!」っていうことじゃなくて「取引先の人とご飯を食べて、仕事がもらえるんだもん!」っていう経費なんです。
ナレーターやまだひさし
「そこで利益もうんだもん!」っていう経費なんですね。
工場長西村豪庸
利益を生むため、もしくは経費を削減するための経費なんです。
それを経費として計上できて、税金が安くなるのであって
「1000万円の役員報酬を取ろうと思ってたんだけど、すげえ利益が出たから、あと2000万円ぐらい取っても良いと思うんだよね」
って言って、報酬を上げた場合は、
「損金不算入だから、経費と認めないよ」
って言われるんです。
ナレーターやまだひさし
報酬額を変えてもいいけど、損するよってことか。
途中で役員報酬額を変える方法
工場長西村豪庸
どうしても報酬額を変えたいならば、決算月を変えてしまうっていう方法もあります。
1年に1回しか報酬額を変えられないんじゃなくて、決算月から3ヶ月間変えられるから「やべっ!」って思ったら、3ヶ月とか5ヶ月で1回決算すれば良いんですよ。
ナレーターやまだひさし
これは知らなかったです。
決算は、1年に1回だけなんだと思ってた。
工場長西村豪庸
極端な話、決算費用が死ぬほど掛かるけど、毎月決算したって良いんです。
ナレーターやまだひさし
最長1年に1回っていうだけで、短い期間で決算したかったらご自由にどうぞってことか。
工場長西村豪庸
決算を12ヶ月より長くするのはすごい難しいんですけど、短くするのは簡単ですから。
ナレーターやまだひさし
実は簡単なんですね。
それも知らなかった。
工場長西村豪庸
「1年に1回しか変えらないんですか?」
っていう質問に対して
「イエスでもあり、ノーでもある」
っていうのは、役員報酬を決めてた額より上げようと思ったときでも方法はあるし、変えても経費にはならないけど、決算をしないで変えることもできるからです。
ナレーターやまだひさし
自由に変えてもいいけど、みんなそれをやらないですもんね。
工場長西村豪庸
逆に、経営悪化によって役員報酬を下げる、もしくは貰わないっていうのは、当たり前に起こることなので全然できます。
ナレーターやまだひさし
会社が傾くかもしれないし、経営状況が悪いときに、役員が報酬を貰ってられないもんね。
工場長西村豪庸
じゃあ実際に、いろんなもの払ったあとに1000万円ぐらい残るってなったとき、次に考えなきゃいけないのは、その会社と自分をどうやって運営していくかなんです。
会社をどんどん大きくしてお金を借りるんだって思うなら、役員報酬がどんなに高くても、決算が良くなかったら会社でお金を借りれないんで、極端な話ですけど、会社にフルで残した方が良いですよね。
ナレーターやまだひさし
自分にはお金が入ったかもしれないけど、結果的には会社でお金を借りれないってことになりますもんね。
工場長西村豪庸
逆に
「この会社に関しては何の愛着もねえし、俺はひたすら自分しか信じない」
と思っているなら、全部を役員報酬に振った方が良いですよね。
でも、手残りをできるだけ良くしたいっていうときに、税理士の先生が計算してくれると思いますけど、所得が400万円までの会社は実効税率がめちゃくちゃ低いんですよね。
例えば、400万円を会社に残して、600万円を年収として取ったら、どっちも実効税率が10〜15%ぐらいで済んじゃうんですよ。
そうすると、会社と個人で合わせた手残りが800万円〜900万円ぐらい残る会社になると思うんです。
手残りを重視するのか、会社の成長を重視するのか、とにかくこの会社からは個人資産を充実させることを重視するのか、何を重視するかによって、お金の振り分け方は変わりますね。
社員の士気を上げるには
ナレーターやまだひさし
例えば
「創業したてでお金がないけど、従業員の給料を下げちゃうと士気も下がっちゃうから、従業員の給料を優先にして、経営者の取り分を後回しにする」
みたいな、社長の給料は一般従業員の給料よりも低く設定するぐらいの気概って必要なんですかね?
工場長西村豪庸
社員と社長のタイプにもよりますよね。
ちゃんと儲かってて、ほんとに豊かでないと安心できないっていうタイプの社長、社員もいれば、逆に「社長にあんだけ我慢させてるから、俺たちで一生懸命頑張って盛り立てようぜ」みたいのが好きな社員もいますし。
ナレーターやまだひさし
インスタイルは、どっちですか?
工場長西村豪庸
インスタイルは、僕が1人でウハウハな状態です。
お前のものは俺のもの、俺のものも俺のもの。
ナレーターやまだひさし
誰がそんな社長についてくんねん 笑
でも、かっこいい理想の社長像ってありますからね。
ヒデちゃんは高級車も好きですし、それを見て「俺も、ああなりてぇな」とか「俺もあの車買いてぇな」とか、士気が上がってる社員っていると思うんですよ。
工場長西村豪庸
ほんとですか?
週に1回くらいは、10円パンチされてますよ。
ナレーターやまだひさし
それは社員ではないでしょ!
社員だとしたら、なんで会社にいるんだそいつ 笑
僕はやっぱり、理想の社長像を見せてくれる方が好きなタイプなんですが
「俺の給料はこんな安いのに、何で西村はあんな車乗ってんだ」
と思う社員もいますもんね。
工場長西村豪庸
きっとね。
だから、それはバランスじゃないですか?
ただ、うちの場合は「俺が好きに稼いで好きに使って、何が悪いの?」っていうスタンスですし、別に従業員の給料も低いとは思わないですし、好きに稼いで好きなだけ使ってるやつもいるんでね。
ナレーターやまだひさし
社長をどんどん作り続けてる会社だったりすると「もし憧れてるなら、なればいいと思いますよ」っていう話だし、社長のなり方は教えてあげれるしね。
社長と社員の給料は同じ方が良い?
ナレーターやまだひさし
ヒデちゃんが、一番最初にカフェをやり始めたときの給与設定はどうでした?
工場長西村豪庸
当時は、みんなと一緒の給料が良いと思ってたんですよ。
ナレーターやまだひさし
俺だけ取っちゃうのもかっこ悪いし、やっぱりそこは平等がいいよなと思っていたんですね。
工場長西村豪庸
でも考えたら、それって共産主義なんですよ。
ナレーターやまだひさし
競争もないし、お互いが切磋琢磨し合わない環境ですね。
工場長西村豪庸
今思えば間違ってましたけど、俺はリスクと責任を取ってるのに、給料をキレイに割っちゃったんですよ。
何もしてないのに高給を取る社長は問題がありますけど、リスクとリターンはちゃんとバランスするべきだし、責任を取ってる分、ちゃんと給料も取っておくべきだと思います。
ナレーターやまだひさし
「社長はリスクを取っている分、社員よりも多く給料を取る」とちゃんと伝えれば、社員だって納得してくれると。
工場長西村豪庸
昔は、給料はみんな一緒の方が良いと思ってたし、なんだったら自分の給料を下げても良いと思ってたけど、それって共産主義だから未来がないんですよ。
それなら自分が先頭切って、ブレイクスルーしてって
「まず俺が年収1000万円、3000万円、1億円になるから、お前らもついてきてくれたら、自然と3000万円、5000万円、1億円になるじゃん」
っていう方が、ずっと一緒に同じ年収で留まってるより、全然良いんですよね。
ナレーターやまだひさし
その方が目標も明快だし
「僕らも同じ景色が見たいんで、よろしくお願いします!」
って、みんなで上がっていった方が良いですもんね。
工場長西村豪庸
まずは、俺がブレイクスルーして
「1億円を稼げるようになったから、お前も行ってみ」
って言って、1億円までいかなかったとしても、8000万円とか5000万円くらい稼げるようになったらめっけもんじゃないですか。
みんなで300万円とか500万円の年収でずっと一緒にやってるより、良いと思うんですよ。
ナレーターやまだひさし
「まずは1億円稼ぐところまで行きたいから、手伝ってくれ」って言う方が明快ですね。
工場長西村豪庸
気に入らないって言うんだったら、それはそれでいいし。
ナレーターやまだひさし
逆に、ブレイクスルーしても社員の給料が変わってなかったら
「『あの景色まで一緒に連れてって』って言ったのに、なんだよあいつ」
ってなるだろうけど。
工場長西村豪庸
そうなったときには、もう無理でしょうね。
ナレーターやまだひさし
一緒に給料が上がっていってれば誰も文句は言わないし、会社を大きくしようとしたら、本来はそうあるべきなんでしょうね。
工場長西村豪庸
合う人もいるから間違ってるとは言わないですけど、僕はダメでしたね。
ナレーターやまだひさし
同じ給料のほうが良いっていう集団もあるけど、今のヒデちゃんはそのスタイルではやってないんですね。
西村工場長の収入は、社員全員が見れるようになっている
ナレーターやまだひさし
西村さんは、今いくら稼いでるかを社員に聞かれたら、教えるタイプですか?
工場長西村豪庸
うちは、僕のプライベートカンパニーまで決算書を開示してるから、僕がいくら稼いでいくら売り上げてるかまで、みんな知ってますよ。
ナレーターやまだひさし
みんな知ってるということは、僕も見れるんですか?
工場長西村豪庸
見ようと思ったら、見れますよ。
ナレーターやまだひさし
へえ。全然知らなかった。
僕が西村さんの決算書を見たら、心拍数が上がったりしないですか?
工場長西村豪庸
別に大したことにはならないと思いますよ。
ただ、昔は会ったときにジュース奢ってくれたやまださんが、次から奢ってくれなくなるだけです。
ナレーターやまだひさし
絶対に奢らないだろうな 笑
工場長西村豪庸
アハハハ!笑
「あれ? やまださん、昔は缶コーヒー投げてくれたのに、最近『ヒデちゃん、小銭』って言うようになったな」みたいな。
ナレーターやまだひさし
「ヒデちゃん、小銭」って、最悪じゃないですか!笑
工場長西村豪庸
「お前らはひたすら、低い賃金で頑張れ。
俺は、お前らからピンハネした金で幸せになる」
っていう状態だったら、開示はしないでしょうけど、自分で稼いでみんなを食わせてるし、別に後ろめたくないので開示していますね。
ナレーターやまだひさし
決算書は、結構前から開示してるんですか?
工場長西村豪庸
はい。
ナレーターやまだひさし
社員でも開示してる人はいますか?
工場長西村豪庸
はい。
社長も含めて、全員「今年は頑張っていくら売ろうね」っていう数字がありますから。
ナレーターやまだひさし
それは、良い効果を生んでいますか?
工場長西村豪庸
いや、知りません 笑
良い悪いを含めて、何となく空気感を読みながら調整してます。
ナレーターやまだひさし
売り上げが良かった場合、当然ながら役員報酬も上げていくと思うんですけど、そうすると社長の給与と従業員の給与の格差が広がることもあるじゃないですか。
工場長西村豪庸
売り上げも利益もどんどん上がって、従業員は1万円ずつしか昇給しないけど、社長は50万円、100万円と昇給していくみたいなことですよね。
ナレーターやまだひさし
社員も、これは仕方ないことだと納得するものなんでしょうか。
ヒデちゃんは、社員からそういうクレームが来たことはありますか?
工場長西村豪庸
俺に関しては「陰口にしてくれ」って言ってるんで、僕は直接はないですね。
陰口なら、何も起こってないことになるんで。
ナレーターやまだひさし
アハハハ 笑
聞こえなきゃいいんだ 笑
工場長西村豪庸
聞こえなきゃ、俺はみんなと仲良しなユートピアだと思って生きてられる。
ナレーターやまだひさし
でも、実際それでバカバカやめていく社員がいないわけですから、きっとそこの信頼関係は強固だっていうことですよね。
工場長西村豪庸
だといいですね。
内部留保を従業員数で割ると、思っているよりも少ないことが多い
工場長西村豪庸
「今年はボーナスが出ないのに、会社には内部留保がこんだけあるじゃないか」
みたいな話をたまに聞くんですけど、冷静になって考えるとそんなにお金があるわけじゃないことが多いんですよね。
例えば、社員100人の会社で内部留保が1億円あるとして、全員に30万円のボーナスを出したら、3000万円を支払うことになるので内部留保が7000万円になるじゃないですか。
「ボーナスを出しても、1億円が7000万円になるだけじゃないか」
って思うかもしれないけど、冷静になって考えると、1億円を100人で割ったら1人100万円なんですよ。
内部留保が1億円あるって聞くと、一見すごい分厚く見えるけど、1人に直すと100万円の貯金しかないんです。
みんな、貯金100万円くらいはあるでしょ?
会社にはそれくらいしかないんですよ、びっくりするでしょ?
ナレーターやまだひさし
家賃を払って、ちょっとどこかに行ったら、結構すぐになくなっちゃう金額ですね。
工場長西村豪庸
従業員数で割ってみると、内部留保ってびっくりするぐらい薄いんですよ。
1人8万円みたいな会社も、全然ありますからね。
ナレーターやまだひさし
もしかしたら、3ヶ月目の給料を払えなくなっちゃうなんてことが、あるかもしれないですね。
工場長西村豪庸
全然あると思いますよ。
給料が20万円、30万円の社員からすると、1億円の内部留保ってすごく大きく見えて
「こんなに内部留保があるなら、もうちょっと還元してくれてもいいじゃないですか」
って思うんだろうけど、社員が100人、200人いると、1億円なんて吹けば飛んじゃう金額なんですよね。
ナレーターやまだひさし
結構自転車操業だったりするし、大きな投資もできないっていうことを、社員にうまく伝えられればいいですよね。
工場長西村豪庸
そういう理由も含めて、うちは決算書が読める社員や社長を増やしてるんです。
ナレーターやまだひさし
そういうコミュニケーションをちゃんと取るなり、決算書を開示するなりしておかないと、そういう勘違いが起きるからね。
でも、最終的に社長になろうと思っていないから、決算書を開示されても見ようともしないし、学ぼうとも思わない社員も当然いるでしょうし、経営者と社員の間にはそういった温度差が結構あるじゃないですか。
工場長西村豪庸
それは自分の選択次第だし、やりたいやつはやればいいし、やりたくないやつはやんなくていいと思いますよ。
ナレーターやまだひさし
社長になるチャンスは作ってるし、あとは自由選択ということですね。
バックグラウンドにある思いや、意思決定のプロセスを社員に共有しておく
ナレーターやまだひさし
お給料って一度上げると、今度は下げづらくなるじゃないですか。
工場長西村豪庸
そうなんですよね。
ナレーターやまだひさし
これだけの数の会社を経営してるから、1回くらいは下げた経験がありますか?
工場長西村豪庸
下げたことは、多分ないと思います。
ナレーターやまだひさし
ってことは、目論見を立てるのが本当に上手いんだね。
工場長西村豪庸
でも、一番最初の社員には
「ごめん。 昇給するけど、ピンチになったら下げっかもしんないから、それだけは言っとくね」
って言ったりもしましたね。
そういうのって大事じゃないですか。
ナレーターやまだひさし
嘘なく、伝えてきたんですね。
何の前触れもなく下げられるよりは良いですからね。
工場長西村豪庸
そういうコミュニケーションは、取ってきた方かもしれないですね。
この1、2年で、やっと自分の机をオフィスに置くようになりましたけど、社員がすごい少ないときから
「オフィスって金を生まないから、100万円のオフィスを10人で借りるぐらいなら、みんなの給料を10万円上げた方が良いし、俺んちで良くね?」
みたいな話ばかりしてたんですよ。
そういうバックグラウンドにある思いや、意思決定の経路、プロセスは共有してきた方だと思います。
ナレーターやまだひさし
共有しておくことによって
「大丈夫ですよ、社長。 そういうときもありまっせ」
って言える関係性になれれば、万が一給料を下げたときにも理解してもらえる。
工場長西村豪庸
だから、給料を下げるときに、僕がフェラーリに乗ってることはないですね。
ナレーターやまだひさし
それは、ほころびますもんね
結果、今のところは社員の給料を下げたことはない?
工場長西村豪庸
でも、人って都合の悪いことって忘れるじゃないですか。
「おいおい、俺全然下げられたことあんぜ」っていうクレームは、社長工場のお問い合わせまで。
ナレーターやまだひさし
「社長工場 減俸係」まで。
工場長西村豪庸
笑
ナレーターやまだひさし
でも、そういうコミュニケーションがきっちりとできているかどうかって、本当に重要だよね。
本来ならば、ストライキのようなものは起きてほしくないですからね。
工場長西村豪庸
そうなったら「じゃあ、俺も行かねえよ!」って、俺もスト仕返すね。
ナレーターやまだひさし
来なくなるんだ 笑
工場長西村豪庸
「労働者の権利を守れ!」っていうプラカードに対して、俺も「経営者の権利も守れ!」っていうプラカードを持つ。
ナレーターやまだひさし
でも、インスタイルグループはそうなってないもんね。
理想的な企業母体になってきていますね。
工場長西村豪庸
そうですね。
僕は気に入ってますし、それを気に入る人が一緒にいりゃいいです。
ナレーターやまだひさし
これは、時代が変わったことも関係してますか?
もっと前だったら、こんなような形態は作れなかったんじゃないでしょうか?
工場長西村豪庸
僕は変わってないんですけど、だいぶ受け入れられやすくはなりましたね。
最近はホラクラシー経営とか言われてるけど、俺はずっとこういう経営をしてて、それがやっと世の中的にも市民権を得てきた感じです。
スーツを着ずに私服で出社するとかも、最近になって受け入れられやすくなってきましたけど、僕は20年前からそうじゃないですか。
ナレーターやまだひさし
昔はそんな人、ほぼいませんでしたもんね。
工場長西村豪庸
だけど私服で出社も、もうすっかり市民権を得たじゃないですか。
ナレーターやまだひさし
そうだね。
もちろん、ない袖は振れないでしょうけど、社長がちょっと見栄を張らなきゃいけない場面もあったりするから、最初は肝心かもね。
工場長西村豪庸
難しいですけどね。
ナレーターやまだひさし
どうか、皆さんも頑張ってみてください。
困ったり悩んだりしたときには、社長工場にお問い合わせください。
工場長西村豪庸
グループ社員で減給されたって人は、社長工場の公式じゃなくて、俺に直接ラインをくれ。
工場長西村豪庸
ありがとうございました。