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第82回「お金持ち VS 信用持ち」

お金と信用、どちらが大事?

目次
    トピックス一覧
  1. お金と信用、どちらが大事?
  2. 紙幣自体にはほとんど価値がない
  3. お金は、信用の単位に過ぎない
  4. 信用調査会社の調査には応じるべき?
  5. 信用を貯めるには
  6. 西村工場長は、相手の何を見て信用するのか
  7. 信用があれば、お金はあまり必要ない

読むポッドキャスト 第81回「西村豪庸の『社長工場』」

ナレーターやまだひさし

「西村豪庸(にしむらひでのぶ)の『社長工場』」!!

こんにちは、やまだひさしです!
ポッドキャスト番組、西村豪庸の社長工場では、インスタイルグループの代表を務める経営コンサルタントの西村豪庸さんが、ビジネス、経営に関することを独自の視点で解説していきます。

西村さん本日もよろしくお願いします。

工場長西村豪庸

お願いします。

ナレーターやまだひさし

今日のテーマは「お金持ち VS 信用持ち」

いいですね、僕こういうテーマ大好きです。

「世の中、お金がすべてじゃない」なんて意見もありますが、僕はハッキリ言いますよ。
世の中、お金がすべてです!

結局、お金さえあれば、犯罪を犯しても海外に逃げることができるって証明されましたから。

工場長西村豪庸

ゴーンできますからね。

ナレーターやまだひさし

あのニュースを見たとき、僕も口が開いたまま閉じなくなりましたよ。
ずっと、そうじゃないと信じてきましたけど「世の中、お金がすべてなんだ」と思いました。

この国は、金さえあれば海外へ逃亡できちゃうんですよ。
何百億円の金を貯めて、プライベートジェットを用意して、大きな楽器の箱を用意しておけば、あとは何をやったって逃げられる国なんです。

間違ってないですよね?

工場長西村豪庸

あの事件のせいで、プライベートジェットの荷物検査とかだいぶ厳しくなったんで 笑

ナレーターやまだひさし

対応が遅いだろ、関西空港 笑
あんなに簡単に国外に出れちゃダメでしょう。

工場長西村豪庸

その理屈だとやまださんは、テロリストのせいで空港のイミグレーションとか、荷物検査に時間がかかるようになったことに対しても、文句を付けちゃダメですよ。

ナレーターやまだひさし

今、アメリカの荷物検査はすごいことになってますね。
この間も大渋滞になっていて、3時間くらいかかりましたよ。

工場長西村豪庸

あれが正しいんじゃなくて、やったやつが悪いでしょ?

ナレーターやまだひさし

やったやつが悪いよ。
けど、あの人はもう戻ってこないよ。

工場長西村豪庸

ゴーンですからね。

ナレーターやまだひさし

行っちゃったね、絶対に戻ってこない。

パスポートも何枚も持ってるみたいですし、あれができちゃうんだったら「世の中お金がすべてだ」ってなっちゃうよ?

工場長西村豪庸

でも、やまださんもレバノンのパスポート持ってましたよね?

ナレーターやまだひさし

いや、持ってないです 笑

お金と信用、どちらが大事?

ナレーターやまだひさし

「お金で買えないものは、ほとんどない」

という意見もありますが、お金がなくても信用さえあれば、銀行や知人からお金を借りることもできるし

「信用も、お金と同じくらい大事なんじゃないか」

と言う人もいます。

さあヒデちゃん、お金と信用、どっちが大事ですか?

工場長西村豪庸

金…金だよ…。

ナレーターやまだひさし

カイジだカイジ、藤原竜也が来ちゃった 笑

インスタイルグループの長が、それを言っちゃダメでしょう。

工場長西村豪庸

アハハハ 笑
信用ですね!

ナレーターやまだひさし

そうですよ、やっぱり信用がないと。

工場長西村豪庸

そもそも「お金と信用どっちが大事ですか」っていう質問自体が、若干ナンセンスな気がしますよね。

ナレーターやまだひさし

ヒデちゃんが言いたいのは「そもそも信用がないと、そんなに生きたお金貯められないよ」っていうことですか?

工場長西村豪庸

それもそうだし、そもそもお金って、信用の単位なので。

ナレーターやまだひさし

信用が少し形を変えて、分かりやすいものになっているんですね。

紙幣自体にはほとんど価値がない

工場長西村豪庸

昔はお金じゃなくて、物々交換で成立していたじゃないですか。
でも「物々交換だとかったるいし、食べ物だと腐っちゃう」ってなって、代わりに石や珍しい貝殻と交換するようになったんですよね。

それが、あるときからは金貨になって、あるときからは紙幣に変化したわけです。
でも、紙幣はそれまでの金貨や珍しい貝殻とは違って、それ自体には価値がないんです。

それまで使っていた金貨とかは、マテリアルにも価値がありましたけど、紙幣はただの紙切れなので。

ナレーターやまだひさし

そうね、そもそも希少価値の高いものを使ってたし。

工場長西村豪庸

金貨が通貨だったときは「金貨自体に価値がある」ってみんなが認めて、共同幻想を抱いていたから成立していたんですけど、紙幣が流通してからは、さらにそうなったんです。

紙幣が使われるようになった当初、紙幣を発行するときは、同等の金塊を中央銀行に保管しなければならなかったので、1億円の紙幣価値は1億円分の金塊というレアマテリアルが担っていました。

ナレーターやまだひさし

ある意味、等価交換だったんですね。

工場長西村豪庸

そうです。

「1億円分の金塊と、いつでも交換できるわけだからレアでしょ?」
「ただの紙切れじゃなくて、1億円分の金塊といつでも交換できる紙切れなんだから信用してね」

っていう担保があったんです。

ナレーターやまだひさし

金塊の代わりに、その紙切れを使っててねってことですね。

工場長西村豪庸

でも、今の紙幣の担保は国債が担っていて、紙幣を発行するときは金塊ではなく、同額の国債を担保に置くようになりました。
つまり、担保が1億円分の金塊ではなく、1億円分の国債に変わったんです。

例えば、やまださんがやまだ国で「やまだ券」っていう通貨を発行して、今までは金塊だったやまだ券の担保が、突然「やまださんの借用書」に変わり、やまださんの保証人が、金塊からやまださんに変わったんです。

ナレーターやまだひさし

そう考えると、大変なことになってるね。

工場長西村豪庸

何が言いたいかっていうと、そのぐらい共同幻想の上に共同幻想を重ねてるということです。

お金は、信用の単位に過ぎない

工場長西村豪庸

例えば「やまだ教」「にしむら教」を立ち上げて、それぞれの国でしか通用しない「やまだ円」「にしむら円」という通貨を作るじゃないですか。

「その通貨の価値は、何が担保しているの?」って言ったら、レアメタルでもアメリカの国債でもなくて「西村豪庸のサイン」とか「やまだひさしの証明書」って言ってる時代なわけです。

これが大きくなったのが日本教、アメリカ教、ユーロ教なわけじゃないですか。
だから、アメリカの方が信用できるってなったらドルが上がるし、日本の方が信用できるってなったら円が上がる。

ナレーターやまだひさし

いや、これはある意味怖いね。

工場長西村豪庸

「お金と信用どっちが大事?」

って聞かれても

「いや信用でしょ? お金は単位だから」

ってなります。

ナレーターやまだひさし

そうだね、形は紙幣に変わっているけれど。

工場長西村豪庸

信用の単位がお金なわけだから

「お金と信用どっちが大事?」

っていう質問は

「水とリットルどっちが大事?」

って言っているのと同じです。

信用調査会社の調査には応じるべき?

ナレーターやまだひさし

「クレジットカードの支払いが滞っちゃうとブラックリストに載る」って言われてますけど、 ヒデちゃんは「若い頃にクレジットカードを作っちゃったけど払えなくなった」だとか、支払いを滞納したことはありますか?

工場長西村豪庸

あります。

ナレーターやまだひさし

じゃあ、信用が下がったこともあったってことですか?

工場長西村豪庸

そうですね。

ナレーターやまだひさし

大きな会社と新規取引を行う際『帝国データバンク』とか『東京商工データ』などの信用調査会社にリサーチされることがあるそうなんですが、これって本当に審査しているんですか?

工場長西村豪庸

審査してますし、うちにも調査にきますよ。

ナレーターやまだひさし

これは、断れないものなんですか?

工場長西村豪庸

全然断れますよ。
僕は今まで、ずーっと断ってました。

ナレーターやまだひさし

断ることはできるんですね。
ただ、相手にしてみれば、そこでの調査結果が信用につながることもあると。

工場長西村豪庸

大きい会社だったら、そういう会社がほとんどですね。

大きいデベロッパーが扱うオフィスとかだと、入居審査のときに

「帝国データバンクで一定以上のスコアになってないと、入居させません」

みたいなルールを設けてたりしますしね。
いちいち自分たちで決算書とか見て審査なんて、面倒臭くてしてられないじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

だから、こういう信用調査機関に「客観的な数値を教えて」って頼んでるってことですか。

工場長西村豪庸

そうそう。

大きい不動産屋が大きいテナントに貸すときって、一応審査を厳しくしないといけないじゃないですか。
だけど決算書などの資料を、全員が読めるわけではないんですよ。

そういうときに、帝国データバンクか東京商工リサーチのどちらかのデータを見て「スコアが何点以上だったら貸していいけど、それ以下だったら貸しちゃダメよ」ってしてるんですよ。

ナレーターやまだひさし

調査機関の人たちは、勝手に数字をみて、データを吐き出すことでお金をもらってるってことですか。

工場長西村豪庸

そうです。
それで借り入れの評価が変わったりもするから、まあまあ力があるんですよね。

ナレーターやまだひさし

若干、余計なお世話感ありますけど、すごいですね。

工場長西村豪庸

そうですね。

僕も

「なんで、てめーらの食いぶちのためにわざわざ決算書を開示して、その上お前らに会費を払わなきゃいけねーんだよ」

って思う気持ちもありますけど、最近は調査機関のスコアを重要視する人と付き合わなきゃいけないグループの社長も増えたから、そうも言ってらんないなと思って開示するようになりました。

ナレーターやまだひさし

必要経費だと。

工場長西村豪庸

そうですね。
今までは、自分のことだけを考えれば良かったから、そのスタンスでよかったんですけど、今は自分が持っているある程度の会社のデータを開示して「ここの会社が保障してるからいいでしょ?」って言えるようにしています。

ナレーターやまだひさし

そうすることによって、調査機関のスコアを重要視している人に対しての信用が貯まっていきますからね。

信用を貯めるには

ナレーターやまだひさし

信用を貯めるには、どうすればいいんですかね?
すぐにできることじゃないですよね。

工場長西村豪庸

昔から「信用を築くのは10年かかるけど、壊すのは1日でできる」って、よく言われますからね。

ナレーターやまだひさし

なんなら1時間でも終わっちゃいますもんね。

僕、以前家を買おうと思って、メガバンクにローンを組みに行ったことがあるんですが、僕らがやっている芸能の仕事はほぼ水商売と言われていて、ローンなんてほとんど通らないんですよ。

ダメ元で行ってみたんですけど

「やまださんはTOKYO FMで月曜から金曜まで、生放送を10年以上続けられているので、ローンを組めます」

と言われたんです。

顔を見たらすぐにわかるほど有名で、1年間に休みがないような芸人さんでも、レギュラー番組がないと銀行としては信用できないそうで、 僕は年収だけ見たらその人達よりも低いけど「10年間レギュラー番組をやっている」ということで銀行としては信用してくれるみたいです。

工場長西村豪庸

だって、その年だけ返済してもらうわけじゃないですからね。

ナレーターやまだひさし

とはいえ、僕の仕事も終わる可能性があるじゃないですか。
たまたま今はラジオを20年やってますけど、突然終わるかもしれないんですよ。

工場長西村豪庸

「一発屋にお金貸したらコゲ付きました」

って言っても誰もフォローしてくれないけど

「レギュラー番組を10年間続けてきた人に対してお金を貸したら、11年目で突然番組がなくなっちゃったんですよ」

って言ったら

「それはしょうがないね、わかんなかったもんね」

ってなるじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

一発屋に貸すよりは、味方してくれる人も多いよってことですね。

西村工場長は、相手の何を見て信用するのか

ナレーターやまだひさし

ヒデちゃんは今、エンジェル投資とかもやってるじゃないですか。
やっぱり「信用できる相手なのか」という点も見ますか?

工場長西村豪庸

見ますね。

ナレーターやまだひさし

もしその信用に足ると思えば、お金がなくても投資しますか?

工場長西村豪庸

バランスですかね。

「お金がない」って言っても、今まで1円も稼いでこなかったわけなくて、100万円でも1千万円でもいいから稼いできたわけじゃないですか。

例えば「1千万円稼いできたけど、現金が1円もない」っていう人は、その1千万円を何かに使っているんですよ。

1千万円の家を買ったなら、決算書の資産の欄から現金が消えて、1千万円の家に変わってるだけだし、 1千万円分飲み食いして消えてたとしたら

「めちゃめちゃ飲食に詳しくなった」

とか

「めちゃめちゃ友達が多い」

っていう資産に変わっているのかもしれない。

要するに、お金や時間を使って「どの資産を積んでるか、どの信用を得られているか」を見ています。

ナレーターやまだひさし

そこで判断するんですね。

別に金がないからって投資をしないわけでもないし、逆に金があるからって投資をするとも限らないということか。

工場長西村豪庸

結局「その人が何と何をトレードしてきたか」じゃないですか?

人としてのBS(貸借対照表)ってわけじゃないけど、会社のBSのようにスコア化できるんですよね。

例えば、今まで1億円稼いできて、1億円すべてを車に使ったってやつは「車好きなんだろうな」って思うし、貴金属に使ったってやつは「貴金属好きなんだろうな」って思うし。

「今まで貯めた1億円を全部旅行に使ったから、もう世界中のグルメに関しては誰よりも詳しいよ」って言うんだったら、その人にはそれが資産としてのっているわけですよね。

「1億円ぜんぶ飲み代に使っちゃった」ってやつが、そう言っている割に友達が少なかったら「お前はほんとにただ飲んでいただけなんだな」って思います。

ナレーターやまだひさし

そういうことも、スコア化しようと思えばできるし、良い感じで仕事がコラボれそうだといいね。

工場長西村豪庸

そうです。
それをどう現金化するか、どうマネタイズするかが僕の仕事です。

信用があれば、お金はあまり必要ない

ナレーターやまだひさし

今日のテーマは「お金持ち VS 信用持ち」でしたが、この2つはバーサスではないんだな。

工場長西村豪庸

そうです。
だから、最初に聞いたときに「え?」って思ったんです。

ナレーターやまだひさし

むしろ手を取り合ってるというか、同じものというか…。

工場長西村豪庸

単位の一つでしかないし、信用がないからお金が必要なんだと思うんですよ。

例えばビルやマンションを借りるときに、信用が無限にありまくる人は、貸主から信用されているからお金があまり要らないんですよ。
信用されていれば「保証金? いいよいいよ」ってなるじゃないですか。

でも、信用がない人って家賃20カ月分、30カ月分の保証金を積んでも信用されなくて、お金がいくらあっても足りないんですよ。

ナレーターやまだひさし

「保証金払え」って言われるのは、信用がないからなんだ。

じゃあやっぱり、お金よりも信用が大事ってことなんですね。
ゴーンさんは逃げちゃいましたけど。

工場長西村豪庸

ゴーンさんは、かなりあった信用が一気になくなっちゃったじゃないですか。
あの状況で「信用を大事に」って言って、10年間の禊を終えて75歳で出てきたところでって話じゃないですか。

ナレーターやまだひさし

「もう二度と日本に帰ってこないし、信用が落ちたって言われてもかまわない」って割り切ってるんですね。
お金がないわけじゃないし、プライベートジェットもないわけじゃないし。
「あんなに稼がなきゃ、ゴーンさんもあんな人生を選ばなかったかもしれないのに」って思いますけどね。

工場長西村豪庸

あんなにって言うほど稼いでないですけどね。

総資産120〜130億とか、そんなもんじゃないですか?
そのうちの半分は株とかだから凍結されちゃうし、実質6、70億くらいしかないですよ。

あんだけやってたのに他のやつらよりも全然給料低いし、あんなことになって「むしろ被害者だ」って言う気持ちもわかります。

ナレーターやまだひさし

いきなりジェットとかで逃げないでね、ヒデちゃん。

工場長西村豪庸

大丈夫ですよ。
うちは株主も俺なんで 笑

ナレーターやまだひさし

社員の皆さん気を付けて。
大きな楽器ケースを見つけたら「あっ」って思ってね。

工場長西村豪庸

でも、ピアノ買ったの。

ナレーターやまだひさし

そんな箱があったらおかしすぎるから 笑

本日は「お金持ち VS 信用持ち」というテーマでしたが、お金と信用はバーサスではないということがわかりましたね。

私たちはやっぱり、一つひとつ信用を積み重ねていきましょう。
それしかできませんから。

工場長西村豪庸

すごい美しい締め方したな 笑

ナレーターやまだひさし

「西村豪庸の『社長工場』」
「毎週1000万投資」と題しまして、情熱を持った起業家へエンジェル投資も行なっております。

エンジェル投資の詳細は第7回第8回の放送をお聞きください。

また、番組への質問・ご意見は下記のお問い合わせフォームからお問い合わせください。

西村さん本日もありがとうございました。

工場長西村豪庸

ありがとうございました。

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