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第55回「特許を取るべきか?」

開発した商品を他社に真似されないようにするためには…

読むポッドキャスト 第55回「西村豪庸の『社長工場』」

    トピックス一覧
  1. 特許は取得した方がいいのか?取得しなくてもいいのか?
  2. どうやってQRコードが広まったのか
  3. 今の時代の特許の取り方
  4. "特許"と"著作権法"の違いは?
  5. 起業家が覚えておいた方がいいのは著作権?特許?商標?
  6. 商標登録が取れる名前と取れない名前
  7. 「ガッツリ」を全国に流行らせたやまださん
  8. 「マリオカート」VS「マリカー」

ナレーターやまだひさし

「西村豪庸(にしむらひでのぶ)の『社長工場』」!!

こんにちは、やまだひさしです!
ポッドキャスト番組、西村豪庸の社長工場では、インスタイルグループの代表を務める経営コンサルタントの西村豪庸さんが、ビジネス、経営に関することを独自の視点で解説していきます。

西村さん本日もよろしくお願いします。

工場長西村豪庸

お願いします。

ナレーターやまだひさし

今日のテーマは

「特許を取るべきか?」

少し前になりますけど『下町ロケット』などのドラマでも

「特許侵害にあたる…」
「特許申請をして…」


とか出てきてましたね。

商品開発をしてる経営者だと、必ず出てくる "特許" という言葉。

誰もが特許を取るべきか、悩んだことがあると思うので西村さんに質問です。

工場長西村豪庸

誰もが特許を取るべきか、悩んだことがあるのかな?笑

ナレーターやまだひさし

僕が小さいとき『醤油チュルチュル』の発明家、日本のエジソンと言われたあの人が有名になったとき。

工場長西村豪庸

あの人すごいんですよね。
特許を1000個くらい持ってて、フロッピーディスクとかもそうですよね。

ナレーターやまだひさし

今、日常で使われているいろんなもののルーツとなってるものは、彼の開発によるものが大きくてね。

工場長西村豪庸

すごいですよね。

ナレーターやまだひさし

当時は流行ったんですよ。
うちの父親とかにも「発明家になれ」って言われましたもん。

特許を持っておくと守られるというか、打ち出の小槌みたいなイメージだったので、ぜひ聞きたいわけです。

頑張って開発した商品を、他社に真似されないようにするためにも、できるだけ取得した方がいいのかどうかを、西村さんなりの観点から教えてほしい。

特許は取得した方がいいのか?取得しなくてもいいのか?

工場長西村豪庸

俺は基本的に、特許はあんまり必要ないと思ってます。

2つの側面から意味が無いと思っていて、1つは「広く使われて、上手いこと広まった方がいいじゃん」っていう考えがあるから。

ナレーターやまだひさし

少し時代が変わってオープンソースっていう言葉も出てきて、みんながデバックもやってカスタムして、成熟していくものもあるからね。

工場長西村豪庸

もう1つは日本の法律的に、特許を取って意味があることって少ないんですよね。

青色発光ダイオードみたいな大きいのは「取れば?」って思うんです。

今、新しい音楽を作れないのと一緒で、僕らが一般的に考えてるレベルの特許ってだいたいあるんですよね。

ナレーターやまだひさし

無から有を作る発明品なんて…

工場長西村豪庸

ビートルズの時代は新しい音楽ってあったかもしれないし、新曲ってこれからも作られると思うけど

「これはまったく新しい音楽だ」

って今は言われないのって、音楽にしろビジネスにしろなんでも、だいたい掘り起こされた後だからなんですよね。

ナレーターやまだひさし

そうなると、今の時代にあんまり則してないかもだと。

工場長西村豪庸

基本的には、あんまり意味がないと思ってますね。
真似されたくない人向けなんで。

別に僕は、真似されてもいいと思ってるタイプだし「みんなでやれば?」って思ってるから。

どうやってQRコードが広まったのか

工場長西村豪庸

特許は、ちょっと変えるだけで通っちゃうんです。
ビジネス特許とかもそうですけど、それが本当に有効だったら、全部の家電屋さんが同じポイントカードシステムを使ってるわけないじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

確かにそうね。

工場長西村豪庸

今はみんな同じようにポイント還元して、同じようなシステムを使ってるじゃないですか。

あの特許に意味があったら

「購入の10%還元はうちの特許だぞ」

って言って、戦えてるはずじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

でもそれってあんまり意味がないでしょ?

結果的に僕らのユーザー側の利便性で考えたら、そっちの方が不便じゃんってことになりかねない。

工場長西村豪庸

QRコードは、特許は取ったかもしれないけど使用料は取ってないんですよ。

だから儲かってないはずなんです。

特許料を取ってない、使用料を取ってないからみんなが好き勝手に使えて、デファクトスタンダードになりましたよね。

ナレーターやまだひさし

こんなふうに、みんなが享受できるようになった。

工場長西村豪庸

特許は取ったかもしれないけど、使用料を取って囲ってたら広がってないかもしれないですよね。

ナレーターやまだひさし

じゃあ難しいかもしれませんね。

今の時代の特許の取り方

工場長西村豪庸

今の時代、本当にコアな部分だけで特許を取るんですよ。

Amazonは確か、ECサイトのクレジットカード番号を覚える部分だけ取ってるんですよ。
そういう、コアな部分ばっかりなんですよ。

例えば僕らが「社長工場は、起業家がどうするかっていう話」だから、そこだけ思いついて特許を取ったとして、Amazonみたいな大企業がそのコアな部分の特許を取っとく。

それで

「使用料を払ってね」

みたいなのって、たぶんできないんで。
そうなると、大した効力は無いんですよね。

ナレーターやまだひさし

それに比べると特許を取るのも大変だろうし、時間も費用もかかるし。
もしかしたら維持費とかもってなると、割に合うのか?っていう。

工場長西村豪庸

ちょっとアホくさいかな?みたいな。

だから一部の科学者とか大きい会社とか技術者とかだったら分かるけど。

ナレーターやまだひさし

あまり社長工場の起業家だったり、代表が取るものではないのかな?

工場長西村豪庸

さっき言ったみたいに、ちょっと変えれば通っちゃうから抑止力もあんまりないんでね。

ナレーターやまだひさし

本当に侵害してるか検証もしなきゃいけないし、そういうやり取りをしてるのって不毛なんじゃないかと。

"特許"と"著作権法"の違いは?

工場長西村豪庸

著作権法が強いのが、180数ヶ国が登録してるベルヌ条約だったかな?
それに入ってて、著作権の考え方が世界的に統一されてるからなんです。

めっちゃ罰金がいったりとか

「著作権違反でしょ、著作権侵害でしょ」

ってなるから、耳のでっかいネズミはやたら強いんですよね。

ナレーターやまだひさし

そうなんだ、あれは特許じゃないんだ。
肖像権の侵害とかああいうやつか。

工場長西村豪庸

あのネズミの夢の国は、現実的な強さを持ってるんです 笑

ナレーターやまだひさし

みんなエライ大目玉を食らうのが分かってるから、簡単に侵害しない 笑

工場長西村豪庸

中国くらいですよ 笑

ナレーターやまだひさし

平気で着ぐるみを脱いで、そこら辺で飯食ってますからね 笑

なるほど、すごい分かりましたね。
特許ってことだけにこだわって、それを取ったところでそんなにビジネスの幅が広がるだとか、そういうイメージはしづらいかも。

起業家が覚えておいた方がいいのは著作権?特許?商標?

工場長西村豪庸

逆にガードするって話じゃないですけど、商標はありですよね。

ナレーターやまだひさし

商標登録?

工場長西村豪庸

自分のブランドでやったりとかもするので、これならありです。

極論弁護士や税理士にいちいち頼まなくても、自分でもできるので。

ナレーターやまだひさし

例えば僕で言えば、番組名とかそういったものでもいいんですよね。

工場長西村豪庸

そうですね。
あれは区分さえ分かって、人が書いてるのを真似すればできるので。

人の申請を見て書いて登録商標として商標にしてやると、商標侵害でちゃんと訴えられます。

不当利得返還請求とか、いろんなことができるから、商標の方がコスパがいいですよね。
自分で申請もできるし、安く登録できるし手間もそんなにかかんないし、書き方が分かりにくいわけでもないし、だけど強い。

※不当利得返還請求とは…法律上の正当な理由もなく利益を得て、他人に損失を及ぼした人から不正に取得した利益(お金など)を返還してもらうように請求すること

ナレーターやまだひさし

申請すれば、ちゃんと守ることもできる。

工場長西村豪庸

一方特許に戻ると、書き方は分かりづらいしやり方も分かりづらい。
だから、弁理士っていう弁護士とは別の、特許専門の人がいるじゃないですか。

コストもかかるし時間もかかるし、通るかも分かんない。
通ったら通ったで、たいして強くもない 笑

ナレーターやまだひさし

真似されることもあったりするし。

工場長西村豪庸

起業家が覚えておかなきゃいけないのは、著作権法、特許法、商標とかで言ったら

「商標は取るに越したことはないかな?」

みたいなのを、覚えておいた方がいいですね。

ナレーターやまだひさし

そうでしょうね。
会社名を決めるときだって、ちゃんと調べてないで商標登録を取られてる会社名うっかり付けちゃったら…

工場長西村豪庸

「商標ゴロ」なんていうやつもいるんで。

僕も何回かそれで戦って、なんとか勝ってたりするんです。
プレスリリースとかを出して、そのタイミングで商標を取ってなかったりすると、それを見てAモバイル、Bモバイル、Cモバイル…Xモバイル、Yモバイル、Zモバイル、みたいな感じに片っ端から取って

「こっちが先だ!」

って言うやつがいたりとか。

ナレーターやまだひさし

うわ、怖っ!

工場長西村豪庸

Aフォン、Bフォン、Cフォン…Fフォン、Gフォン、Zフォン、みたいな 笑

ナレーターやまだひさし

「うちが全部持ってるぜ」

みたいなこと言ってくるやつとか?

工場長西村豪庸

でも、こういう商標ゴロの対策とかもちゃんとあるんです。

ナレーターやまだひさし

ちゃんとしておかないとやっぱ大変なんだ。

僕は本名なんだけど、やまだひさし、ゆまだひさし、よまだひさし、とか全部取ってたら大丈夫かな?笑

工場長西村豪庸

大丈夫だと思います 笑

商標登録が取れる名前と取れない名前

工場長西村豪庸

日本酒の『十四代』ってあるじゃないですか。

あれは商標を取ってるんですけど、十一代とか十二代とか何代目って、当たり前にあるキーワードだから「水」とか「日本酒」が商標を取れないのと一緒で、普通は取れないはずなんだけど、十四代だけぽっこり取れたんですって。

ナレーターやまだひさし

すごい。
なんでだ?

工場長西村豪庸

確か、十一代、十二代、十三代、十四代、十五代、みたいに、高木酒造さんが出したんですって。

そしたら、十四代がぽこっと取れて。

ナレーターやまだひさし

それでそのまま商品名に?
すごい話。

工場長西村豪庸

でも普通は、今言ったみたいに取れないんですよ。

僕の友達の会社で『プレミアムウォーター』って会社があるんですけど、これは図表で取ってるんですよね。

ナレーターやまだひさし

へー!

工場長西村豪庸

プレミアムな水って、ちょっときついじゃないですか 笑
だから、ただ言葉だけでは取れなかったと思います。

ナレーターやまだひさし

そういうことか。
もしかすると、文章だけで提出してたら断られてたかもしれない。

工場長西村豪庸

「ウォーター」とか「エアー」とか「ゴールド」とか。

ナレーターやまだひさし

そういうものには、該当しないから。

工場長西村豪庸

「ダイヤモンド」とかも、たぶん無理だと思うんですよ。

でもそういう場合は、そのロゴで商標を取るんですよね。

ナレーターやまだひさし

そうなることで、通ってる場合もある。

守りたいものがあった場合には、ここにもやっぱりテクニックが要りますね。

工場長西村豪庸

『ダイエットブッチャースリムスキン』とかは、大丈夫だと思うんですよ。

ナレーターやまだひさし

偶然いるってことは、ほぼないし。

工場長西村豪庸

一般的な言葉でもないから。
強いて言えば「ダイエット」だけだったら、当然取れないでしょうけど。

ナレーターやまだひさし

でしょうね。
なるほど、これ面白い!

工場長西村豪庸

「ジーンズ」とか「デニム」っていう商標登録も、絶対できないと思います。

それで商標違反だとか言われたら、たまったもんじゃないじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

僕の番組のタイトルも「ラジオ」「アンリミテッド」の造語なんだけど『ラジアンリミテッド』だったら、取れるかもしれない。

でも「ラジオ」「アンリミテッド」じゃ取れないね。

工場長西村豪庸

「ラジオアンリミテッド」は、結構ギリかもしれないですね。

ナレーターやまだひさし

「ラジアンリミテッド」は、商標を取らずに20年やってきちゃったな…

工場長西村豪庸

先使用権って言って、先に使ってたっていうのが分かれば大丈夫です 笑

ナレーターやまだひさし

さすが法律に詳しい!
大丈夫なんだ!

工場長西村豪庸

もし商標ゴロが

「『ラジアンリミテッド』の商標を取ったから、俺に払え!」

って言ったところで

「先に俺が20年間使ってたのは、周知の事実ですから」

ってなるから。

「ガッツリ」を全国に流行らせたやまださん

ナレーターやまだひさし

一応調べてもらえば分かるんですけど、実は僕が日本全国で『ガッツリ』って言葉を流行らせたんですよ。

工場長西村豪庸

知ってまーす 笑

ナレーターやまだひさし

ガッツリの商標を取ってなかったんですよ!

工場長西村豪庸

それは諦めてください 笑
あれは方言だから、先使用権もクソもないですよ 笑

ナレーターやまだひさし

ないのか!
ガッツリをみんなが言う度に、チャリン、チャリン入ってきたらと思ったけど…笑

工場長西村豪庸

昔はね

「みんな、ガッツリ聞いてくれ!」

って言ったら

「なんだそれ!」

ってクレームが入ってたあの言葉が。

ナレーターやまだひさし

知ってたか…
ガッツリ © 付けたかったなー、ダメかー 笑

工場長西村豪庸

ダメダメ!
それは、はんなりに © 付けるのと一緒だから!笑

ナレーターやまだひさし

西村さんのグループ会社の中では、特許を持ってるところはないの?

工場長西村豪庸

ありますね。
LEDの会社は特許を持ってるはずです。

ナレーターやまだひさし

自分で特許を取ったことや、商標登録を自分で申請したことありますか?

工場長西村豪庸

うちの秘書が優秀なんで、自分では無いです 笑

ナレーターやまだひさし

商品開発を手掛けてる経営者さんは、こういったこともなるべく調べた方がいいかもしれませんね。

いい意味では守ってもらえるし、自分のものが残るからね。
愛情を注いで作ったものだったりするし、形をきっちりと残したいってのはあるでしょうね。

「マリオカート」VS「マリカー」

工場長西村豪庸

商標で分かりやすいのは「マリカー」ですよ。

ナレーターやまだひさし

マリオカートのマリカー?

工場長西村豪庸

今、観光客が乗ってる…

ナレーターやまだひさし

あ、外国人が乗ってるあれだ!

工場長西村豪庸

最近は「任天堂は無関係」って書いてるけど、あれはしっかり負けてるじゃないですか 笑

ナレーターやまだひさし

やっぱあれは、長年使ってきたものがどこかっていう判断が、ちゃんと下されちゃうわけだ。

いくら名前を変えたとしても

「マリカーってお前、マリオカートじゃん」と。

工場長西村豪庸

あれは別に、特許で戦ってないですよ。

ナレーターやまだひさし

でも侵害なんですよね。

あれはきっと「マリオカートに対しての侵害だ」っていう訴えが、ちゃんと成立させられてるってことですよね。

遊び心で

「お客さんがついて、ちゃんとビジネスになればいいじゃない」

って思う人が居るかもしれないけど、ルールがあるから調べておかないと大変だね。

工場長西村豪庸

例えば「ソニー」って名前で、SONY製品だと思わせて稼いだお金は「不当利益返還請求」って言って、全部返さなきゃいけなくなっちゃうんです。

ナレーターやまだひさし

やっぱりそんなに甘い話じゃないですね。

工場長西村豪庸

意外と世の中「天網恢々疎(てんもうかいかいそ)にして漏らさず」みたいなところもあるんですよね。

ナレーターやまだひさし

経営者たるもの

「はい、ごめんね」

じゃ済まないよってことだね。

工場長西村豪庸

特にSNSが発達して、チクリやすくなったので 笑

ナレーターやまだひさし

僕らも何気に「ちょっとコピペして変えるだけでいいんじゃないか?」って思ったりもするところも多いから。

ちゃんとやっておかないと、大変ですね。
皆さんも特許、そして商標登録、この辺の違いも含めて学んでみるのもいい機会かもしれませんね!

ナレーターやまだひさし

「西村豪庸の『社長工場』」
「毎週1000万投資」と題しまして、情熱を持った起業家へエンジェル投資も行なっております。

エンジェル投資の詳細は第7回第8回の放送をお聞きください。

また、番組への質問・ご意見は下記のお問い合わせフォームからお問い合わせください。

西村さん本日もありがとうございました。

工場長西村豪庸

ありがとうございました。

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