ただのデータを、価値ある情報にする方法
- 情報はどのように活用していけばいいのか
- 情報はそのままでは価値がない
- ただのデータを価値のある情報にする方法
- 西村工場長はどのように情報を精査しているのか?
- 西村工場長が通販で失敗した話
読むポッドキャスト 第106回「西村豪庸の『社長工場』」
ナレーターやまだひさし
「西村豪庸(にしむらひでのぶ)の『社長工場』」!!
こんにちは、やまだひさしです!
ポッドキャスト番組、西村豪庸の社長工場では、インスタイルグループの代表を務める経営コンサルタントの西村豪庸さんが、ビジネス、経営に関することを独自の視点で解説していきます。
西村さん本日もよろしくお願いします。
工場長西村豪庸
お願いします。
ナレーターやまだひさし
今回のテーマは「情報収集」です。
「新しい情報をいち早く入手したい!」っていう人は多いと思うんですが、そういった情報はどこで入手するものなのか? っていうのが、今日のテーマなんです。
ヒデちゃんはいつも新しいものを提案してくれたりしますが、どこで情報を得ているんですか?
工場長西村豪庸
俺はひたすら『週刊文春』から情報収集していて…
あと、さすがに週刊誌だけだと情報が遅いんで『東スポ』も読んでますね。
ナレーターやまだひさし
そんなわけない!笑
情報はどのように活用していけばいいのか
ナレーターやまだひさし
最近は、SNSやインターネットで簡単に情報が取れるようになりましたが、そういったところの情報って公平性が保たれている情報なのかとか、裏が取れている情報なのかとか、分からないことが多いじゃないですか。
工場長西村豪庸
昔、2ちゃんねるの創設者のひろゆきさんが
「嘘を見抜けないと、インターネットやネット掲示板を利用するのは難しい」
って言っていましたが、例えば比較サイトでも、純粋に商品やサービスを比較しているサイトなんてほとんど無くて、大体はアフィリエイトサイトだったりしますよね。
ナレーターやまだひさし
最近だと「食べログ3.8問題」が話題になってましたよね。
そうなると、僕たちは情報をどう活用していけばいいんでしょうか?
工場長西村豪庸
食べログがあることによって指針ができていることも事実なんだけど、一方で食べログって、影響力のある食べロガーと、影響力のない食べロガーが居て、お店の評価は全員の得点の平均値じゃないんです。
影響力のある食べロガーになるためには、食べログで高評価のお店にたくさん行って、そのお店に高評価を残さないといけないんですよ。
そこで高評価を付けると、食べログに
「俺らと考え方や価値観が一緒ってことだから、お前は信用できる」
って判定されて、影響力が上がっていくんです。
これが食べログの公然の秘密の1つなんですけど、そのアルゴリズムを知ってて食べログを見るのと、知らないで見るのとでは、違うじゃないですか。
ナレーターやまだひさし
どんなサイトであっても、公平性が担保されている情報かどうかを判断するには、ある程度そういった情報も持っていないといけないんですね。
工場長西村豪庸
前に僕が、トリップアドバイザーの中から本当に良いレストランを探して、予約を取ってるのを香港のチームがちょいちょい見てて
「お前はどうやって、トリップアドバイザーから本当にイケてる店を選んでるんだ?」
みたいなことを聞かれたときに
「まず、口コミの数と内容をちゃんとチェックして、そいつが他のサイトでどうやって評価してるか見るじゃん…」
って、いっぱい言ったら
「レストラン一つ決めるのに、そんな面倒くせぇことしてたのか!」
って逆に引かれました。
ナレーターやまだひさし
でも、自分の中でも納得するまで裏取りをしたいから、深いところまで調べますよね。
工場長西村豪庸
観光客目当ての、トリップアドバイザーのスコアが良いだけの店はちゃんと外して
「こいつの英語は、観光客っぽい。
ノンネイティブのやつが頑張って英語でレビューを残してるから、これは信用できるなって思ったんだよね」
とか言ってたら
「お前、アホじゃないか?」
「そんなことまでして、俺らとの食事場所を予約しなくていいんだよ」
って言われました 笑
ナレーターやまだひさし
でも、僕も恐らく、そういう調べ方をしますね。
僕らの場合、もともとインターネットの情報に対して信ぴょう性がないと思っているからでしょうね。
工場長西村豪庸
僕らには「インターネットの情報は、そういうものだ」っていう前提条件があるじゃないですか。
だから
「情報収集どうやってんですか?」
って聞かれることも多いけど
「してねぇわ!」
って話なんですよ。
ナレーターやまだひさし
そんなに意識して、情報収集はしていないんですね。
工場長西村豪庸
毎日ニュースサイトとかSNSを見てはいるけど、そもそも「情報収集しよう!」っていうモードにはならないし、別に俺はCIAじゃないからね 笑
情報はそのままでは価値がない
工場長西村豪庸
もちろん、情報ってある意味価値があるものだし、未来を見通すときに無くてはならないものだと思うけど「イケてる情報を収集したい!」とか言うやつに限って、基本的なものがわかってないんですよね。
いわゆるデータって何のディレクションも効いていない、ただ数字が羅列されたもので、何らかのことが知りたいからディレクションが入るんですよ。
例えば、コロナの感染者数やマスクの売れ行き、配布率に対して、コロナとの相関性が知りたいというディレクションが効いて、ただの数字だったデータが情報になるわけじゃないですか。
「情報収集しなきゃ!」って言うのはいいけど、まずは情報にディレクションが効いてないといけないです。
ナレーターやまだひさし
そうじゃないと、何を収集しに行ってんの? ってなっちゃいますからね。
工場長西村豪庸
そうなんです。
こんだけの情報化社会で、多分僕らが一生見きれない、とんでもない量の情報が世界中やネット上に溢れてて、聞ききれない音楽、読みきれない本、読みきれないサイト、っていうものがある中で
「何がしたいか?」
「何を得たいか?」
っていうディレクションがないと、情報収集なんて、データの羅列にただダイブするだけで終わっちゃうじゃないですか。
ナレーターやまだひさし
多分ヒデちゃんの場合、それを意識せずにいろんなところにアンテナを張り巡らしていて、そういうふうに生きていれば「収集するぞ!」って思わなくても情報が入ってくるってことですよね。
工場長西村豪庸
昔、やり手の編集者で
「電車の中で吊り広告を見て電車マーケティングをしたり、周りの話を聞いてファミレスマーケティングをしたりしてる」
って言ってる人がいましたね。
そうやって、周りがどんな話をしてて、どんな広告が出ていて、今どんなものが流行ってるのかとかを情報収集してるって言ってましたけど、それは
「生の声を収集したい!」
っていうディレクションが効いているんですよ。
そのディレクションが効いてない限り、本当にただのデータだし、ゴミ情報じゃないですか。
ナレーターやまだひさし
いらないし、使えないからね。
工場長西村豪庸
変な話、それなら収集する価値なんてないじゃないですか。
例えばファミレスの後ろの席で
「俺、クリエイティブな仕事がしてぇと思って…」
「わかるわかる、地元出んべ」
みたいな話をしている若者2人の
「ちょっと話が長くなりそうだから、もう1杯ドリンクバー取ってくるわ」
「俺のも頼む」
「お前は何にすんの?」
「ファンタメロンのアンバサ割り」
って言う会話が、つい耳に入ってきたりするじゃないですか。
ナレーターやまだひさし
そういう会話でも、最終的にはヒデちゃんにとっての情報になりますよね。
後に、その人たちが顧客になる場合もあったりするし
「ああいうタイプの人たちには、こういうものや広告が刺さるよな」
っていう情報になったりしますもんね。
工場長西村豪庸
本当におっしゃるとおりで、頭のなかでペルソナを作るときとか、いろんなキャラを頭の中に入れているんですよ。
例えば、彼にシャツを1万円で売っても
「高けぇ、買わねえべ」
って言って、帰っちゃうなと思うんですよ。
ナレーターやまだひさし
そういうときに、使える情報なんだね。
工場長西村豪庸
極端な話「情報収集の方法を教えてください!」って言われたって、別に今は情報格差なんてないから、ニュースサイトを二つ三つ見て、SNSをフォローしてれば、十分じゃないですか。
ただのデータを価値のある情報にする方法
工場長西村豪庸
やまださんは、情報収集はどうしているんですか?
ナレーターやまだひさし
昔はラジオのレギュラー番組が毎日あったので、意識的にすごい情報収集をしてましたね。
インターネットで言えば、Yahoo!だろうがなんだろうが、ニュースサイトが集まっているサイトは全て見たし、さらには新聞や週刊誌も全部読んでいました。
ミュージシャンやアーティストがゲストに来る場合には、その人たちが出て、インタビューで答えていた音楽専門誌も読んでましたね。
『ロッキング・オン』とか『音楽と人』とか『ギター・マガジン』とかを読んで
「そこに書かれてないことを聞かないと、ファンはその情報を知っちゃってるし、インタビューをなぞるだけになって意味がないから、全部読め!」
って、当時のディレクターやプロデューサーに言われていました。
今思えば、それは仕事だからやってたんですけどね。
工場長西村豪庸
そういう情報が入ってくる場所にも居たし、アウトプット前提で情報収集してるじゃないですか。
だから、情報収集が趣味になってもしょうがないんですよね。
ナレーターやまだひさし
それで言うと「資格を取るのはすごく好きなんだけど、何にも生かしてない」っていう、検定マニアみたいな人がいますよね。
工場長西村豪庸
それと、すごく近いものがありますよね。
情報収集の方法を聞かれて俺が困っているのは、情報をアウトプット前提で収集しているからなんですよね。
さっきのラジオのゲストの話じゃないけど、僕も自分のクライアントに対してのアウトプットのために、クライアントの社歴や、商品、サービスに関しての情報収集をしたりしますし、ブログに書くでもSNSでつぶやくでも何でもいいけど、アウトプットありきで情報を入れるだけでも全然違うんです。
ナレーターやまだひさし
資格を持ってるのだって、アウトプットがあるから勉強していっぱい覚えたんでしょうしね。
工場長西村豪庸
僕もソムリエの資格を持っていますが
「ガキンチョの僕のところにわざわざ酒を飲みに来てくれる人に対して『ちゃんとしたソムリエなんだよ』っていう最低限の保証はしたい」
と思って、アウトプットの方法のうちの1つとして資格を取ったので。
ナレーターやまだひさし
ただ単にお酒好きのとか、マニアとして覚えた情報ではないからね。
工場長西村豪庸
なんかに使えると思って情報収集をしているのか、ただ情報に価値があるって聞いたから情報収集しようと思っているのかだと、意味が違うじゃないですか。
収集してるつもりじゃなくても、例えば飲食店に行って初めて見るイケてる食器があったら、どこのものか気になるし、イケてるデザインだと思ったら、次に自分が作るお店で似たようなものを作ってみたいと思うじゃないですか。
ナレーターやまだひさし
そうやって、活用していくための情報なんだもんね。
工場長西村豪庸
それこそ、メンターみたいな理想の人を見つけたら、その人がフォローしてる人を全部フォローすれば、少なくともSNSの情報はその人と同じように入ってくるわけじゃないですか。
でも、さっき言ったみたいにディレクションがきいてないと、それはただ羅列されたデータになってしまうし、憧れてる人の情報と言うのは、その人なりのディレクションが効いてて、最終的にその人の行動が伴って、知恵になっていくわけじゃないですか。
「ヒデさんは、普段からいろんな会社をコンサルティングしたり、いろんな新しいことをしたりクリエイトしたりしてるけど、どうやって情報収集してるんですか?」
って言うけど、情報自体に価値があると思ってないのはそういうことなんです。
今の世の中、特にSNSとインターネットが発達してるから、全部世の中に転がってるし、知る人ぞ知る情報なんて言った時点で、昔の人の匂いを感じるじゃないですか。
ナレーターやまだひさし
今はそれぐらい、情報で溢れてますからね。
西村工場長はどのように情報を精査しているのか?
ナレーターやまだひさし
僕らも、情報を精査できる能力を身に着けていないと、ガセネタみたいなものに惑わされたりすることもあるわけじゃないですか。
ヒデちゃんは、情報をどういった基準で精査してるんですか?
工場長西村豪庸
火のないところに煙は立たないって言うけど「真空状態なのに、よく煙を起こしたね」ってやつも居ますしね。
そういうパターンもあれば
「実際、火のないところに煙は立たないから、お前もなんかやってたやろ」
っていう2パターンあるけど、その情報発信者のメリットデメリットにフォーカスして、見極めてるんだと思います。
ナレーターやまだひさし
なるほど。
工場長西村豪庸
さっき話した比較サイトみたいに「アフィリエイターが1位のところからお金貰ってるから、このお店が1位になってるだけでしょ?」っていうサイトは信用しないとか、乱暴な話、世の中の全てはポジショントークじゃないですか。
ナレーターやまだひさし
基本はそうですよね。
工場長西村豪庸
だから、どのポジションがどのメリットデメリットに繋がってて、受益権者に対してどう繋がっているかで見極めていますね。
トリップアドバイザーで「店が書いてるっぽいな」っていう口コミとかありますけど、店側が自分の店に来てほしいのは当たり前だし、その努力を一切するなっていうわけじゃないから、すげぇ難しいんですよね。
西村工場長が通販で失敗した話
工場長西村豪庸
「騙されないでしょ?」って言うけど、この間俺も騙されたんです。
ナレーターやまだひさし
珍しい!
工場長西村豪庸
この間、みんなでフットサルをやるってなったので、Amazonでフットサルシューズを買ったんです。
ポイントで購入したんで、実質懐は傷まないからどうしてもチェックは甘くなるんですけど、商品をポチるじゃないですか。
届いたシューズを持ってフットサルに行って履いたんですけど、尋常じゃないくらい超キツイんですよ。
ナレーターやまだひさし
サイズは間違いなく、ちゃんと測ったんでしょ?
工場長西村豪庸
俺の足のサイズは26cmなんですけど、購入履歴を見たら、ちゃんと26cmを買ってるんですよ。
星もちゃんと見たんですけど、4とか4.5だったから「まあ、大丈夫だべ」と思って買ったんです。
でも、星の数だけ見て流してたレビューをちゃんと見たら、一番上にあった5つ星の評価がついてるレビューの内容が
「他のシューズより小さくできていて、最初に26.0cmを注文したが小さすぎた。
普段は26〜26.5cmですが27cmを再注文をし、27cmでぴったり。
もうワンサイズ大きくても大丈夫なくらいです」
っていう内容で
「お前、なんでこれで5つ星つけんねん!」
と思いましたね 笑
それさえ読んでいれば27cmを買ってたんだけど「なぜお前はこんな目に遭ってて、5つ星の評価をつけたんだ」と、クレームを入れたいです 笑
ナレーターやまだひさし
それさえ読んでいればね 笑
工場長西村豪庸
でも、よく見たらレビューの日付が6月1日になっていて、俺は5月29日に買ってるんで、買った時点ではレビューはなかったみたいです。
ナレーターやまだひさし
どちらにせよ、ショックですよね。
でもそれは情報に騙されたわけじゃなくて、26cmって言って小さい靴を売ってるんだから、本来ダメなんだよね。
工場長西村豪庸
似たような話で、俺、Amazonのポイントで軽井沢の別荘にスタインウェイのピアノ買ったんです。
で、スタインウェイに合わせて、良いアコギも買おうと思って、100万円ぐらいのポイントを全部ぶっこんで、もともと楽天でピックしてたマーチンの黒のアコースティックを買ったんすよ。
適当にデザインだけ見て「きっと良いギターだべ」と思ってポチっちゃったけど、Amazonってたまに不当な高値がついてるものがあって、
「いくらポイントで買っているとはいえ、楽天で50万円のギターをAmazonで100万ポイントで買ってたら嫌だな」と思って、Googleで型番を叩いて調べたんすよ。
そしたら、値段は大丈夫だったんですけど、俺はマーチンのSUGIZOモデルを買っちゃってたことが分かったんです 笑
SUGIZOさんは好きなギタリストだし、すげぇと思ってるし、実際に届いたものを弾いてみたら良いギターだったし、商品に文句があるわけじゃないんだけど、別にスギさんのドファンでもない齢(よわい)40になろうとしているこの俺が、
スタインウェイに合わせて買うものではないから、もうちょっと分かりやすくしてくれと思いましたね 笑
ちゃんと型番をコピペして、検索するのは大事だなと思った事件です。
ナレーターやまだひさし
ヒデちゃんは、ビジネスに関しては無意識に情報収集をしますけど、こういう情報収集は意外に下手だってことが分かりましたね 笑
誰かを接待しなきゃいけないとか、人に対して何かをするときは、すごく情報収集するじゃないですか。
工場長西村豪庸
みんなに対して何かをするときは、楽しんでもらいたいし、みんなと良いところに行きたいから、一生懸命調べるんですけど、自分がものを買うだけとなると、全然興味ないんですよね。
俺も、情報収集は下手だっていう締めくくりで終わろうと思います。
ナレーターやまだひさし
そんなことはないですよ。
無意識にやってる人って、自分のために自然に情報を得ているというか、情報というのは血肉にしようとする意識が芽生えてくると、すごく有効活用できますし取りに行かなくても勝手に入ってくるようにもなりますしね。
最初の話に戻りますけど、僕が「ゲストが来るから情報を入れろ!」って言われてたものって、正直言うと番組が終わったら覚えてないんです。
工場長西村豪庸
一夜漬けみたいなものですもんね。
ナレーターやまだひさし
ただ、きっともう1回勉強し直せば、ある程度修復できたりするんでしょうし、そういうことでしょうね。
工場長西村豪庸
情報収集しようと思ったら、アウトプットする場を作って、アウトプットとセットでインプットしろっていうのが今日のアドバイスですね。
ナレーターやまだひさし
アウトプットがあると、情報も入ってもきやすいしね。
工場長西村豪庸
あとは、Amazonのレビューは5つ星でも多少は見ろって言うのと、型番はちゃんと1回ググれって言うのがアドバイスです 笑
工場長西村豪庸
ありがとうございました。