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第87回「コロナ危機をどう乗り越えるか」

コロナで経営が悪化している会社は、一旦潰すべき?今を耐えるべき?

    トピックス一覧
  1. コロナウイルスの影響はインスタイルグループにも出ている?
  2. コロナウイルスの影響はいつまで続くのか
  3. 自転車操業の企業は、どう対応したら良いのか
  4. トイレットペーパーを買いだめされても、販売元は儲からない
  5. ダメなときは、適度に開き直ることも大切
  6. 海外では、中止公演のチケットを寄付することができる
  7. 予約が取れない名店は、今でも席が埋まっている
  8. コロナが影響した赤字と、コロナを言い訳にした赤字
  9. みんなが行く道が、本当に合っているのかを疑う
  10. 絶対に安心な「唯一の解」は存在しない

読むポッドキャスト 第87回「西村豪庸の『社長工場』」

ナレーターやまだひさし

「西村豪庸(にしむらひでのぶ)の『社長工場』」!!

こんにちは、やまだひさしです!
ポッドキャスト番組、西村豪庸の社長工場では、インスタイルグループの代表を務める経営コンサルタントの西村豪庸さんが、ビジネス、経営に関することを独自の視点で解説していきます。

西村さん本日もよろしくお願いします。

工場長西村豪庸

お願いします。

ナレーターやまだひさし

本日のテーマは「コロナ危機をどう乗り越えるか」です。

この回は、3月27日に収録しております。
2020年に入ってから、新型コロナウイルスが少しずつニュースで取り上げられるようになりました。

2月頃からは、不要不急の外出は避けるように政府から要請が出たり、学校の休校や、給食、コンサート、イベント、旅行などの自粛・中止・キャンセルが相次ぎ、 製造業、小売業、飲食業、観光業など、ほぼすべての業界に大きな影響が出ております。

もちろん、やまだひさしも今日は久しぶりの仕事でございます。

工場長西村豪庸

アハハハ!

ナレーターやまだひさし

僕の仕事もキャンセル続きで、びっくりしますね。

工場長西村豪庸

この収録もキャンセルしましょうか?笑

ナレーターやまだひさし

社長工場までキャンセルされたら、いよいよどうしたらいいか分からない。
今日、久しぶりに人に会いましたから 笑

西村さんもジリ貧かと思ったら、そういうことはなさそうで良かったです。

工場長西村豪庸

いやいや、もう大変ですよ。
死んじゃう死んじゃう。

ナレーターやまだひさし

ちゃんと生き抜いてるじゃないですか。
大丈夫、この人に聞けばなんとか糸口が見つかるはず。
ということで、経営者はコロナ危機をどう乗り超えればいいのか、是非お話伺いたい。

工場長西村豪庸

はい。

コロナウイルスの影響はインスタイルグループにも出ている?

ナレーターやまだひさし

とは言えヒデちゃんのことだから、蚊に刺されてちょっと腫れたぐらいの影響なのかと思っているんですが、やっぱり今回の新型コロナウイルスの影響はインスタイルグループにも出ているんでしょうか?

工場長西村豪庸

大変ですよ。
もう死んじゃう。

ナレーターやまだひさし

なんか、まだ半笑いだな 笑
この間、Provisionに行ったら満席でしたよ。

工場長西村豪庸

Provisionの名前、出し過ぎだから 笑

ナレーターやまだひさし

品治さんにも「毎週、僕の名前が出てきますね」って、まんざらでもない様子で言われました 笑

でも、インスタイルグループにはお寿司屋さんとか、他にも飲食店はありますからね。

工場長西村豪庸

飲食業はコロナでキャンセルが相次ぎ、アパレルと小売は商品が入ってこないです。

ナレーターやまだひさし

海外から輸入をしていたりするからね。

工場長西村豪庸

国産で作ってても、原材料が中国にある場合もあるし、そもそもアパレルと小売業は、館に人が居ないですからね。

ITも、今の主戦場はやっぱり中国とかなんで、部品とかいろんなものが入ってこないんですよ。

ナレーターやまだひさし

ヒデちゃんは、定期的に香港に行ってましたよね?

工場長西村豪庸

香港のクライアントもキャンセルと言うか、ただひたすら延期です。

ナレーターやまだひさし

影響が出ているじゃないですか。

工場長西村豪庸

出てますよ。
だから、言ってるじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

影響を受けている人は、みんな銀行周りをしてるんで、こんなこと喋っている時間がないんですよ 笑

工場長西村豪庸

俺は銀行を周るのが仕事じゃないから 笑

コロナウイルスの影響はいつまで続くのか

ナレーターやまだひさし

今回のコロナの影響で、トイレットペーパーや除菌系グッズなどは買いだめされるほど売れて、儲かっているところは儲かっているんだそうです。

先日、ヒデちゃんから譲っていただいた某メーカーの車を車検に出したんですが、取次店の方が、マスクの裏でニコニコしながら

「やまださん、試乗の予約が殺到してます」

って言っていたんです。
コロナが流行り始めてから、みんなどこにも行けないから国内消費になっていて、あれだけの高級外車が飛ぶように売れているみたいです。

自家用ジェットの予約まで入り始めたっていうくらいだから、どこの誰がどう動くかなんて、誰にも読めない展開になっているみたいです。

工場長西村豪庸

パイロットが感染してたら、プライベートジェットにした意味ないですから、ちゃんと陰性だったら良いですね 笑

ナレーターやまだひさし

たった三人で乗ってんのに、三人が感染!っていうね 笑

「増税や暖冬で経営が悪化している状況に、追い打ちかけるようなかたちでコロナショックが影響して倒産」なんていうニュースも見ますよね。

以前、創業社長の終わり方の回で

「会社が赤字に転落した際に、回復するあてがないのであれば、資金が底をつきる前に潰したほうが良い」

と言われてましたよね?

今回のケースで言うと、コロナが収束すれば回復はするんでしょうが、コロナの影響がいつまで続くか分からないし、僕らもいつまで籠城すればいいか分からないじゃないですか。

コロナの影響で経営が悪化している会社は、一旦潰すべきなのか、今を耐えるべきなのか、どうしたら良いと思います?

工場長西村豪庸

えー、分かりません 笑
分かんないから、世の中がパニックになってるんで 笑

ナレーターやまだひさし

じゃあ、ヒデちゃん的にはこの状況がいつまで続くか、予想は立ててます?

工場長西村豪庸

ざっくりと、半年から一年くらいは、あるものとして受け入れていかなきゃいけないんじゃないですか?

インフルエンザみたいに特効薬ができても、人間がどのくらいの免疫を獲得するかも分からないし、どのくらい死ぬかも分からない。

だから、未来なんか予測したって無駄なんですよ。
コロナを受け入れて、経営していけるところはやっていくし、無理なら早々に撤退のどちらかですよね。

ナレーターやまだひさし

希望的観測では、ビジネスができないしね。

工場長西村豪庸

そうですね。
「夏まで乗り切ったら確実にこうなりますよ」って、今言えることじゃないんで。

自転車操業の企業は、どう対応したら良いのか

ナレーターやまだひさし

例えば飲食業とか、インスタイルグループには大きい打撃を受けそうな業態もあると思いますが

「この業種は、今やるにはリスクだらけだわ」

みたいな、順位決めはしているんでしょうか?

工場長西村豪庸

まあ、業種業態に限らず影響は出るし、基本世界は繋がっているから、どこをどう削除したところで変わらないですね。

ナレーターやまだひさし

やっぱりそうだよね。
ファンドじゃないけど、グループだから良かったっていうのはないですか?

工場長西村豪庸

ファンドだとしたら、ポートフォリオ全滅ですよ 笑
飲食も、エンタメも、小売、アパレル、ITも、今は全部ダメでしょ?

ナレーターやまだひさし

そうですね。

今って、新しいビジネスは始めづらい状況なんですか?
それとも逆に、このピンチをチャンスに変えて、新しいことをやりやすい状況なんでしょうか?

工場長西村豪庸

まあ、金があるところは、今がチャンスだと思って買いに走ってるところもありますからね。

ナレーターやまだひさし

僕の知り合いの会社も、いきなりマスクを作り始めたりしてますけど、やれるところはそういうこともやってますよね。

工場長西村豪庸

やれるとこはやるんじゃないですか?
昔言ったみたいに、mixiがずっとSNSやってるだけじゃなくてゲームもやるみたいな。

ナレーターやまだひさし

そういう発想ができて、体力があるところは良いですが、自転車操業でやり繰りしていた企業は、これだけの収益の落ち込みが致命傷になっている思うんです。

そういう会社からの相談も来ていますか?

工場長西村豪庸

来てますよ。

ナレーターやまだひさし

「こういう感じで相談が来たんだけど、こういうアドバイスで今の所乗り切ってる」みたいな、言える実例とかってありますか?

工場長西村豪庸

3.11のあとも、大変だったでしょ?

例えば、飲食とかアパレル小売の業種、業態に「こういうご時世で、家賃の3割とか5割を引いてくれることもあるから、交渉しなさいよ」とか、 それもダメなところは、だいたい保証金って10ヶ月くらい積んでるから、そこから差っ引いてもらうようにアドバイスをしましたね。

言うことを聞いたところは、3ヶ月とか半年くらいは逆にキャッシュフローが良くなってキャッシュリッチになった会社とかもあるんですよ。

ナレーターやまだひさし

そうか、そういう方法もあるんだ。
できるかできないかは別にしても、何もしないよりはいいですもんね。

工場長西村豪庸

例えばの話ね。
もちろん今言った方法だけじゃないですよ?
今まで苦しんでたのに、制度融資になってあっさり融資が出たからホクホクしてる人もいるし。

ナレーターやまだひさし

例えば、トイレットペーパーやマスクの件で言うと、今だと補助金が出るみたいなんですよ。
そういうのも、アドバイスを受けないと知らなくて、自分のお金だけでやり繰りしようとしてる人もいるかもしれませんね。

トイレットペーパーを買いだめされても、販売元は儲からない

ナレーターやまだひさし

除菌系グッズとかトイレットペーパーは、実際儲かってると思ったほうが良いんですか?

工場長西村豪庸

あれって、買いだめされてもうんこの回数が増えるわけじゃないんで、彼らは彼らで逆に困ってるんですよ?

ナレーターやまだひさし

そうか。

工場長西村豪庸

「トイレットペーパーやマスクが不足していてやばい」ってなって、買いだめされてるじゃないですか。

大量に買いだめされて物流が狂い、でも頑張って作んなきゃいけないから残業を組んで、今は深夜もフル稼働してるけど、 物流が正常化されたときに、今回買いだめたものを将来のためにちゃんと備蓄して、新しいトイレットペーパーを買ってくれる人ばかりじゃなくて、実際は買いだめたものを使う人が多いでしょ?

1年間でうんこの回数が3倍になるわけじゃないから、結局年間の売上は変わんないんですよ。

ナレーターやまだひさし

回数が増えるんだったら3倍儲かるけど、長い目で見ると売上は変わらないんですね。

工場長西村豪庸

除菌グッズとかは、除菌の回数は増えてるかもしれないから、消費が増えて儲かってる会社があるかもしれないけどね。

でも、除菌系のものを販売してるところって、だいたい風邪薬とかも売ってるんですよ。
今年は手洗いうがいが徹底されていて、みんなが風邪を引かないから、除菌系グッズの売上が倍になっても、風邪薬の売上が5分の1くらいになってるらしいですよ 笑

ナレーターやまだひさし

全部が繋がってるでしょって、そういうことね 笑
別に一部の業界だけが、馬鹿みたいに儲かってるわけじゃないんですね。

工場長西村豪庸

だから別に、トイレットペーパーは全然儲かってないし、逆に生産しすぎてものが多くなったら買い叩かれちゃうから、むしろ嫌な目にあってるんですよ。

ナレーターやまだひさし

しかも「商品がない!」って怒られて…

このポッドキャストを先に放送してたら

「そうだ、俺たちうんこの回数増えないわ」

って思って買わないはずだったのに、誰も言ってくれないから!笑

工場長西村豪庸

トイレットペーパーがデマだって分かってても、デマに乗って買いだめしないと、自分が使えなくなる可能性があるから、ゲーム理論的に言ったら正しいんですよね。

「デマだって分かってるけど、買いだめに走った人が8割、9割だった」って言うじゃないですか。

結局、話に乗らないと、自分のうんこを拭く紙がなくなるわけですよ。

皆が正しいと思う、ミクロでは正しい行動を積み重ねると、マクロでは正しくなくなるんですよ。
これを「合成の誤謬(ごびゅう)」というんです。

ナレーターやまだひさし

それをやられて全部のバランスが狂って、一瞬でこうなっちゃったわけだもんね。

ダメなときは、適度に開き直ることも大切

ナレーターやまだひさし

買いだめだけでなく、感染してしまった人間が「うつしに行くぞ」と発言をして外出するという、モラルの欠如みたいなことも起きていて、やっぱり人間って、そのくらい愚かだと思ったほうがいいですね。

工場長西村豪庸

もう、しょうがないっすよね。

ナレーターやまだひさし

あの人も、そのまま亡くなっちゃったわけですし、ここまでくると天罰とか言ってる場合じゃないですよ。

トイレットペーパーでさえ買いだめたりするくらいですし、聖人君子じゃないんだから誰だってやりかねないですよね。

工場長西村豪庸

ガキだったからなんとなくしか覚えてないですけど、エイズのときも「風俗に行きまくってうつしてやる」って言ってたやつ、いましたもんね。

ナレーターやまだひさし

「俺だけなんて悔しいから」みたいな、勝手な思いでね。

工場長西村豪庸

人間って、不幸には耐えられるんだけど、みんながそこそこ幸せなのに、自分だけ不幸っていう状況には耐えられないんですよね。

自分だけが割を食うってのが耐えられなくて、トイレットペーパーを皆が使えないことは許せるんだけど、自分だけわら半紙で拭かなきゃいけないことには耐えらんないんですよね。

ナレーターやまだひさし

「それなら、人なんかどうだって良い。まずは自分だけ」っていう発想になってしまう。

でもこれ、日本だけの問題じゃないですよね。

工場長西村豪庸

3Bでしたっけ?
アメリカで、銃弾と豆と、あとなにか忘れたけど、売れるようになったんですよね。

※Bullet(銃弾)、Beans(豆)、Bandaid(バンドエイド)でした。

ナレーターやまだひさし

ここまでくると、コロナの危機なのか、それともコロナの弊害での危機なのか、もう分かんなくなってますもん。

工場長西村豪庸

確実に、コロナ自体で死ぬ人経済的に死ぬ人だったら、経済的に死んじゃう人の方が多いと思いますよ。

ナレーターやまだひさし

今はもう、そっちになってますよね。

工場長西村豪庸

だから、どう乗り越えるかっていう話に戻ると「コロナ以外で死ぬな」って話ですね。

要は、金で死ぬなっていうことです。

やっぱり金がなくなったときとか、企業が潰れるときとかピンチになったときって、人は視野が狭くなるんですけど、そのときに「これしかない」と思ってることって、大抵そんなことないんです。

今回の件も、冷静に考えたらみんな一緒だし、潰れるときは皆潰れるし、今潰れても全然恥ずかしくない状況なんですよ。

日本人は、倒産したり金がなくなったりすると「迷惑かけたから」とか「申し訳ないから」って言って、すぐ死にがちだけど、命あっての物種だから、「ちょっとコロナで痛い目見ちゃったんだけど、再起を頑張るわ」って言う方が全然いいと思うんです。

自己破産でも、生活保護でも、制度融資でも、何でもいいから道を模索して、適度に開き直ることですね。

ナレーターやまだひさし

じゃあ、人生逆張りで生きてるやまだひさしは合ってる?
ほぼ毎日、飲み歩いてますよ。

工場長西村豪庸

はい、経済止めないためには、いいと思いますよ 笑
俺も経済を止めないように、3.11のあとに1日100万円キャンペーンを毎日やってましたし。

ナレーターやまだひさし

ヒデちゃんが言ってたように、今回の件で会社が潰れても「他の会社も潰れてたりしてるし、君だけのせいでもないから恥ずかしくないよ」っていうのは、勇気をもらいますね。

工場長西村豪庸

極論だけどされど金だけどたかが金じゃないですか。
もちろん不要不急の外出を避けたり、ロックダウンされちゃったりしたら、3.11のときと違って、1日100万円キャンペーンで飲み歩くわけにもいかないですけど…

ナレーターやまだひさし

今はみんな大変だし、自分だけじゃないから「ダメだったら、もういっかい作ればいいじゃん」ぐらいの気持ちでいればいいんですね。

海外では、中止公演のチケットを寄付することができる

ナレーターやまだひさし

日本は諸外国と比べて、そこまで規制はないし、緊急対策もしてない、政治保証もしてないし、ずいぶん悠長に捉えてるなっていう風潮もあるんだけど、海外でも仕事をしているヒデちゃんにとって、日本の今のこの状況って不可思議ですか?

それとも日本っぽいなと思いますか?

工場長西村豪庸

あんまり変わんなくないですか?
だってニューヨークも、もともとは

「対岸の火事だな」
「アジア、大変なんでしょ?」


みたいな感じだったんですよ。

でも、最初から話してるように世界は繋がっちゃってるから、あれよあれよという間に、死者数にしろ感染者数にしろ世界一になっちゃったでしょ?

ナレーターやまだひさし

あれだけの人数がいて、あれだけの人種の坩堝(るつぼ)ですから、そりゃそうなりますよね。

工場長西村豪庸

例えば、日本に入ってくるアメリカ人を全然規制せずスルーで受け入れてたり、おかしいなって思うところは、もちろんありますよ。

ナレーターやまだひさし

それこそニューヨークの話でいうと、ブロードウェイは今回の件で公演が中止になって劇場を全部閉めましたけど、組合がしっかりしていて、関係者を含めて150%くらいの保証が出るんだそうです。
日本では、まだそういった保証がないんですが、やっぱりしょうがないんですかね?

工場長西村豪庸

エンタメの文脈か、アートの文脈かで言うと、日本はエンタメの文脈で語るけど、海外ってアートの文脈で語るんですよ。

だから、例えば

「チケットの払い戻しをしますか? このまま寄付しますか?」

みたいな選択肢が当たり前にあって、劇場が潰れてもらっちゃ困るから、8割くらいの人が寄付を選ぶんですよね。

ナレーターやまだひさし

そうだね。
「私達が支えてるんだ」っていう、パトロン的な感覚を持ってるから。

工場長西村豪庸

日本でも今回、どこかのイベントごとで、そのまま寄付できるような選択肢が出てきたところもあるらしいですけど、そういうものが当たり前にあると、さっきの1.5倍の保証のようなこともやりやすいですよね。

ナレーターやまだひさし

もしかしたら、今回の件をきっかけに、ちょっと変わって来るかもしれないですよね。

工場長西村豪庸

まあ、コロナで色々と変わると思いますよ。

予約が取れない名店は、今でも席が埋まっている

ナレーターやまだひさし

さっき少しだけ話が出ましたけど、サブスクリプション制の飲食業は、今回のようなときに、結構自衛策になるなと思ったんです。

もちろん、会員が辞めてしまうかもしれないけれど、収入がいきなり止まることはないじゃないですか。

工場長西村豪庸

再来月の収入まで、分かってますからね。

ナレーターやまだひさし

コロナを想定して、ああいうビジネスモデルにしたわけじゃないだろうけど、そういうシステムにシフトする人たちもいるんだろうなと思いました。

工場長西村豪庸

まあでも、返金はするでしょうけどね。

ナレーターやまだひさし

お店に行けないわけだから、そりゃそうですよね。

実は、世界のいろんな地域から海外渡航禁止令が発令される少し前くらいに、エアアジアが12800円で1年間のフリーパスを出したんですよ。

僕は、仕事でも遊びでも海外に行くことが多いから、ものの見事にそれに乗っかって買っちゃったんです。

工場長西村豪庸

まあ、でも1万円だからね。

ナレーターやまだひさし

そういう感覚なんですよ!
別に、1回でも乗れば元が取れると思ったから買いました。

でも、今はどこもいま乗れないから「やられたー!」と思って 笑

工場長西村豪庸

アハハハ!

ナレーターやまだひさし

次の日には売り切れになってたんで、多分何百名か何千名が買ったと思うんです。
今は旅行業界、しかもLCCなんて大変な状況だから、こういう資金の集め方も、策としてはあるのかなと思います。

この会社のコンサルをヒデちゃんがやってるんじゃないかな? と思うくらい、すごく上手かったです。

工場長西村豪庸

やってない、やってない 笑

香港のホテルとかでも、中国と香港でしか展開してませんみたいなホテルは、今すごい安いですよ。

ナショナルのホテルは、ブランドが大事だからそんなに下げてないけど、普通は1ヶ月で100万円くらい掛かるところが、年末まで前払いをしたら1ヶ月10万円とか15万円で住めますから。

中途半端なところは死んでるけど、予約が取れない名店とかは、キャンセルが入ってもすぐに埋まるから、今でも全然取れないですよ。

ナレーターやまだひさし

先日、僕が当日予約をした熱海のホテルも、半額以下でした。
女子旅の子たちは安くなることを分かってて、「安くなると思ってたんで、前の日まで予約をせずに来ました」って言ってました。

工場長西村豪庸

そいつらが、ちゃんと感染してないといいですけどね 笑

ナレーターやまだひさし

マスクもせずに、スイーツの大行列に並んでて「この人達は本気で分かっているのかな?」と思いましたね 笑

工場長西村豪庸

アハハハ!
まあ、難しいところですよね 笑

コロナが影響した赤字と、コロナを言い訳にした赤字

ナレーターやまだひさし

やっぱりキャッシュがない会社は、今回の件を乗り越えるのは厳しいと思うんですけど、アドバイスありませんか?

工場長西村豪庸

キャッシュがなかったら借りてくるか、借りれなかったらジタバタせずに、おとなしく閉めたほうが良いですよね。

ナレーターやまだひさし

この間、沖縄のレンタカー屋が潰れたんですけど、今ってレンタカー業界が飽和状態なわけです。
多分その状況で、コロナが最後のトリガーだったような気がしてるんですよね。

工場長西村豪庸

結構、コロナを言い訳に使ってるところもありますよね。

上場企業でも、本当は赤字だったのに無理やり黒字を作ってて、でも今回の件で自転車操業の自転車が止まって、ごまかしきれなくなって発表した赤字の決算発表と、 この1年、2年を見越して、将来に備えてキャッシュを貯める赤字の決算発表と、いくつかあるんですよ。

今後、どんどん決算発表が出ますから、より鮮明になりますよ。

工場長西村豪庸

例えば、上場企業だと3月末決算の会社が多いんですけど、コロナが本格的に騒がれだしたのが2月半ばから末くらいじゃないですか。

その上場企業は、もともと1200億円の黒字の予定で、毎月100億円ずつ利益が積み上がる予定でした。
でも、2月と3月がマイナス100億に転落したとするじゃないですか。

もともと年間1200億円の黒字の予定で、2月と3月はプラス100億円の予定だったのが、コロナの影響でマイナス100億円になっちゃったなら、プラス1200億円の予定がプラス800億円になってなきゃおかしいじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

そうか、なるほど。

工場長西村豪庸

「2月と3月も、そのままの調子で毎月100億円ずつ積んでたなら、1200億円の黒字の予定だったけど、2月と3月はトントンになっちゃったんです」なら1000億円の黒字。

「逆に、2月と3月はマイナス100億円になっちゃったんです」なら800億円の黒字っていう話じゃないですか。

だけど、結構な企業が「1200億円の黒字って言ってたんだけど、600億円の赤字になりました」って発表をしたりしてるじゃないですか。

「お前んところは全部チョコレート屋で、2月と3月にフルパワーをかける予定だったのかな?」って感じじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

なかなかないよね 笑

工場長西村豪庸

今回の件で、自転車操業が止まってごまかしきれなくなった、しょうもない赤字か、実は黒字なんだけど今回で全部膿を出して、できる限り今年は費用化して税金を抑えたり、還付を求めたりして手元のキャッシュを少しでも分厚くしようとしている、逆粉飾決算のような赤字なのか。

そういうところを見極めて株を買っておけば、儲かりますよね。

ナレーターやまだひさし

そこを見極めておけば

「大丈夫大丈夫。 表面上ああなってるけど、あの会社全然問題ないから」

っていうことが分かったりするんですね。

工場長西村豪庸

言われてみればそうでしょ?
だって、プラス100億円ずつ積んでたら、そんなことになりませんから。

すべての上場企業がゴディバじゃあるまいし「バレンタインまでにフルパワーで1年の売上の8割を売る会社なんです」ってわけでもないんだから 笑

ナレーターやまだひさし

むしろ、そんな会社怖いわ 笑

工場長西村豪庸

だから

「2月と3月の売上が悪くなっただけで、プラス1200億円からマイナス2500億円になったっていう会社は、どっちだ?」

っていうのを見るべきで、それで良い方の赤字の出し方をしている会社は、絶対株価が落ちているからチャンスですよね。

ナレーターやまだひさし

これは、基本合法なんですよね?

工場長西村豪庸

もちろん。
単純に過小評価されているものを、底値で拾ってるだけでしょ?

ナレーターやまだひさし

そこをちゃんと理解していけば、確実にヒントが見えるんですね。
やっぱり、表面上だけじゃ分からないね。

工場長西村豪庸

レンタカー屋はきっと、自転車操業だったのが止まっちゃったんでしょ?

ナレーターやまだひさし

絶対そうだと思うのよ。
だって2ヶ月車を借りられなかったぐらいで、会社は無くならないよ 笑

台風とかが来ちゃったり、なんか違うものが長引いただけで、一瞬で飛ぶくらいだったってことだから、ビジネスモデルとしたらかなり厳しい現状だったってことですよ。

工場長西村豪庸

「イベントがキャンセル続きだ」って言ってんのに、毎日銀座で飲み歩いてるラジオDJを、俺は一人知ってますから。

ナレーターやまだひさし

目の前にいる 笑
することなくなっちゃってるのに、キャッシュは出てってるから大変ですよ。

工場長西村豪庸

アハハハ!
本当に余裕がなかったら、そんなことしないからね 笑

ナレーターやまだひさし

今回の件に関しては、ラジオが唯一の生命線だったね。
ラジオはイベントじゃないから、今のところなくなってないんですよ。

でも、ビジネスは繋がってるから、スポンサーがいなくなっちゃったら終わっちゃいますから!
今はまだ、その波を受けないだけで、ひたひたとは来ていますよ。

みんなが行く道が、本当に合っているのかを疑う

工場長西村豪庸

今のご時世、積極的に飲み歩いているのなんて、サントリーかやまだひさしくらいでしょ。

ナレーターやまだひさし

サントリーもそうなんですか?

工場長西村豪庸

サントリーは今「銀座の飲み屋に、毎日飲みに行け」って言われてるらしいですよ。

ナレーターやまだひさし

こういうときこそちゃんと繋がって、お金を落として、経済を回してあげるんですね。

工場長西村豪庸

「響とか山崎は別に悪くならないし、どうせ無いから生ビールを飲んでこい!」って言われてるらしいけど 笑

ナレーターやまだひさし

僕、山崎が好きなんだけど、今どこのお店にもあるのよ 笑

人の逆を行くっていうなら、サントリーの話もよく分かるわ。
いつの世の中でも、みんなと同じ動きをしている人で、成功した人はあんまり居ないでしょ?

工場長西村豪庸

まあ「人の行く裏に道あり花の山」って言うしね。

ナレーターやまだひさし

こういう道を探すヒントが、ちょっとほしいよね。
多分ヒデちゃんは、自分の独特の嗅覚で、努めてそれをやってきた人だと思うんですよ。

工場長西村豪庸

まあ、みんなで同じことをやっても気持ち悪いですからね。

ナレーターやまだひさし

「これってあってる?」って思ったら、一回自分でちゃんと考えてるだろうから。
それで、納得がいくなら同じ方向に行くし、なんでもかんでも逆行ってるわけじゃないだろうけど。

工場長西村豪庸

もちろん、それだとただの天の邪鬼ですから。

ナレーターやまだひさし

「みんな下向いてるけど、そこほんとに下向く必要ある?」みたいな、なにか感じているものがあるわけですよね。

工場長西村豪庸

もちろん、やれる範囲でしかできないですからね。

絶対に安心な「唯一の解」は存在しない

工場長西村豪庸

起業の本とかに、よく

「運転資金は、半年間売上が1円も入ってこなくても生き延びられるように、コストの半年分くらいのキャッシュを持っておきましょう。」

とか

「月商の3ヶ月分くらいは、キャッシュを持っておきましょう」

とか、書いてあるじゃないですか。

それを守れているなら、もちろん立派だけど「守れてないと必ずしも潰れる」っていうわけでもないし、逆に「守れてたら潰れない」っていうこともないんです。

ちゃんとコストの半年分のキャッシュを持っていても、コロナが12ヶ月続いたら、もたないじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

そうだよね。

工場長西村豪庸

もちろん3ヶ月でも半年でも、1年でも2年でも耐えられるキャッシュがあれば、それはそれでいいけど「ただひたすらお金を持っておくことが正しいのか?」って言っても、そうじゃないと思うんですよ。

投資もしていかなきゃいけない、新規事業の種は蒔いていかなきゃいけない、でも明日死ぬわけにも行かないから、それぞれ適したバランスっていうのがあると思うんです。

ナレーターやまだひさし

インスタイルグループは、今回の件で新しいビジネスを始めることはありますか?

工場長西村豪庸

今んとこないですね。

強いて言えば、コロナからのシェルターのような、中小企業やベンチャー企業の逃げ場を作るプロジェクトを用意してるところです。

こういうときって、ついつい昔で言ったら

「キャッシュ is キングだよ」
「土地がやっぱり王様だよ」

とか言う人いますけど、唯一絶対の解ってないじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

ネットとかでも、言ってる人がいますね。

工場長西村豪庸

保険だってそうです。

日本って、火災保険は手厚くかけるけど、地震保険をあんまりかけない国だったので、3.11の地震で家が倒壊したときに保険がおりない人が多かったんです。

それがきっかけで、地震があっても保険がおりる保険を選ぶようになったり、そういう商品がつくられたりしたんですよね。

それと一緒で、今エンタメ業界がこれだけ被害を受けてるのも、保険会社がSARSのときにバタバタ潰れて学んだからなんですよ。

SARSのときは保険会社が全部保証してバタバタ潰れたんで、こういうウイルス系に関しては保険を出さないようにしたんですよね。

今回のコロナでも保険会社が全部カバーしてたら、多分全部潰れてたと思うんです。

ナレーターやまだひさし

そうよね。

工場長西村豪庸

皆繋がってるって言ってたのはそういうことで「これをやってたら確実に安心」っていうものを探すのが、一番危ないじゃないですか。

そんなものはないから、対応していくしかないんです。

ナレーターやまだひさし

僕らもそこは、タフになるしかないですね。

工場長西村豪庸

日本はバブルが2回崩壊して、リーマンショックもあって、3.11もあったし、それで今回のコロナでしょ?
僕が生きているだけで、こういったことが5回あるんですよ。

40年のうちに5回もあるってことは、8年に1回はこういうことが起こるんですよ。

ナレーターやまだひさし

なかなかのペースだな 笑

工場長西村豪庸

2オリンピックに1回はあるんですよ 笑

ナレーターやまだひさし

しかも今、だいたい80年以上生きるから、10回くらいは経験するんですね 笑
コロナのあとも、どうせまだ何かあるんだ。

工場長西村豪庸

ダメになるときだって良いときだってあるし、それを全部カバーできるやつなんか絶対に居ないから、ダメになったときは開き直ればいいんです。

基本は命あっての物種だから、何度も言うように、たかがお金で命を絶とうとしないで乗り越えて、また8年後になんかあって「コロナみたいなもんだよね」って言えるように、今を生き延びればいいんです。

ナレーターやまだひさし

本当だね。
サバイブしていくしかない。

工場長西村豪庸

全部を予見することなんて無理だし「あたしだけは本物の占い師なのよ」っていう人、世の中に3000人くらい居るでしょ?

ナレーターやまだひさし

下手したらその占い師の中にも、コロナにかかってる人がいるでしょうね 笑

工場長西村豪庸

でしょ?
その人達の中で「2020年に、世界は未曾有のウイルスでパンデミックに陥るから」って言ってるやつなんて、居ないじゃないですか。

未来なんて、誰にもわからないわけですよ。

ナレーターやまだひさし

みんなそういう状況だから、俺だけがこんな目にあってるなんて思わないほうがいいですね。

工場長西村豪庸

さっきのキャッシュの話も、今はアリとキリギリスみたいな「コツコツ貯金することが、大事だったでしょ」みたいな話じゃないんですよ。

「夏に遊んじゃったキリギリスは死んだけど、コツコツ貯金してたアリも、ちゃんと死んだ」みたいな状態じゃないですか。

ナレーターやまだひさし

そうだよね。
でも僕は、勝手に乗り越えられる気がしてるし、そういうつもりで今お金を使ってます。

工場長西村豪庸

今だって、苦しんでる人が居ないとは言わないですけど、3.11だって阪神淡路だって、今まで起きたすべての出来事、一定数乗り越えられた人がいるわけだから、間違いなく今回も乗り越えられますよ。

ナレーターやまだひさし

そこを信じるしかないし「乗り越えられる側になるには、どうしたらいいか?」っていう努力は、しなきゃいけないですね。

工場長西村豪庸

あと、これだけは言わせてほしいけど、一番の被害者はコロナビールの会社の社長だから。
俺の友達で最近、可哀想だからってコロナビールを飲む会をやってるやつが何人かいますよ 笑

ナレーターやまだひさし

ビールは関係ないのに 笑
不謹慎とか云々じゃなくて、みんなこういうふうにショックを受けている以上、違う方向で乗り越えないといけないですね。

今はもう、ワクチンなどが開発されるか、僕らに少しづつ免疫ができて、ウイルスに耐えられるようになるしかないですよね。

工場長西村豪庸

集団免疫の獲得は、武漢の悲劇をあと何十回かやらないと多分難しいでしょうけど、その前に世界がぶっ潰れるから、多分そのシナリオは無理ですね。

だから、完璧に封じ込めるなり、適度な乗り越えに舵を切って成功した国と、失敗したアメリカやイタリアみたいな国と、バッツリ分かれるんじゃないですか?

中国とか台湾とか、上手く行ったら日本も成功した方に入るし。

だから「この2、3週間頑張って、あんまり外でないでね」って話になってるわけでしょ?

ナレーターやまだひさし

そうですね。

僕らの仕事って分かってはいたけど、不要不急の "不要" に入りますから、言葉としては寂しいもんですよ。

だから仕事も、一番最初にキャンセルとかになるわけだけど、それを自分で選んできましたし、今更コロナのせいだとは思ってないですけどね。

自由業の人への、1日あたりの支給額がすごい安いみたいなこと言ってる人がいるけど、自由業だから仕方ないんですよ。

工場長西村豪庸

それも自由ですからね。

ナレーターやまだひさし

ダメなときに「4000円じゃ安い!」とか言ってるけど、それ自由業じゃないからね!

工場長西村豪庸

そうなんすよね。

ナレーターやまだひさし

「平等に何十万よこせ!」っていうやついるけど、パニックに陥っちゃってて、自我を忘れてるというか、そこは違うよねと思います。

いやー、みなさん乗り越えましょうね。

工場長西村豪庸

うん。
頑張って乗り越えるしかないから。

ナレーターやまだひさし

乗り越えるヒントみたいなものは、僕らも発信していけそうなので、ヒデちゃんが

「こんなの見つけた!」
「今、コレやっとくと良いよ!」


みたいなものがあったら教えて下さいね。

工場長西村豪庸

そうっすね。
でも「これ良いよ」って言っちゃうと、合成の誤謬が起こるから 笑

ナレーターやまだひさし

じゃあ、毎週1文字ずつヒント言っていこう 笑

工場長西村豪庸

「今週のヒントは、トイレット…」

ナレーターやまだひさし

そう、そのくらいにしておこう 笑

「トイレット…。 さあ、なんでしょう?」

ってしておけば、みんな

「トイレット関係らしいぞ…」って探し始めて、あんなことにはならないから 笑

皆さん、乗り越えてくださいね!

工場長西村豪庸

頑張ろうねー。

ナレーターやまだひさし

「西村豪庸の『社長工場』」
「毎週1000万投資」と題しまして、情熱を持った起業家へエンジェル投資も行なっております。

エンジェル投資の詳細は第7回第8回の放送をお聞きください。

また、番組への質問・ご意見は下記のお問い合わせフォームからお問い合わせください。

西村さん本日もありがとうございました。

工場長西村豪庸

ありがとうございました。

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