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第63回「独占禁止法」

独禁法の対象になるもの、ならないもの

読むポッドキャスト 第63回「西村豪庸の『社長工場』」

    トピックス一覧
  1. そもそも、独占禁止法とは?
  2. 某高級アイスクリーム製造販売会社
  3. 独禁法の対象になるもの、ならないもの
  4. "さじ加減" にならないためには
  5. やっぱりお節介しすぎる日本人
  6. 今の世界は、江戸時代の江戸よりも狭い
  7. 人の行く裏に道あり花の山

ナレーターやまだひさし

「西村豪庸(にしむらひでのぶ)の『社長工場』」!!

こんにちは、やまだひさしです!
ポッドキャスト番組、西村豪庸の社長工場では、インスタイルグループの代表を務める経営コンサルタントの西村豪庸さんが、ビジネス、経営に関することを独自の視点で解説していきます。

西村さん本日もよろしくお願いします。

工場長西村豪庸

お願いします。

ナレーターやまだひさし

「独占禁止法」略して「独禁法」

正式名称「私的独占の禁止および公正取引の確保に関する法律」

ここら辺の話になると何も分かんないから、僕のトーンが落ちるんですよね。

甲だ、乙だ、丙だとかが出てきて、何言ってるか全く分かんねー。

工場長西村豪庸

契約書の回みたいなね 笑

ナレーターやまだひさし

契約書を書くボールペンのとこは分かりましたよ。
でも今回は独禁法ですって。
僕は最初「土足禁止法」だと思ってましたからね。

工場長西村豪庸

土禁(どきん)法ね 笑

ナレーターやまだひさし

僕らの頃は車を買ったヤンキーに「お前の車、靴脱いで乗んの?」なんて言ってね。

工場長西村豪庸

俺も人生で2回「この車、土禁ですか?」って聞かれたことあります。

ナレーターやまだひさし

その話じゃないですよね?

工場長西村豪庸

違うと思います 笑

そもそも、独占禁止法とは?

ナレーターやまだひさし

この法律は、実は自分たちの生活の中にすごく関係してるんです。

独禁法は大きく分けて7つあります。

工場長西村豪庸

はい。

ナレーターやまだひさし

1つ目は私的独占
市場を独占している企業が取引先の企業に対して、リベートと言うボリュームディスカウントなど出して、競争相手を市場から閉め出して新規参入者を妨害すること。

昔はやってたんですけど、消費者にとって不利益になるからと、禁止になったんです。

2つ目はカルテル
カルテル、トラスト、コンツェルンって覚えましたね!
でも「一つひとつの意味は?」って聞かれても、カルテル、トラスト、コンツェルンしか覚えてませんから。

工場長西村豪庸

サイン、コサイン、タンジェントみたいな 笑

ナレーターやまだひさし

そのサインが何だったか知らないんです、僕ら丸暗記世代ですから。

カルテル、トラスト、コンツェルン…今やなんですかね?
カルテルって、甘いマティーニみたいなやつですかね?

工場長西村豪庸

それは多分、カクテルですね 笑

ナレーターやまだひさし

これは、複数の企業が連絡を取り合って、商品の価格なんかを決めるやつ。

工場長西村豪庸

みんなしてうまいこと「この金額にしとこうよね」みたいな。

そんなこと言っても、海の家だって、毎年同じ金額で焼きそばを出さなきゃいけなかったりするんですね。

ナレーターやまだひさし

やってる、やってる。

工場長西村豪庸

うちだけ「シャワールーム代を安く設定しちゃいけない」とか言われるんですけど、あれきっとカルテルですよね?

ナレーターやまだひさし

だってあれ、安くしたら怖い人が出てきて

「同じ値段でやれよ、この野郎!」

って、怒られるもん。

僕の地元、札幌のラーメン横丁も、みんなラーメンの値段同じにしてるんですよ。

カニを乗っけてるとかは別だけど、しょうゆ、みそ、塩に関しては同じ値段です。
でもよくよく聞くと、各企業でそれぞれ話し合ったわけではないっていう体になってるんです。
偶然一緒なんだね。

工場長西村豪庸

空気読んだ?笑

ナレーターやまだひさし

空気読んだ 笑

続いて3つ目は入札談合
これもよく、池井戸さんの本とかドラマになってますよ。
入札だって言ってんのに、裏でなんかもう決まってて…

工場長西村豪庸

白紙入札とかありますもんね。

ナレーターやまだひさし

何億、何十億規模の入札をやってるのに、500円違いぐらいのものとか。
小刻みに刻んできて「あなたが1位になった」みたいなのとかも、ダメなんですよ。

4つ目、共同の取引拒絶
これは「安売りする販売店を閉め出すために、競争関係にある企業が共同に特定の企業との取引を拒むとか、第三者に特定の企業との取引を断らせたりする行為」と…

工場長西村豪庸

何言ってるか分かんないですよね。

ナレーターやまだひさし

難しいな、これ…

工場長西村豪庸

安売りするやつを締め出したいから「あいつとは取引すんな」って言って、うまいこと元々の取引先と、どやこやさせないってことですか?

ナレーターやまだひさし

はい。
これはやっぱり消費者にとっては不利益ですから。
それを止めるってことです。

まだまだあります。
5つ目、再販売価格の拘束
要するにメーカーが小売業者に対して安売りさせないために、メーカーが指定した価格で販売しない小売業者等に対して、指定した価格を守らせる行為。

それをやっちゃうと…

工場長西村豪庸

やってる気がするけどな。

ナレーターやまだひさし

やってるんでしょうね 笑
でもダメなんです。

6つ目、優越的地位の濫用(らんよう)
これはあるんですよ!
押しつけの販売だったり、協賛金の負担だったり、不当な返品だったり、従業員の派遣要請とか。

工場長西村豪庸

「うちと取引したかったら、お前んとこから何人来るの当たり前だろ?」

みたいなのは、全然聞きますよね。

ナレーターやまだひさし

うちの父親がそういうビジネスをやってたんで、デパートとかに卸したりすると、そういうことを言われてふてくされて帰ってきたこととか覚えてますよ。

「スタッフはお前んとこの会社から出すんだ!」

みたいなのを、よく言われてたって言ってました。
だから禁止なんです。

工場長西村豪庸

あいつらは、ダメだけどやってるってことですね。

ナレーターやまだひさし

僕の仕事はどうなんですかね?
今Tokyo FMで仕事をしてるんですけど

「J-WAVEとか、他の放送局に出ないでね」

って言われるんですけど…

工場長西村豪庸

優越的地位の濫用(らんよう)か、再販売価格の拘束かな?

ナレーターやまだひさし

あれは再販売なんですか?

工場長西村豪庸

共同の取引拒絶かな?

ナレーターやまだひさし

何かに当てはまってる気しますけどね。

工場長西村豪庸

わかった!
入札談合かな? カルテルかな? 私的独占かな?笑

ナレーターやまだひさし

ほぼほぼじゃないですか!笑

7つ目は、企業結合
市場を二分している企業同士の合併による、市場を独占するのもダメです。

工場長西村豪庸

50+50で、100になっちゃダメってことですかね。

ナレーターやまだひさし

完全なマンモスになって、ますます独占するんでね。

某高級アイスクリーム製造販売会社

ナレーターやまだひさし

某高級アイスクリーム製造販売会社のニュースを思い出しました。

工場長西村豪庸

某ね。

ナレーターやまだひさし

Shall weですよ。

ちょっとお高いアイスだから、お店側としてはたまに「全商品のアイス◯割引」とかって言って売りたいわけです。

でも「この商品は除く」みたいなことが結構あって…

工場長西村豪庸

Shall weは除く。

ナレーターやまだひさし

全然定価で口に入れられるんです。
でも、うまいんですよ。

工場長西村豪庸

うまいんですよね。

ナレーターやまだひさし

ええ、うまいんですよ。
大好きなの、僕も。

工場長西村豪庸

僕も好き。

ナレーターやまだひさし

だからなかなか、当時はなかなか安くなんなかった。
今はね、普通に割引も探せばあったりしますね。
だからこのルールのおかげなのかなっていうこともありますし。

工場長西村豪庸

なるほど。

ナレーターやまだひさし

ただ、それでもまあお高いです。
だから、たまに贅沢をする日とか、お待たせで持って行くと喜ばれるんで…
難しいんです、この問題も。

工場長西村豪庸

だから、Shall weが最近、季節限定商品をひたすら作ってるのは、そういうことなんですかね?

ナレーターやまだひさし

ずいぶんいろんな味のレパートリーが増えましたね。
これも僕ら的には、独禁法があって良かったのかな?って話なんですよ。

工場長西村豪庸

うーん…

ナレーターやまだひさし

あれ?
ヒデちゃんはちょっと「うーん」ってなりましたよ。
消費者側の側面と、経営者側の側面がありますからね。

工場長西村豪庸

はい。

独禁法の対象になるもの、ならないもの

ナレーターやまだひさし

先週やったように、やっぱり基本的には消費者を守るためなんですよね。

工場長西村豪庸

基本は

「自由経済社会を信じてます、自由競争がすべて正しいです。
だから公正かつ自由な競争を妨げる行為を規制する」


っていうのに基づいて

「みんなが自由に市場に入ってきて自由に競争したら、消費者にとって一番いい結果になるだろう」

っていうことを信じてるっていう法律ですよね。

「神の見えざる手」と呼ばれた、あれを信じてるってことですよね。

※神の見えざる手とは…アダム・スミスが「国富論」で自由競争について提唱した社会思想の有名な言葉

ナレーターやまだひさし

今のヒデちゃんの話を聞くと、ちょっと腑に落ちないところもありそうなので、1つずつ聞いてきますね。

工場長西村豪庸

はい。

ナレーターやまだひさし

例えば、販売する値段を小売店が決定する権利があるのであれば、人気商品を卸値よりも安く設定します。

フロントエンド商品として販売し、代わりに抱き合わせで別の物を購入してもらって利益をあげるなんて手法あるじゃないですか。

これはOKですか?

工場長西村豪庸

まあ…一応聞きましょうか。

ナレーターやまだひさし

あと、企業結合っていうのも、さっき僕が言いましたけど…

工場長西村豪庸

独占するようなやつね。

ナレーターやまだひさし

はい。
ってことは、業界シェア上位の会社同士が、市場を独占するような合併をしてはいけないってことになるのかな?

工場長西村豪庸

うーん…

ナレーターやまだひさし

例えば電通と博報堂が合併とか、セブン-イレブンとファミマとローソンが合併、トヨタとホンダが合併っていうのは、起こりうるんじゃねえかと思うんです。

でも、ダメだってこと言ってるんですかね?

工場長西村豪庸

うーん。

ナレーターやまだひさし

大手銀行の合併とか大型百貨店同士の合併とか、今まではあったと思うんですよ。

これはマーケットに影響しないってことで、OKになってるんですか?

工場長西村豪庸

「消費者を保護するって思ってんのか?」ってことですよね。

ナレーターやまだひさし

「トヨタとホンダの合併と、何が違うの?」みたいになるし。

あとは最近、国営から民営に変わるじゃないですか。
JRもそうだったし、JTも、NTTも「一社しかないじゃん?」ってことなんですけど、これは独禁法の対象にならないのか?

工場長西村豪庸

公取(公正取引委員会)のさじ加減です。

ナレーターやまだひさし

いやいや 笑
4つ聞いたけど、全部に共通のお答えで、漢字三文字「匙加減」

工場長西村豪庸

漢字四文字にしてって言われたら「気分次第」
「担当次第」
でもいいです。

ナレーターやまだひさし

アハハハ! 四文字だ!
担当次第、気分次第…。

工場長西村豪庸

さじ加減。

ナレーターやまだひさし

まじっすか…
「独禁法は、さじ加減」
誰か歌を作ってほしい。

工場長西村豪庸

売れないでしょうけどね 笑

ナレーターやまだひさし

こんなに大変なことになって、いろんな人が翻弄(ほんろう)されてきたんですよ。
でもふた開ければ…

工場長西村豪庸

さじ加減。

ナレーターやまだひさし

呼んでこい、その人!っていうぐらい、実はすごく曖昧。

工場長西村豪庸

さじを振るってる人をね 笑

"さじ加減" にならないためには

工場長西村豪庸

例えば企業統合とかに関して言うと、合併前に公取にお伺いを立てたりするんですよ。

「俺ら合併しようと思ってんだけどいっかな?」

みたいな。

ナレーターやまだひさし

「これって引っかかります? 大丈夫っすか?」みたいな。

工場長西村豪庸

「引っかかるね」って言われるときも「大丈夫っしょ」みたいなときもあるんですけど、さじ加減だからそういう感じなんですよ。

ナレーターやまだひさし

あらー。

工場長西村豪庸

だって市場シェア90%の既存企業がいて、こっちは30%と20%の企業合併で合計50%なのに、90%は許されて50%許されてないとか、全然ザラにあるので。

ナレーターやまだひさし

なんだかちょっと闇深いな。

工場長西村豪庸

結局AIもそうなんですけど、こういう人の "さじ加減のもの" って5年後、10年後、20年後、30年後ってどんどんなくなってくと思うんです。

ナレーターやまだひさし

その当時はそうだったかもしれないが、そんな壁はどんどんなくなっていって…

工場長西村豪庸

AIに情報を全部入れたら「こいつとこいつは大丈夫」「これはダメ」「これ入札談合」「これ私的独占」とか…

ナレーターやまだひさし

ジャッジできちゃいますよね。

工場長西村豪庸

勝手にジャッジされるようになる方が、公正取引委員会的に言えば健全ではあると思うんですよ。

ナレーターやまだひさし

数値化されしっかりとしたそれに基づいてジャッジする。

工場長西村豪庸

A社とB社が合併するのを

「ようござんすか?」

って聞いて

「いい」
「ダメ」


言われるよりは、情報入力して現在の市場シェアが何%で、過去5年間、10年間、20年間で予測されるのがこんなもんだから

「あなたたちはOK あなたたちはダメ」

って判断するのは、AIの方が感情が入んないからいい。

ナレーターやまだひさし

むしろフェアですよね。

工場長西村豪庸

よく闇金は「表の銀行と違って、わてら人を見て貸してますから」って言うけど「頼むから、担保と与信力を見て貸してくれ」って話じゃないですか。

そんなの怖くてたまらんじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

担保と与信力だと、借りれない人が出てきちゃうんですよね。

工場長西村豪庸

そうだけど、逆に言ったら担保と与信力を見てデジタルに判断してくれる方が正しいじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

そうですよ。
返済能力が見えますから。

工場長西村豪庸

それでいいじゃないですか。
だけど「わてら人を見て貸してまんねん」って言われたら、ちょっと一見いいことのように聞こえるけど、ダメじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

そのおかげで、不幸になってる人がたくさんいるんですからね 笑

工場長西村豪庸

それと一緒で、人を見て「貸してます」「貸してません」って言われる方が怖いし。

極論だけど、人事もそうだから。

ナレーターやまだひさし

本当だ。

工場長西村豪庸

世の中の採用担当者に「どこを見てますか?」って聞いて、99% "人柄" って返ってくるんですよ。

ナレーターやまだひさし

ほぼ数値化できない、むちゃくちゃ曖昧な 笑

工場長西村豪庸

俺もそう言ってるんですけど、結局そういうことなんですよ。
でも、AIは人柄見ないんで。

ナレーターやまだひさし

そういう情報じゃないんで。

工場長西村豪庸

そう。
だからこういうものに関しては、AIの方が俺いいと思ってんですよ。

ナレーターやまだひさし

はあ…むしろ独禁法みたいなものをジャッジする指標は。

工場長西村豪庸

利権にならないから。
要するに権力にならないから。
公取でも消費者庁でもなんでもいんですけど。
権力になり過ぎるのってよくないと思うし、一極集中するのってよくないと思うし。
公正取引委員会が一番独占禁止法に抵触してるんじゃないかって思ってるタイプなんで、俺は。

ナレーターやまだひさし

はいはい 笑
おまえら自体がそもそも…みたいなね。

工場長西村豪庸

そうそう。

「教室では静かにー!」
「いや、おめえが一番うるせえ」

みたいな。

ナレーターやまだひさし

確かに。
これは面白い話になったな。
独禁法が独禁してるわ、本当だわ。

工場長西村豪庸

一番強えんだろ? おまえらはっていう…。

ナレーターやまだひさし

ってなっちゃうもの。
そうねえ…。
だからさっき言ってた「さじ加減」ってことになっちゃうんでしょと。

工場長西村豪庸

だから、さじ加減にならないためには、とっととAIになってくれたほうがよっぽどよくて。

ナレーターやまだひさし

入力した瞬間にすぐ出てくるもんね。

工場長西村豪庸

出てくる。

ナレーターやまだひさし

「ブッブッブッブー! はい、独禁法です」みたいな。

工場長西村豪庸

それが本当の消費者法だったりすると思うんですよ。

やっぱりお節介しすぎる日本人

工場長西村豪庸

景表法のときもそうだけど、日本人はどうでもいい人に対してお節介し過ぎ。

ナレーターやまだひさし

難しいな…。

工場長西村豪庸

別にほっときゃいいものも、いっぱいあるから。
でも、基本的にいわゆる独禁法って国際的にみると、競争法って言われるやつで、要するに自由競争を支持しますよって法律の観点でつくられてるわけですよ。
だからやぱり自由競争ってすばらしいよねと。

ナレーターやまだひさし

まあね、僕らはそう思って生きてきた。
ね。

工場長西村豪庸

そうそう。
だから資本主義万歳。

ナレーターやまだひさし

そうよ。

工場長西村豪庸

自由競争万歳っていうのが前提でできてるから。
だとしたら、それをいちいち死ぬほどコントロールする権力を集中させる必要もないわけですよ。

ナレーターやまだひさし

うん。
それも自由にしてしまえばいいわけで。

工場長西村豪庸

そう、極論。

ナレーターやまだひさし

例えばの話、ラーメン横丁だけど同じ値段でみそラーメンを売ってます。
でもそれがもし高いとなって、客が来なくなったら考えるじゃないですか。

工場長西村豪庸

それは、そいつの勝手でしょってことなんです。

ナレーターやまだひさし

困るのは横丁なわけで。

工場長西村豪庸

それが本当の自由主義でしょ、自由経済でしょって話じゃないですか。

ナレーターやまだひさし

それを縛ることによってどうのっていう必要はなくて。

工場長西村豪庸

某アイスクリーム社が安売りとかさせないっていうことで

「じゃあ仕入れない」
「じゃあ仕入れる」


とかってなっても、それはそれで自由競争でしょって思ったりもするわけですよ。

ナレーターやまだひさし

その店にそれがなくて、その店がどうなるかまた分からんし。

工場長西村豪庸

もしくはこの場合だと

「価格が理由じゃなくて、あの担当がむかついたから、ちょっと人間的な感情であいつと取引やめたんです」

って言われた方が、通用しちゃうわけじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

本当だ。

工場長西村豪庸

「再販価格を縛りたかったんじゃなくて、気に入らなかったんです」って言って。

「人見て貸してまんねん」の話ですよ。
こんなアホくさいことないんです。

ナレーターやまだひさし

これはそうなんだね。

工場長西村豪庸

だから「さじ加減」「担当加減」ってちょっと言い過ぎたこと言いましたけど。

ナレーターやまだひさし

いや、分かります、分かります。
本当に考えると「この法律なきゃいけないことなの?」
みたいなところにも…

工場長西村豪庸

もちろん、これで恩恵を得てるってのはあるんだけど。

ナレーターやまだひさし

とは言え、そろそろこういうもので縛られなくたって、僕らを含めて消費者ももっとそういう知識を持っていけばいいですね。

今の世界は、江戸時代の江戸よりも狭い

工場長西村豪庸

今の時代ってスマホもあるしSNSもあって、1億総メディア化してる世の中だから、悪さしてたりよく分かんないことしてても、一瞬でちゃんと拡散するんです。

競争法も含めて、それがなかった時代の法律なんですよね。

新しいテクノロジーだとか新しい概念、新しい社会の価値観がないとき、それこそ僕が高校生、大学生ときぐらいのときに「今の世界は江戸時代の江戸よりも狭い」っていう表現があって。

情報通信技術が発達して、地球の裏側まで一瞬で情報が伝わるし飛行機使って行けるから、相対的に考えると江戸時代の江戸よりも今の世界は狭いっていうのを読んだことがあって、すごい納得いったんですよ。

ナレーターやまだひさし

確かに。
繋がれてるからねと。

工場長西村豪庸

この全部が繋がってるこのご時世に、僕が高校、大学生のときよりもさらに繋がってて、さらに拡散する今のご時世でこの独禁法とか、中途半端におっきい機関が中途半端におっきい力を持つよりも、そんな会社が生き残れないような時代になってる側面もあるじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

市場やユーザーの方が、どんどんそういう情報が拡散されて、バレてますもんね。

工場長西村豪庸

「あそこ、10年前から閉店セールしてんぜ」とか、もう知ってるから 笑

ナレーターやまだひさし

「この金額、全然適正じゃないぜ。
価格.comも見てみ?」
みたいになってますもんね。

工場長西村豪庸

ちょっと法律が古いっていうか、概念が古いんですよね。

ナレーターやまだひさし

これ、ちょっと変わるところに来てるのかもしれませんね。

工場長西村豪庸

これって、自由主義や経済主義、資本主義が、1番正(せい)だったとき、それが1番新しかったときの概念と法律なんですよね。

ナレーターやまだひさし

言われたらそうだわ。
ここで縛る縛らないも何もなくて…

工場長西村豪庸

ここでいくら完璧なものをやってても、今はSNSで炎上したら終わりとか、そんな時代じゃないですか。

ナレーターやまだひさし

確かに。
それで不買運動がいっぺんに起きちゃってみたいなことがありますね。

工場長西村豪庸

そうなんですよ。
全然公正にやってたんだけどな、みたいな。

人の行く裏に道あり花の山

ナレーターやまだひさし

もちろん、仕事柄このルールを守らなきゃいけない会社の人は、今のところまだ現行法があるので…。

工場長西村豪庸

もちろん。
どっかの議員さんみたいに、マリフアナ解禁に向けて頑張ってるけど、マリファナ吸っちゃうみたいなのは「それは解禁されてから吸いなさいよ」って話で。

今はこの法律があるからちゃんと遵守して、顧問弁護士なりにちゃんと確認してもらってやるべきだけど。

ナレーターやまだひさし

その上でってことですね。

工場長西村豪庸

はい。

ナレーターやまだひさし

今はもちろん、この現行法を勉強するのも大事ですが、その一方でAI化して、どんどんいろんなものが変革になっていくので。

工場長西村豪庸

そうなんですよ。
それこそ女の子の再婚禁止期間も、「誰の子か分かんないじゃん?」っていう理屈じゃないですか。

でも今は「DNA鑑定すりゃいいじゃん」「半年空ける必要ねぇじゃん」って言われたら、一撃なんですよね。

ナレーターやまだひさし

そうか。
あの頃はDNA鑑定がなかったから、あの期間を設けましょうという。

工場長西村豪庸

誰の子か分かんない子を作っても困るやろと。
でも今は分かるじゃないですか。

ナレーターやまだひさし

そしたらもうルールを変えなきゃ。

工場長西村豪庸

っていう話になってくるじゃないですか。
極論なんですけど、それと一緒なんですよね。

ナレーターやまだひさし

そうやって聞いちゃったら、不合理っていうか非合理のものもあるもんね。

工場長西村豪庸

いっぱいありますよ。

ナレーターやまだひさし

ここにも疑問を感じるっていう、その目線を持つって大事かもしれません。
経営とか起業してく人たちっていうのは、みんなと同じ目線ではなくちょっとだけ違う角度からものを見れる判断とか、その視野ってすごく重要ですもんね。

工場長西村豪庸

重要ですね。
相場の格言にね「人の行く裏に道あり花の山」だったかな。
要するに、人とちょっと違う方行った方いいよっていう。

ナレーターやまだひさし

そこにまたチャンスだったり、発見がありますもんね。
勉強になりました。
ルールを破れってことじゃないですからね。

工場長西村豪庸

はい、さじ加減です。

ナレーターやまだひさし

いい言葉でした。
すばらしいな「さじ加減」

これむっちゃ日本語なんですけど、ちなみに英語だとなんて言うんですかね?

工場長西村豪庸

dependsです 笑

ナレーターやまだひさし

なるほど、スプーンは関係なかった!
ありがとうございました 笑

「西村豪庸の『社長工場』」
「毎週1000万投資」と題しまして、情熱を持った起業家へエンジェル投資も行なっております。

エンジェル投資の詳細は第7回第8回の放送をお聞きください。

また、番組への質問・ご意見は下記のお問い合わせフォームからお問い合わせください。

西村さん本日もありがとうございました。

工場長西村豪庸

ありがとうございました。

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